東北学院中学高等学校

○インターネット利用状況

・実践項目1:自主企画「オンラインディベート」の主催

  昨年の「ネットワークディベート」を発展させ,新しく「オンラインディベート」として実施した。

  「オンラインディベート」は,学校の枠を超えた意見交換・交流に、一定のルールを持った『ディベート』の力を借りて、より建設的な意見交流の可能性を模索している。教室の授業だけから知識を与えられるだけではなく、自らの問題意識を大切に、そして自分の考えを発展させるために、様々な環境にいる人々との交流の場にしていくことができれば、と考えている。

  何故「オンラインディベート」なのか。「発言がテキストに残る」ことがあげられる。発言が残るため発言に対する発言者の責任が、目に見える形としてより明確になり,いわゆる“ネチケット”を体得する場にもなる。また,聞き漏らしがなくなり、相手の意見とその言葉を深く理解する作業が生じる。それは、文章を読みとる能力を養う。自らの意見を推敲する機会が生まれる。これにより「言い放し」の言葉、相手を蔑視するような発言を、自ら「使わない」という選択ができるようになる。ディベートの検証作業や対外報告も容易となる。また,「パソコンというメディアが、ディベーターをサポートする道具となる」 ハンディー持った子ども達でも、テキストが作成できれば、健常の子ども達と対等に意見交換することが出来る。積極的な発言が出来ない子ども達でも、時間的制約の少ないオンラインディベートでは、自分の意見を十分にまとめ、テキストとして発言することが可能になる。一堂に会して行われる既存のディベートより、時間的、人数的制約も少なく、更に遠隔地のディベーターを結んでのディベートが可能となり、多くの人達に“開かれた”企画となる。

  今年度の実施状況であるが以下の3回のディベートが実施された。

  ◎第1回「オンラインディベート」:期間7月8日から26日まで

   参加校:清泉女学院高校,宮城県立泉高校,東北学院高校

   論題:『茶髪・ピアス・ルーズソックス等のファッションは、高校生らしい!是か?非か?』

  ◎「教員+技術者間オンラインディベート」11月11日〜27日

   参加校: 松山東雲高校,清泉女学院高校,宮城県立泉高校,東北学院高校,NOC

   論題:『日本の学校教育に、飛び級制度・飛び選抜制度(例えば高二→大学)を導入すべし』

  ◎第2回「オンラインディベート」:期間12月16日〜現在(2月6日)進行中

   参加校:福島盲学校,高校生同盟,松山東雲高校,清泉女学院高校B・N・J組,宮城県立泉高校,東北学院高校

  この企画に参加した本校の生徒達が,ディベートについての自作のホームページを作成し,スクールページコンテストに応募した。またディベート技術の向上のため8月1〜3日第2回全国中学・高校ディベート選手権に東北地区代表(2校)として参加した。

・実践項目2:「発芽マップ」への参加

  昨年の綿の種では東北地区の長雨と冷夏のため,花も咲かない状況で終了した。今年度も本校教員の家族(井口家の3兄弟)が参加した。今年は鉢植えにして長雨と冷夏に対応できるように考えた。

   5月12日 ケナフの種まき 朝6時に実施した。しかし,低温のため成長が悪く,

   7月13日 熊本の湯島中学校のみなさんからのPKOの支援をうけた。

  この場を借りて感謝申し上げます。

  最終的に花を見ることができたが,種を得ることができなかった。また,成長も悪いために,紙を漉くまでの量が得られなかったため,正月に自ら漉いた年賀状を送ることができなかった。

  2年にわたる不作は非常に残念である。東北地区は他の地区に比べ寒冷地であることを実感した。できれば次年度も何かの形で参加できればと考えている。

実践項目3:「全国ライブカメラマップ」への参加

  お天気カメラを置くことは以前から計画していたが,平野小学校の石原先生の奨めで,「全国ライブカメラマップ」に参加した。

  12月10日CECより車載カメラが届く。

  12月27日より仙台の空の公開を開始している。

  古い Machintosh LCでビデオをキャプチャーしている。

  現在は画面を1分をおきに更新しているだけである。

○平成9年度の成果と課題

  今年度は「オンラインディベート」をメインに活動した。本校では正式にディベートを授業に取り入れる状況ができていないため,有志の活動となった。

  しかし,この有志が自から色々なことにチャレンジした。ネットワークは,きっかけであり,それにとどまらず多くの実際の経験に繋がり,最後に生徒自身の活動を報告する場にもなった。

  本校の場合,活動した生徒が卒業のため,この活動を続ける後輩の育成を頑張っている。

  技術的な問題はNOCの東北インターネット協議会の渡辺氏の協力でかなりの部分を解決できている。この場を借りて感謝いたします。

  課題としては,昨年協力した「酸性雨プロジェクト」への参加が今年は生徒の活動が不活性であったため,協力ができなかった。

  長期のプロジェクトにおける協力体制づくりを検討する必要がある。

○新100校プロジェクトに参加して

◎地域の核としての活動(研究会、研修会、イベント)

 平成9年 6月19日  宮城県私立中学高等学校連合会教育研究部会視聴覚研究会 研修会

   会場 東北学院中学高等学校 計算機室

   内容 「ホームページ作成」 担当 井口

 平成9年 7月 3日 宮城県教育研修センター 中学校情報処理研修会 

   会場 宮城県教育研修センター

   内容 「ホームページ作成」 担当 井口

 平成9年 7月29日〜30日 ITRC/JAINコンソーシアム

   会場 浜名湖レイクサイドプラザ

   内容 「インターネットを通じた学校間オンラインディベート」 担当 名越

 平成9年 7月29日〜31日 郡山 第37回東北地区私学教育研究会

   情報処理部会 発表 担当 井口

 平成9年 8月 5日  仙台市教育センター 情報教育担当者研修会 講演会 講師

   会場 仙台市教育センター

   内容 マルチメディアと教育 担当 井口

 平成9年 9月 4日 宮城県教育研修センター 中学校情報処理研修会

   会場 宮城県教育研修センター

   内容 「ホームページ作成」 担当 井口

 平成9年11月 東北地区活用事例報告会

   会場 福島UNIXビル

   内容 「オンラインディベートによる学校間交流」 担当 名越

 平成9年12月20日 宮城県私立中学高等学校連合会教育研究部会視聴覚研究会 研修会

   会場 明成高等学校 計算機室

   内容 「インターネットと教育」講演 担当 井口

◎学校現場で起こった事(教師・生徒の変化等、特筆すべきこと)

  生徒はWebを見るという活動はあたりまえになった。今後は,その活用をきちんと計画していかねば成らないと考えている。

  教師は学校でインターネットに触れる時間が少ないため,自宅からの接続希望が多くなった。