仙台市立第一中学校

インタ−ネット利用状況

中学校2年 社会 単元名「身近な地域ー四谷用水」

  四谷用水は、今からおよそ400年前、仙台藩祖伊達政宗が命じて造らせた仙台城下を潤した用排水路である。その本流は本校学区を昔とは姿を変えて現在も流れている。

  そこで今回、この四谷用水を地域教材化し、生徒たちによる調べ学習の授業を行った。現在は見ることができない水路の内部をVRRMで再現し、生徒は用水路の内部を巡りながら、様々な疑問や発見をする。四谷用水とはどのようなものであったのか、またどのように現在も使われているのか。そのような疑問を中心に「インターネットで情報発信しよう」を合い言葉に生徒たちが調べたことをホームページにまとめることにした。

  ここでは調べ学習を通して郷土の発展に尽くした先人たちの努力や苦労・知恵を学び、そこから現在の私たちの生活を見つめ直すことが重要となる。その調べ学習の意欲付けとして、この「インターネットで情報発信しよう」という学習課題は非常に有効だったと思う。生徒たちは各個人の様々な疑問・驚き・発見を、郷土の遺跡のすばらしさとしてホームページ上にまとめ、それを現代に生きる自分たちの生活と関連させて考えを深めることができたようである。

  高倉 祐一 takakura@daiichi-jhs.aoba.sendai.jp

  福嶋 政一 mkfuku@mvd.boglobe.ne.jp

中学校3年 選択美術

  昨年と同様、美術室にインタ−ネットを使用できるコンピュ−タを常設していつでも使用できるような環境にしておいた。3年の選択授業では、昨年同様鑑賞領域での活用を進めた。また、本校50周年記念事業である余裕教室を活用した「一眸ミュージアム」に収蔵している地元作家の作品を作者のコメントをそえてホームページにのせ授業等で利用している。今回はマックOS8をインスト−ルしたことにより、操作性が格段に向上し、コンピュ−タに不慣れな生徒のミスも少なくなった。

  佐々木 晃 akira@daiichi-jhs.aoba.sendai.jp

中学校3年 英語 単元名「インタ−ネットで英語を学ぼう」

  インタ−ネットでの使用言語は世界の共通語としての英語が一般的であり、やはり地球的規模でインタ−ネットを十分活用するためには英語が必要であることは誰もが認めることであろう。この“生きた英語の宝庫”としてのインタ−ネットを直接、英語のreading、とりわけSkimmingに生かしてみる試みを各クラス3時間扱いで行った。“英語は世界を広げる道具である”をモットーとし、“インタ−ネットから世界を見よう”と展開した。第1回は「インタ−ネットを使って行きたい国へ行ってみよう」と題してリアルタイムで世界の風景を見ることができるサイトを見ることによって、世界を身近に感じ、英語だけでかかれたホームページに慣れさせた。第2回は比較的やさしい英語でかかれた welcome to the white house for kids に接続させ、有名なホワイトハウスの生徒向け版の英語に取り組ませた。第3回目はロサンゼルスのディズニ−ランドに接続させ、さらに本格的な英語に触れさせた。コンピュ−タは2人に1台を使い、いずれも共通課題と選択課題を難易度を示して与え、授業時間内にレポ−トとして報告させた。ホ−ムペ−ジの英文を、必要な情報を求めてskimming(拾い読み)するというのは速読の力をつけることでもあり、実際の言語使用に近い形であるので、生徒にもアプローチできるサイトを見つけて今後も続けさせたい学習である。

  大曽根 眞紀子 makiko@sm.rim.or.jp

          http://www.sm.rim.or.jp/~makiko/

中学校3年 技術・家庭 単元名「インタ−ネットで動作する住居ソフトの活用」

  平成6年度から住居の授業にコンピュ−タを取り入れて食事や団らんの空間を設計させてきた。平面図から立体図として生活空間を考えることができ、LDKの設計に自分の夢を盛り込みながら限られた生活空間の中で生徒一人一人自由に時間をかけずに表現することができた。しかし、平面表示記号や家具設備表示記号を使った平面図ではないため、平面図を正しく読みとることにはつながらず、また動線や動作空間を考えた家具の配置等は理解されなかった。そこで、今回は一歩進んでより正確にLDKの空間をとらえさせるために自作ソフトウェアを開発し、活用した。Active x を利用してwww上で動作するため、ソフトに関するいろいろな意見・要望を取り入れて開発を進めた。

