三重県立飯野高等学校

○インターネット利用状況

(1)本校独自の企画

 ア.「VR MUSEUM(Virtual Reality:仮想現実)」

   毎年2月に開催している卒業制作展の会場風景を、バーチャルリアリティにて実現しました。卒業制作展の会場に行かなくても、ホームページ上で立体的に360度のパノラマムービーを体験できます。会場にて見学した生徒も、パノラマムービーにて、再度の鑑賞ができました。

 イ.「赤あおめがねで見る立体の世界」

   身近な作品や物体を手軽に立体的に見ることにより、アイデアと工夫次第でのリアル感を体験しました。昔なつかしい手作りによる赤色と緑色のレンズ(セロファン)を利用して、メガネを作成して立体の世界を体験しました。手作りによる工夫で、インターネットを活用できることがわかりました。

(2)授業での活用

 ア.「コンピュータグラフィックス」

   応用デザイン科3年生コンピュータグラフィックスコースの生徒は、コンピュータグラフィックスを含むデザイン関係の情報をインターネット上の各種ホームページから収集して、視野および知識を広め、デザイン作品の完成度およびテーマ設定かからデータ検索・収集を経てレポート作成までの能力を高めました。

 イ.「英語一般」

   英語科1年生の生徒は、1学期にパソコンの基本操作とタイピングの練習をします。

   2学期には夏休みの宿題のスピーチの原稿をタイプして文集を作成します。3学期には最終的に英語、あるいは外国文化に関するテーマでA4用紙1枚のレポートをワープロで書いて、文集にします。

(3)三重県総合教育センターとのメール交換

 応用デザイン科2年生は、三重県総合教育センターにおいて、校外実習を毎年実施しています。センターでは、授業では体験できないネットワーク学習などを行いました。今年は、本校とセンターとの間で生徒間のメール交換を行いました。センターで実習している生徒が、学校に残っている生徒に実習の状況や感想などをメールで送り、その返事をセンターに送り返しました。

(4)社会に開くコミュニティースクール推進事業

 県の補助事業である社会に開くコミュニティースクール推進事業の指定を受け、校外より現在ホームページデザイナーとして活躍してみえる先生を講師として招いて、応用デザイン科2年生コンピュータグラフィックスコースの生徒に、画像処理ソフトの使用方法や処理技術の学習、およびホームページの作成を行いました。

(5)情報処理技術者(SE)の活用事業

 県の補助事業である情報処理技術者(SE)の活用事業の指定を受け、SEによるインターネット関連の授業を行いました。応用デザイン科1年生を対象に、インターネットの活用およびホームページの作成を行いました。

(6)韓国修学旅行の事前学習

 2年生の修学旅行先は、韓国です。事前学習資料を作成するために、韓国関係のホームページにアクセスして、各種の情報を収集しました。

(7)三重県高等学校商業教育研究会の講習会

 昨年に続き、県内の商業科教員を対象にしたインターネット講習会を行いました。

 HTML言語によるホームページの作成を行いました。

(8)他校生へのインターネット講習会開催

 三重県立明野高等学校情報処理部の生徒に対して、インターネットの活用およびホームページの作成の講習会を行いました。夏休みに飯野高校に来校して、ホームページの検索・HTML言語によるホームページの作成を行いました。

○平成9年度の成果と課題

(1)活用方法

 インターネット環境は、導入時はサーバーとクライアント1台でしたが、現在はクライアント23台(Macintosh、教師用3台、生徒用20台)を実習室に設置し、いつでも利用できるように開放しています。生徒用20台の設置により、生徒1人に1台の割り当てとなりました。本校の応用デザイン科と英語科の専門科目の授業は、20人講座(1クラスを2講座に分けます)でおこなっています。

実習室は、いつでも生徒が利用できるよう開放しています。

(2)教育効果

 100校プロジェクトおよび新100校プロジェクトの指定校として、3年が経過しました。3年前と比べると、生徒のインターネットへの興味・関心も高まりました。初めは珍しさもあり、「インターネット、インターネット・・・」と騒いでいました。しかも、それは自分の興味・関心だけの世界でした。毎日の学習とは結びつきにくいものでした。学習の中でのインターネットの活用ができませんでした。

 3年目の本年は、1人1台使用できる環境になり、生徒は充分に活用できました。

 1人1台使用できる環境になってからは、応用デザイン科に加えて英語科の生徒も授業の中での利用も始まりました。ホームページの検索も、学科の特色にもとづいて各自でテーマを決め、レポートを作成するという主眼においています。

(3)技術的課題

 本校のクライアントは、Macintosh20台です。3年前は5台、2年前は10台、本年は20台と、増設をしてきました。HUBユニットの増設、ケーブルの接続、サーバーへの増設設定、クライアントの設定などは、すべて担当者で行いました。Macintoshは、操作が簡単で、生徒も覚えやすい機種です。しかし、一度トラブルが発生すると回復までにかなりの時間を要しました。

 本年度も10台を増設しましたが、機械によりインターネットに接続できない機器がありました。例えば、IPアドレスでは正常に接続できるのに、ドメインネームでは接続できませんでした。原因は未だに不明です。OSに漢字Talk7.5を使用していました。OSをOS8にバージョンアップしたら、ドメインネームでも正常に接続できました。漢字Talk7.5で正常に接続できている機械もあり、現在、OS8と漢字Talk7.5の機械が混在しています。各方面に問い合わせましたが、原因が不明のままです。

○新100校プロジェクトに参加して

 インターネットを運用して3年が経過しました。教職員および生徒の利用度も上がり、授業および行事等の中での活用も増えてきました。

 100校プロジェクト担当者は、この3年間でインターネットの知識・技能を習得し、各方面で活躍することができました。三重県教育委員会主催の教職経験者研修会でのインターネット講座の講師、教育メディア・生涯学習情報提供研究協議会での実践発表およびパネリスト、その他研修会等での講師など、三重県唯一の100校プロジェクト指定校として、県下のリーダー的存在として活躍できました。

 24時間稼働のサーバーを有することは、UNIXをマスターする困難さもありましたが、充分に時間をかけて勉強することができました。