石川県立小松工業高等学校

○ネットワーク利用状況

実践項目1 工業科での利用

  機械システム科

   3年生が行う課題研究のテーマのひとつとして、インターネットを通し相手養護学校に通う生徒と交流を行い、養護学校の様子をもとに障害者用マウスのあり方を考え設計・製作を行った。また、ews実習の一環として、インターネットに関するビデオの鑑賞、画像を取り入れたホームページの作成などを行なった。

 電気科電子情報科

   7社の企業の方々から電子メールで生徒に質問してもらい、生徒は電子メールで解答した。質問内容は企業の方々が高校生ならば知っていて欲しい、あるいは知っているだろうと思うことである。一人あたり3回の質問を受け、最後に生徒が企業の方々すなわちインターネット上の先生へ質問した。以上の内容をホームページに張り付け広く意見を募った。

 電子情報科

   課題研究では、CGIを使ったアンケートを作成し、「全国の温泉」「全国の名産銘菓」「全国の遊園地」等のページ作成。「加賀地区の中学校の紹介」、Webページ作成のための画像資源の作成等に取り組んだ。また、複数の工業高校でインターネット上に仮想教室を形成し、Javaプログラミングの学習を行う企画を四校で発案し、試験運用を行った。

   工業実習では、ネットワークの学習を実際にインターネット上で実施した。ネームサービスやルーティング等インターネットの特徴を生かした実習を実践した。また、アメリカのロッキーマウンテン高校とWebページを介した交流を行った。

 建築科

   課題研究のテーマとして「木材の平衡含水率の測定」に取り組んできた。

 土木科

   数年前から行ってきた木場潟の水質調査の結果をホームページに公開することを試みている。

 マテリアル科

   8年度に導入された電子顕微鏡で撮影した様々なものの表面の写真をホームページ上に公開している。

実践項目2 普通教科での利用

 芸術科

   九谷焼の歴史、九谷焼の現在及び授業で行う九谷焼の作業工程について、本校ホームページより該当の内容を呼び出し、文章と画像により学習した。また、ルーブル美術館のページから興味のある時代を選び、その時代の作家の作品を鑑賞した。受動的になりやすい作品鑑賞では、油彩画などには興味を示さない生徒も、それぞれの自主性によって画面が展開されていくせいかルーブル美術館の収蔵作品に興味を示したのは成果であった。

実践項目3 教科外での利用

 生徒会

   生徒会独自のホームページを公開している。本校の生徒会役員の紹介や各種大会の成績などが収められている。

 インターネット同好会

   今年度は同好会のメンバー全員がホームページ作成技術の習得に向けて活動してきた。本校独自のホームページ素材集をPhotoShop, Illustrator, Directorで作成している。また、本校のホームページにホット情報を追加し、学校で行事や部活動の大会内容をのせてきている。同窓会会員や一般の方へ学校の様子を伝える一助になることを願って活動している。

 理科同好会

   酸性雨プロジェクトの一員として、年間を通し酸性雨を調査し結果をインターネットで全国に発信してきた。同時に、他の参加校の結果と比較検討し、地域による汚染状況を調査している。pH4というかなり強い酸性雨に生徒も環境汚染の深刻さを実感している。

○平成9年度の成果と課題

  開かれた学校として本年度も企業の方々に協力願って、インターネットメールを利用した外部講師による授業を行った。また、養護学校とのメールの交換から障害者用マウスの製作という一見インターネットとは関係ないと思われた所から利用方法も発見できた。

  また授業のみならず、教科外活動(クラブ活動や生徒会活動)においても他校との生徒間で今まで以上に交流が推し進められた。

  今後はさらに多くの学校とインターネットを用いて交流を図り、より“開かれた学校”、“地域に根ざした学校”、“主体的かつグローバルな視野を自覚できる授業”を実践していくことが必要である。

  一方校内においては、指導者の充実を図り、授業に抵抗なくインターネットが利用される環境(ソフト、ハード面の両方)が必要となってくると思われる。指導者の充実を図るために10分間講習としてWINDOWS95の操作からインターネットメールの設定までの講習を週1回、約1時間程度の職員を対象に2学期中行った。これによりまず職員がインターネットに対する理解を深めるとともに生徒に対する簡単なアドバイスは誰でもが行えるようになった。

○100校プロジェクトに参加して

  本プロジェクトは、本校においては比較的スムーズに授業に取り入れていくことができたのではないかと思う。その理由としてはやはり工業高校として従来から行ってきた情報教育をもとに発展させることが容易であったことや、既存の校内ネットワークを最大限に利用できたからだと思う。

  本校においては幸いにこの分野に長けた教員がたくさん在職し、トラブルもあまりなく無事に活動を実践できたことは非常に幸運なことであった。