京都府立工業高等学校

○インターネット利用状況

・電子メールの利用

  今年度までのアカウント登録は150件を越え多くのユーザーが色々な形で電子メールを利用している。生徒の利用にあたっては、1.ネチケットを身に付ける。2.メーラの利用方法を習得する。以上の観点から校内イントラネットサーバを利用し、生徒同士による電子メールの受発信を経験させた上で、希望者にメールアドレスを渡している。国内のMLを中心にメールの受発信を行う生徒や、海外の学生とメール交換を行う生徒など、それぞれの力量に応じて活動を続けている。

・ホームページの作成

 1)京都インターハイ

   本年度は、京都インターハイの開催年に当たり、本府教育委員会及び各市町村大会準備室からHP作成依頼がよせられ、インターハイHP作成チームを編制し、市町村の歴史や競技種目、大会会場の様子、京都府選手団の紹介等、“一人一役”を合い言葉に推進された京都インターハイの成功に向け、インターハイ情報発信の取り組みができた。

 2)生涯学習

   地域への働きかけとして、学校開放講座(生涯学習)をインターネットをテーマに開講したところ多くの参加希望があった。地域に於ける情報化の波を肌で感じることができた。受講者(社会人)は、趣味や体験、工房の様子、旅行、歴史、地域情報等、思い思いのHPを作成され、短期間ではあったがネットサーフィンも楽しまれマルチメディアの世界を感じておられた。

 3)重油災害リンク

   昨年冬の日本海で起こったタンカーナホトカ号からの重油流出災害は、京都府北部の日本海岸にも多大な被害をもたらした。ボランティア活動が続けられた期間、重油災害に関するHPサーバとのリンクは、ボランティア活動の一助になったと考えている。

・ftpサーバの利用

  本年4月に本校はリプレースを実施し、校内のPCやEWS等、約120台をインターネットに接続しました。Web、電子メールに続いてftpは多くの者が利用しており、シェアウエア、フリーウエアの種々のソフトウエアをダウンロードし活用している。

・課題研究に於けるWebの活用

  工業科の授業には課題研究という授業がある。自ら課題を設定し調査研究、製作、実験を行う授業である。自らの研究テーマに従ってWeb検索し、多くの情報を入手できたことは課題研究を行う上で大きな援助になっている。

・進路情報の検索

  端末から希望進路先のHPの閲覧を行い、進路情報を入手する生徒が増加した。

・共同利用企画に対する取り組み

  酸性雨調査プロジェクトを科学クラブが担当、京都府福知山市の降雨データを調査しサーバへのアップロードを行っている。

○平成9年度成果と課題

  本校は、本年度リプレースを実施し、校内端末からインターネットの利用できる環境が整い、インターネットは教師・生徒に定着してきた。日々の様子は、新聞社のHPを閲覧する、台風シーズンには欠かせない天気予報、冬季期間の天気図、ネットニュースを読みあさる、新しいソフトウエアのダウンロード、スポーツ速報、メールの受発信等々。生徒諸君も端末が空いている時間はいつでもインターネットOK。本当に便利になった。情報天国である。各職員室にはHUBが設置され、情報コンセントにノートパソコンを接続している職員も多数いる。この様な状況の中、ネットワーク障害への対処や管理が、数名の職員に任されている。授業や本務外にボランティアとしてネットワークの管理を行っているのが実状である。学校に於けるネットワーク管理を本務として認知していただきたいものだ。また、ネチケット教育についても、その大切さは理解されているものの、授業の中ではインターネットの利用が先行し、ネチケット教育は後回しになりがちである。この2点は来年度への課題である。

○新100校プロジェクトに参加して

  100校・新100校プロジェクト、京都大学大型計算機センター様にお世話になって3年、ネットワークに対する生徒・教師の認識は随分変化してきた。この3年間で本校のネットワーク環境は一変した。本年度は、リプレースも行われハードウエア、OSともに一新された。校内のPC端末やEWS、個人のPC等合わせると約120台がインターネットに接続運用している。いろんな形でネットワーク利用が日常的に行われ、トラフィックは増大するばかりである。授業でのWWW、E-mail、放課後のWWW、ファイル共有、ftp、ネットニュース、パソコンによるWWWサーバの発信等々ネットワーク無しの学校現場は考えられないほどになった。しかし、一方では有害情報対策、ネチケット、ネットワーク管理等々の多くの課題も山積みである。便利さが先行しネットワークが学校現場に定着した今、ネットを支える者の負担増も認識してほしい。

  先日実施した開放講座で、“この様な立派なネットワーク設備を持つ高等学校がこんな近くに有るのに驚いた、もっともっと地域にこの情報ネットワークの輪を広げていただきたい”というアンケートの一言があった。100校プロジェクトへ参加させていただいて3年間、色々と手を尽くしインターネット普及活動を行って来たが、地域への働きかけにはまだまだ労力が必要なのかもしれない。