中郷村立中郷小学校

1 中郷小学校のインターネット環境

  本年度、中郷村役場の企画課と教育委員会の連携のもと、村内の小中学校の全教室をネットワーク化する事が定された。中郷村では一昨年度から村として独自のサーバーを運用し、インターネット接続を行ってきた。そこで、中郷小学校を除く村内の小中学校をダイアルアップで村役場のサーバーに接続することになった。その際、各学校の校内LAN工事も合わせて行い、全教室にイーサーネットの端子が設置された。その結果本校では、全教室の全てのパソコンからインターネットを自由に利用することができるようになった。また、新100校プロジェクト参加校としてインターネットの教育利用を行ってきた。

2 インターネットを用いた村内の小学校との連携

  共同調査や共同学習を行うためには、事前の打ち合わせが大変重要である。昨年度からの実践で、インターネットを利用した交流では、距離的隔たりから意思の疎通がうまく行かず中途半端な交流で終わることが多かった。村内の小中学校の全教室がネットワーク化されたこともあり、村内の学校とインターネットを用いた共同調査を行うことにした。

 (1)片貝川テーマに

   情報のやり取りは、ファックス、電話、教育委員会ポスト、インターネットを利用した。両校にはインターネットに対する習熟度に違いがあった。そこで、電子メール以外のファックスや委員会ポストを利用して情報交換を積極的に行った。情報交換の手順は以下の通りである。

  ・本校の児童が調べた川の情報をホームページに載せる。

  ・本校のホームページを見た片貝小学校の児童が感想をファクスで中郷小学校に送る。

  ・片貝小学校から送られた写真や感想を中郷小学校の方でホームページ化し、本校のサーバーに載せる。

   上記の方法を用いて、7月に片貝小学校、中郷小学校で川の共同調査を本格的に行った。共同項目は、「水の汚れ」、「かわらの鳥」、「かわらの植物」、「土手の様子」、「川の周りの様子」、「流れの様子」である。

   本校の児童は、自分たちの片貝川がきれいであると思っていたが、片貝小学校がある上流域の方が、たいへん水がきれいであること、自分たちの流域では見られなかった魚が上流域にはたくさんいること、川原の様子が大きく変化することなどを知った。また、上流の片貝川のきれいな水が、下流の中郷小学校までくるとかなり汚れてくることから、人家や工場などの影響で水質が悪化することも知った。

(詳細http://www.nakagou-es.nakagou.niigata.jp/river/river.html)

(2)雪をテーマに

  中郷小学校、岡沢小学校、片貝小学校の3校は、同一村内でも地理的条件にかなり差がある。そのため降雪期の積雪量にかなりの差があることが予想される。そこで、3校の児童が毎日調べた積雪量結果をインターネットで送り合い、本校のホームページにデータを載せ、3校の積雪がどのくらい違うかを共同調査した。

 本校では、積雪量調査の希望者を4年生から募った。希望者は、毎朝積雪量、降雪量、気温のデータをノートにまとめ、まとめたことをインターネット上の電子掲示板に書き込んだ。WEB-TVが稼働中なので、他校に本校の積雪状況をリアルタイムで知らせることも行った。

  共同調査の結果、岡沢小学校の積雪量が一番多く、片貝小学校、中郷小学校の積雪量は里雪型、山雪型で大きく変化することが分かった。

(詳細http://nakagou-es.nakagou.niigata.jp/snow97/snow.html)

3 今後の課題

 (1)村内小中学校との連携

   川や雪など地域に関係が深いものを共通のテーマとして、ネットワークを利用した共同調査を村内の小学校と行い、自分たちの住む地域を見つめ直した。今後は中郷タイムと関連付けながら各学年で実施可能な教材の開発が必要であろう。また、村の学校教育研究会等の機会を利用しながら他校との協力体制を整えていく必要がある。

 (2)インターネット利用のガイドライン作り

   インターネットの利用が児童の中に定着してきた。インターネットの情報には有害なものも存在する。また、児童自身が情報の発信者としてインターネットに参加する可能性もある。これからのインターネット利用では、ホームページを閲覧する際の注意点や情報を発信する際のモラルなどを児童に指導していくことが必要である。そのためにも中郷小学校としてインターネットを利用する際のガイドライン作りが急務である。

 (3)校内LANの活用

   校内LANが構築されたことで、サーバーを核としたデータの共有化が可能になった。各学年の学習成果や意見などをサーバー上にデータとして保存することで異学年間・児童教師間のコラボレーションを図ることができるであろう。また、レーザープリンターを共有化することで全ての教室からパソコンによる印刷が可能となると思われる。