大社町立大社中学校

○インターネット利用状況

 ・実践項目1 選択教科(3年生)によるインターネットの活用

    3年生の選択技術の中に技術をもうけ、インターネットの膨大な情報をいかに活用していくか、ということを中心に授業を行った。授業の形態は、まずはじめに生徒にブラウザやサーチエンジンの使い方の最低限の知識を教え、後は生徒が主体的にブラウザを使って様々なホームページを見て、疑問、問題が出てきたとき補助をするという形を取った。生徒にはみんなが画一でなく自分たちが思うように進めていけるということでおおむね好評であった。一方でもう少し知識的なものを、一斉に授業してからの方が安心してできるとの声もあった。またサーチエンジンを使用し、自分の知りたい情報があるホームページの多さに感嘆しており、生徒自身から「このたくさんの情報をうまく活用すると、すごく役立つ。」という声も出ている。

 ・実践項目2 部活動での取り組み

    放送部による、ホームページの運営を行っているが、新しいソフトウエア等を購入し、より生徒自身による運営を目指している。しかし生徒が実際にコンピュータを使う時間は限られているため、なかなか技能の習得が進まなかったが、島根大学教育学部技術科の好意により四回生の学生の方が月に数回来校し、技術的なアドバイス等を行ってもらっている。生徒には具体的な作業を教えてもらっているために、とても好評であり、自分たちでホームページを作っていることの喜びを感じているようである。この作業による新しいホームページはまもなくアップロードの予定である。

○平成9年度の成果と課題

 ・活用方法

    クライアントを3台置くことで、選択技術、放送部の活動では、個々の生徒が、ある程度の時間自分の思うように使用することができた。しかし、管理の面から職員室へ置いているため、生徒がインターネットをしたいと思っていても、場所柄使用をためらい、使用の機会を制限したとも考えられる。今後より多くの生徒が使用できるように技術室のパソコン全体で使用可能にしたり、LANを使って各教室で使用できるようになればよいと思われる。このようにすることで授業の形態に広がりが出てくるのではないだろうか。

 ・教育効果

    インターネットを通し、多くの情報を得ることの喜びを生徒は感じていたようである。その情報を積極的に活用しようという生徒も見られ選択技術の生徒が他の生徒を連れてインターネットを使いたいと言ってきたことが多々あった。これから一般家庭にもインターネットが入り込んでくるといわれているが、今の生徒たちには当たり前のこととして何の抵抗もなく取り入れると思われる。

    家庭科を例に挙げるが、授業を行う際、郷土の玩具や子供に関する行事を、インターネットを通してたくさんの資料を得ることができ、より充実したものにすることができた。実物をすぐに入手し、提示できない時、インターネットでは写真等がほぼ用意されているため、擬似的ではあるがそれがどのようなものかを知ることは非常に役に立つと思われる。

 ・技術的課題 

    毎回のように述べているが、やはり専門のSEの設置が必要に思われる。本校では停電によりモデムの設定が消失することが2回あり、復旧にかなりの時間を要した。また、新しいクライアントの増設、ソフトの導入も設定がなかなかうまくいかず、これも大きく時間がかかってしまった。こういったことは片手間ではできることではないため、時間を捻出するのにかなり大変であった。生徒、教師がインターネットによる教育活動に専念できる環境が必要ではないだろうか。

 ・リテラシー

    生徒、教師とも一部の者が使用するという状態で、普及する、十分に活用するといった 状態にはほど遠かった。しかしインターネットに携わった生徒は積極的にそれを活用していこうとする姿勢が見られた。教員に対しては教科別等の研修等を行い積極的なコンピュータ自体を活用していくという能力の向上が必要に思えた。

 ・その他

    選択技術の授業の中で、偶然であるがリンクをたどっていくうちに、アダルトサイトへいってしまったことがあった。事前にそういったことに対しての、レクチャーをしていたので、生徒も落ち着いて対応していた。このようなあまり好ましくないサイトへいかないということ等も話しておかなければいけないだろう。

    また、様々な情報を得るときやダウンロードできるソフトウエアには、肖像権や著作権があり、無断で利用できないこと等も事前に話しておかなければいけないと思われた。

    個人的な感想であるが、インターネット教育に関して本校ではようやく軌道に乗り始めたといった状態といえる。そう考えていくと、このインターネット教育も短期的なものだけでなく、長期的な視点を持ってよりよい活動にしていこうという姿勢が大事だろう。

○新100校プロジェクトに参加して

  ・本校の新100校プロジェクトに対する体制を整えるのに時間がかかったため、共同企画に参加することができなかったのが非常に残念であった。人事異動のためコンピュータに詳しい教員の確保ができなくなったのが原因であり、今後そういったことが大きな課題になってくると思われる。

  ・教員に対して生徒の積極的に先端の技術であるインターネットを自分たちのものにしていこうという姿勢が見られた。前にも述べたが、各学級にLANを繋ぎ、そこからいろいろな情報を得られるような環境を作っていけば、より学習に対する意欲や視点の広がりが見られるようになるのではないだろうか。