つくば市立桜南小学校

○インターネット利用状況

・実践項目1:ネットワークを活用したコミュニケーションおよび情報発信

  本校では,児童の自主的な学習活動を促す方策のひとつとして,各教科の学習に課題解決学習を積極的に取り入れている。その学習過程において,児童の興味関心・学習テーマに応じた,より広い範囲からの情報の収集,また,ネットワークを利用した情報や意見の交換による共同解決学習,さらにはそれらの活動の結果得られた学習成果を発信し,それに対する意見をもとに,発展的な学習へと深めていく事をねらいとして,ホームページおよび電子メールを中心としてネットワークを活用した。

(1) 作品公開

  児童の創作した「詩」などの作品を,ネットワーク上で公開し,作品に対しての意見・感想などを募ることで,児童の創作意欲の高揚にも努めた。

(2) 情報収集・ネットワークを利用したコミュニケーションを取り入れた共同学習

  4年生社会科の「私たちの県」をはじめとして,児童間のネットワーク(電子メール・電子掲示板)を利用した意見交換・情報交換を行ないながら学習を進める課題解決学習を積極的に取り入れた。

  WWWを利用した情報の収集とあわせて,ネットワークを活用しての共同学習をおこなうことで,児童の個別化に対応するとともに,情報交換が頻度・内容ともに高まり,学習に深まりが見られた。

  学習成果は,データベースとしてホームページ上で公開している。

(3) 学習データベースの公開と情報交換による学習深化

  5年生における,理科・社会・国語の合科的な活用での「環境問題に関してのテーマ選択研究」では,上記(2)の形態での学習進行後,その結果をもとに相互に意見交換し,さらに疑問点などを電子メールを使って各種研究所などと意見交換することで学習を深めた。

  また,時には他の学校とのテレビ会議を利用した意見交換も加えることで,児童の興味関心に応じた学習を進めることができた。

  【学習データベースとして公開しているおもなもの】

・実践項目2:メーリングリストを活用した情報交換

  児童のメール利用を積極的にすすめるため,保護者を中心とした協力者のメーリングリストを作成し,児童からの質問や意見に対して,スムーズに情報交換が行えるようにした。

  このことにより,児童のメールを利用した意見交換が容易になり,学級・学年に限られない,情報交換が行われるようになり,情報交換が増加した。

  また,親子での交流がメールを介して行なわれる場合が増加し,親子のコミュニケーションの機会が増加した。

・実践項目3:茨城県高度情報ネットワークへの協力

  インターネット利用推進事業への協力(CD作成など)

・実践項目4:地域ネットワーク活用研究会の参加

  地域ネットワーク(RIC−Tukuba)主催のネットワークセミナーにおいて,研究会諸準備,運用協力を行った。

・実践項目5:自主企画

  項目1と関連し,児童の課題選択的学習を取り入れ,ネットワークを活用した調べ学習を行なった。

  また,情報収集・児童の疑問解決において,保護者を中心とした学習ボランティアを募り,メーリングリストを活用して学習を進めていった。

  学習成果を学習データベースとしてホームページ上で公開した。

○平成9年度の成果と課題

 【活用方法】

  児童によるメールを利用した情報交換や,ネットワークを利用したファイルやプリンタの共有など,コンピュータおよびそのネットワークを道具として生かす環境が整い,児童もそれを積極的に生かせるようになってきた。

  学級でのホームページ作成などをとおし,情報の発信も意欲的にすすめてきた。

 【教育効果】

  児童のコンピュータリテラシーが高まり,日常の学習の道具としても定着しつつある。

  情報の必要性や情報モラルに対する意識が高まり,自ら他に向けて発信していくという表現の活動を通して,自ら学ぶ意欲の高まりが見られ,その力も身についてきている。

  学習の成果を共有していくことで,お互いの意見交換が活発になり,理解の深まりにつながった。

  ネットワーク環境の整備や研修および諸文書等の共有化などによる積極的なネットワークの活用を通して,教職員におけるコンピュータ活用の深まりが見られた。

 【技術的課題】

  日々進んでいく情報や技術に対して,十分対応するための研修における時間などが不足しがちである。

 【問題点】

  セキュリティ対策等の管理面での負担の増大。

  利用者増大による相対的なクライアントマシンの割合不足。

  使用頻度の増加による機器の消耗。

○新100校プロジェクトに参加して

  校内においては,児童・教師ともに,コンピュータに触れる機会が増え,特にネットワークの利用が増大してきた。その結果,特に児童は,メール等により,その交流範囲を学級内だけにとどめず,同学年の他の学級から他の学年・他の学校さらには一般の情報提供協力者などまで広がりが見られた。

  対外的には,教師にたいして実践発表や研修での講師の依頼などが多くなり,他の学校・機関等にたいして,先進校としての責任が求められるようになってきた。