多摩大学目黒中学校・高等学校

○インターネット利用状況

 @ネットワークを利用した授業企画の研究:「高度化教育企画(既存データベースの活用)」への参加

  「日経新聞データベース」を活用した授業実践を行い、

   1. 授業実践に向けての準備

   2. 授業中の進行状況及び成果について

   3. ネットワークを利用した授業企画の留意事項

  等について、ネットワークを利用した授業実践における諸注意や授業の企画補助を研究した。

   →詳細は成果発表会のレジメ参照

 A重点企画「高度化技術企画:教育用レイティングシステムの運用実験」への参加

  生徒の自主性に任せたネットサーフィンの実現を目指して、フィルタリングソフトの必要性が生じた為、IFSを試用し運用実験を行った。

 BWWWによる地元目黒の紹介及び情報発信について

  本校教員及び生徒による目黒区地理研究班を発足した。発足目的は、目黒区の情報発信基地として全国各地からe-mailで質問や探索以来を受け付け、研究班が回答していこうとするものである。

  …本年度は、知名度の低さからアクセス件数が少なかったが、他校の授業教材としての質問を受け付け回答を行った例があった。

 Cインターネット委員会の設立

  委員会所属の各教員が、ネットワークの利用向上を目指して様々な形でネットワークの利用を試みた。

   1. ネットワークを利用した進路指導

    高校のロングホームルームの時間において、本校HP内に開設した大学・短大のリンク 集を利用した。

    利用効果:各学校にアクセスすることによって、ディスクロージャー、受験情報誌、学校説明会においては得られない情報を得ることが出来た。最も意義のあったことは、大学内に開設された在校生のHPにアクセスして、その学校にどのような学生がいて、どのような考え方を持っているかなどの情報が得られ、生徒達の意識付けが出来たことである。

   2. インターネット生徒会の発足

    本校は来年度の生徒会発足に向けて、今年度は生徒会準備委員会を設立した。本校設立以来の生徒会発足であるがゆえ、今となっては忘れ去られがちな生徒会の成長をバーチャルに描いていこうとするものである。来期は生徒会が自由に情報発信を行える体制を構築して、生徒会構成員を対象にHPの作成セミナーを行っていくことにしている。さらに、ネットを利用して他校と情報交換を行い、生徒会運営のノウハウを見いだすかとが出来るようにしたい。

   3. 中学1年生理科の授業において、インターネットを活用した。

    …科学的見識を深めるHPにアクセスした。中学1年生であったことから、パソコン部の生徒以外は殆どがインターネット初心者 であった。したがって、目的のHPを見聞することはもとより、パソコンを利用してHPにアクセスすること自体が"科学を体験しているのだ"ということを生徒達の表情から読みとれた。

○平成9年度の成果と課題

 今年度は、次のテーマを掲げて活動を行った。

  1. 「高度化教育企画」として、教科教育の中でインターネットをどのように取り入れていくかについての研究…前述の通り

  2. 「高度化技術企画」として、IFSの試用評価

  3. 本校内ネットワークの拡充…新たにWin95機51台によるLANを構築し、総計 LAN102台体制が整った。

  4. 地元目黒の情報発信基地としての任務を果たす…前述の通り

  5. インターネット委員会の設立と運営…前述の通り

  6. 本校WWWの充実

課 題

 1. 国際化についての活動が停滞した

    ネットワークを利用すること自体の目新しさが無くなり、ネットワークを利用することによる実利的な教育効果を上げられる形態を模索したため、手控え状態となってしまった。

 2. 主要教科教育におけるネットワークの活用 来年度の主な課題として扱って参りたい。

 3. 専用線回線の強化

    アナログ28.8bpsから、ISDN64K〜128Kへの強化を、TRAIN終了とともに検討中である。

 4. 外部に向けての、インターネット講習会の実施

    来年度こそは、実施したいと考えている。

    …校内の整備に時間がかかり、手が回らなかったというのが現状であった。

ま と め

  本校は100校プロジェクトに参加したことによって、インターネット(ネットワーク)を活用するという使命感を背負った。この大きな力によって、教育活動を遂行する際にネットワークを無視しては通れないという空気が本校内においても浸透してきた。新100校プロジェクトに移行された本年は、「インターネット活用委員会」が設立されるに至った。いかにしてネットワークの活用がはかれるか、そして、校内に広めていくか、数々の課題の克服という試練を目の当たりにしながら試行錯誤を繰り返していった。しかしながら、この航海は順風満帆なものではなかった。最も大きな要因は、インターネット委員会を構成する担当教員は、この委員会の他にも多くの校務に携わっており、会議を開催するのもままならないという状態であった。それでも、委員の構成員の心中に「やらなければ」という気持ちが宿っていき、「時間さえあれば」誰もがそう思うようになった。本年度も満足のいく成果が上げられずに心苦しい思いが残ってしまったのが残念である。来年度は、ネットワークを利用した教育の高度化・国際化・そして地域の情報発信基地としての役割を果たせるように全力を尽くして参りたい。「インターネット委員会」の任務遂行がなされやすい環境強化というものが今後の大きな課題となろう。