帝塚山学院泉ヶ丘中・高等学校

○インターネット利用状況

・実践項目1

 概要

  平成9年8月末PCL教室が完成し50台の生徒機からインターネットアクセスが可能となり、国際科1年2クラス、普通科1年1クラス、中学1年3クラスを中心に英語の授業で海外とのE-MAIL交流やウェブ検索などに利用。INS64設置で専用線以外にダイヤルアップ接続を行い、128kbpsマルチリンク接続が可能となり、12月頃よりハワイ、韓国とCU-SeeMeのテストを繰り返し、音声・画像両方とも良好な結果を得ている。1月より韓国と毎週土曜日CU-SeeMeを用いた定例会議を行い、コンピュータクラブの生徒が参加している。

  国際科1年では国際科の行事、イベントとインターネットを有機的に結び付けて活用している。

◯ネットワーク利用状況

・実施項目1

 概要

  普通科1年では、英作文の時間にカナダにe-mailを書き送り、時間が足りない場合、昼食時間なども利用している。中学1年では、タイピングを中心とした情報基礎の一貫としてインターネットを活用している。

  CECの重点企画「インターネットクラスルームプロジェクト」には、国際科1年生76名が、同「Me & Media」では、普通科1年生が参加している。 

教室での利用

 1. 普通科1年生1クラス(男子)47名、「英語」ライティングの授業でカナダSt.Margaret Girls Schoolと電子メール交流

 2. 中学1年生3クラス(男子)132名、「英語」の授業でウェブ閲覧

 3. 国際科1年2クラス(女子)76名、「総合英語」電子メール(メーリングリスト含む)、ウェブ閲覧、CU-SeeMe、ビデオメール利用

   ●CEC重点利用企画「インターネットクラスルームプロジェクト」参加

     E-MAILによる韓国、オーストラリア、ハワイ、カナダとの交流

   ●韓国新亭女子商業高等学校とCU-SeeMeテレビ会議

   ●英語スピーチ原稿のチェック依頼とビデオメールで送信

   ●北アイルランドとの電子交流

    バンガー高校(プロテスタント)、アサンプショングラマースクール(カトリック)との電子メール交流。国際科1年生10名参加

   ●海外の教員、授業・講演(97年12月、ハワイ2名、英国1名、イタリア1名、オーストラリア1名)

特別教育活動

 1. コンピュータクラブ

   ウェブサーバ2台設置(http://202.249.80.150 http://202.249.80.5)して管理運営

   中学生部員、3Dゲームソフト開発研究

   ヨミネットジュニアネット参加、同ロゴコンテストで最優秀賞獲得

   http://www.yominet.or.jp/yjn/)

   メール、FTP、ホームページ制作、ウェブサーバ管理、ゲームソフト制作とFTPサーバへの収録などが活動の中心

   韓国新亭女子商業高等学校とのCU-SeeMe定例会議に参加、平成10年1月16日より、毎週土曜日実施。

 2. 国際科2年生6名、オーストラリアの「高校生国際会議」にネット参加

   オーストラリアのビクトリア州主催の上記会議に、六ヶ月間オンラインで意見交換。本校は、スポーツをテーマにオーストラリア、ニュージーランド各1校、本校を含め、計3校で討議

 3. AFS留学生のスピーチ掲載

   97年度読売新聞社大阪支社主催留学生日本語スピーチコンテスト上位入賞(上位3名中2名)作品掲載

 4. ソウル大学在学生、東寛子氏(国際科9期生)の講演記録掲載

 5. 韓国正義女子高等学校2名、ハワイ教育省派遣高校生3名とe-mail交流を実施後、六甲語学合宿(国際科1年行事)に招待

○平成9年度の成果と課題

 PCL教室の完成と利用方法

   情報基礎を教える時間が設定されていないため、平成9年度はすべて英語の授業を割いてタイピングやインターネットメールのベイシックを教えてからインターネットの活用を始めることとなった

 生徒の満足度

   生徒のパソコンとインターネットに対する関心は極めて高く、そのため、授業でインターネットを利用しない学年、クラスでも、放課後や自習時間にPCL教室でインターネット(e-mail、ホームページ閲覧)を使うことが多かった。授業で利用している学年、クラスの生徒の満足度は高く、PCL教室ができて、「学校がおもしろくなってきた」とか「毎日、刺激がいっぱいある」と語る生徒が現われてきた。

 INS64の設置で変わるインターネット環境

   PCL教室にINS64が設置されたため、ダイヤルアップ接続が可能となり、高速通信ボードの導入で128Kのマルチリンク接続ができるようになった。このため、Enhanced CU-SeeMeを用いて良好なテレビ会議環境が実現した。

 英語以外の教科の参加

   PCL教室は、従来、LL教室であったものにインターネットを含むコンピュータ環境を加えたもので、英語科の教員の利用が中心であった。英語科以外でもメールを利用している教員は10人程度いるが、授業で利用するまでには至っていない。

○新100校プロジェクトに参加して

  これまで英語科の有志数名で進められてきたインターネットの教育利用実践が、平成9年8月末にPCL教室が完成するとともに、学校としての取り組みを考えられるようになってきた。商用プロバイダーと契約して利用を始めた教員も英語科7名(13名中)など10数名にのぼり、全教員の25パーセントが家庭でもインターネット接続している。

  インターネットが大学入試情報入手に有効であるとの考えが広まり、年度内に進路指導部で教員対象のインターネット講習会を予定している。

  平成10年度に向け、OCNの導入を検討しており、CECによる助成が打切られた場合でもインターネットを継続する予定で、学院に予算申請をしている。

  プロジェクトを実施する中で、主として国際科の授業、各種行事、イベントにインターネットをどのように有機的に結び付けていくか研究を進めたが、これは、かなり成功したと言える。

  課題としては受験指導を軸にしたカリキュラムの中で、インターネット環境をどう生かすかということであろう。