  大場 一差代

中学校3年 技術・家庭 単元名「インタ−ネットで動作する木材ソフトの活用」

  「木材加工」では、丸太切りでのペン立ての製作につづいて、一枚板より自由な設計による本立ての組立ての製作に取りかかる。特に本立ての構想図に関しては、製図の学習がしっかりと定着していないと自分の作品を構想図として表すことができずにつまずいてしまう事の多い領域である。そこで「情報基礎」の位置づけを考えながら、理解度を高めるために、一年生の「木材加工」でコンピュ−タが使えるように工夫した。特にシミュレ−ションを多く取り入れると同時に実際の実物を見せ、比較しながら授業で活用するようにした。

  本ソフトはすべての生徒に履修させる領域なので木材の「もの」を作ることへの関心を高めるように配慮した。普段作図の苦手な生徒たちも含め、興味・関心を持って取り組みながら「簡単な木製品の設計と製作を通して、木材の特徴と加工法について理解し、使用目的や使用条件に即して製品をまとめる能力を養う」事を目的にしている。コンピュ−タシミュレ−ションとして、@正面の選び方と第三角法、Aキャビネット図と等角図、B接合材料、C繊維の方向と強さ、Dまさ目板と板目板、E丸太から板材を取り上げてある。今回は、@正面の選び方と第三角法を中心に説明していく。本ソフトの特徴としてインタ−ネット上でWWWをオ−サリングとして利用している点である。

  福嶋 政一 mkfuku@mvd.boglobe.ne.jp

        http://www2s.biglobe.ne.jp/~msmf/

平成9年度の成果と課題

  今年度は、インタ−ネット活用においての特徴は、教科と特別活動を連動させ、総合学習を部分的に取り入れた事である。社会科と修学旅行の見学地である三内丸山遺跡の学習を連動させ、実際の見学での学習効果があがった事があげられる。また、2年生では野外活動を通して、地元の中学校との交流も新しい試みであった。英語学習においても、ホ−ムペ−ジの英文を、必要な情報を求めてskimming(拾い読み)する速読の力を養うためのインタ−ネット活用が試みられ、今まで英語に意欲的でない生徒の関心も高まった。

  本校のソフト開発としてインタ−ネット上でWWWをオ−サリングとして利用すると同時に、簡単にネット通信しながらデ−タ−のやり取りをできるものにしてある。ソフト上でシミュレ−ションしたデ−タ−をお互いに交換しながら、自分で相手のデ−タ−を利用しつつ、学習成果をあげる手段として意欲的に進めたいと考えてる。

  本校の場合、機種更新により4年前に導入されたものである。ハ−ドディスク170MBでWINDOWS3.1であったものをインタ−ネット環境をよくするために、WINDOWS95にインスト−ルしたのである。そのため、ハ−ドディスクがほとんど使えず、ネット上でソフトを動かす発想が生まれたものである。インタ−ネットサ−バ−かLAN用サ−バ−上にデ−ターを置いてWWWをオ−サリングソフトとして活用している。プラグインやアクテイブx用にハ−ドディスクに最低限20M程度は余裕を置いてある状態である。今後の機種更新や回線の問題をクリアにする必要性を感じている。

プロジェクトに参加して

  インタ−ネットを活用した教育には多くの課題がある。たとえば回線の問題で、本校では50台の端末でホームページを見ることができるようにシステムを組んでいる。

  今年度、アナログ回線からデジタル回線へと移行したが、同時にホームページにアクセスができストレスなく動作するのは30台ほどである。回線に関しては今後の課題であるが、本校においてインタ−ネットの活用が根付いてきた事を足がかりに、ソフト開発、総合学習での活用の事例を進めていきたい。