徳島市徳島中学校

○インターネットの利用状況

ヴァーチャルクラスルーム97への参加

 10月1日より「AT&T ヴァーチャルクラスルーム・コンテスト ’97」に参加しました。

 これは,「地球上の離れた場所にある教室同士を結んでの共同学習」で,世界中の子供たちが国際的なコラボレーションの能力を身につけることを目的としているものです。

 本校は,アメリカのThe Ross SchoolとインドのSt. Columba’s Schoolとチームを組みました。

 そして,

   10月 1日〜10月 7日 顔合わせ

   10月 8日〜10月22日 自己紹介セッション

   10月22日〜11月 5日 プランニングセッション

   11月 5日〜 1月31日 ワークセッション

    2月 1日〜       レビューセッション

 という日程で実施されました。

 このプログラムへは,前半が3年生正課クラブの国際交流クラブのメンバー32名,後半は科学部員20名が参加しました。E-mailによる交流,Cu-SeeMeによるテレビ会議(討論は英語科の教員のアシストによるチャット),共同作品であるマルチメディアマガジンの作成をおこないました。

発芽マップ97への参加

 宮崎大学附属小学校を中心として実施された,全国発芽マップ97に参加しました。本年度は,科学部員を中心としケナフについての生育を調べ,5月12日に種を植えてスタートしました。そして10月30日に収穫し,その後,その収穫したケナフによる紙づくりをおこないました。

設備の充実および今後の接続

 校内LANの延長をはかり,本年度は理科室までLANを延長しました。また,図書館のクライアントの増設,その他,環境整備の一層の充実を図りました。

○平成9年度の成果と課題

活用方法

 教師側は,主に各教科の授業を準備するための資料集めにインターネットを利用しました。また,インターネットを学校で活用するためのネットワークづくり等にも利用を行いました。

 生徒側は,前述した特別な目的を伴った利用の他に,昼休みの図書館において,調べ学習,自由な情報検索,あるいは文化祭や修学旅行のための調査等に積極的に活用することが出来ていました。

教育効果

 いろいろなことを調べるために,「インターネットで調べよう。」という声が,教師,生徒ともに自然に聞かれるようになってきました。その面から見てみると,教育的効果は非常に大きいように思われます。ただし,全校の生徒が十分に活用するだけのクライアント数と時間がないために,学校全体の生徒に対する教育効果が上がったとは一概には言えなかったのが残念でした。

技術的課題

 利用するハードウエア,ソフトウエアともにだいぶ安定して動作するようになって来ました。これは,管理者サイドからは大変大きな労力の削減につながっています。

 ただし,まだサーバーのUNIXに関しては壁も大きく,特別な講習を受けるとか,あるいはサポート体制の充実を図らなければ,もしもの時に十分な対処をすることは難しいように感じられました。また,この点からもサーバーの管理に対する後継者の養成も難しい面があるようです。

その他

 平成9年11月にクラッカーの侵入により,ホームページを書き換えられると言う事件がありました。これは,生徒のパスワードが推測されやすいものであったことと,サーバーのパーミッションの設定の戻し忘れといった管理上のミスによって引き起こされました。結局,11月から12月までの間継続的に侵入され続けたために,生徒のメールアカウントの削除,パスワードの変更,その他様々な面でこの問題に対処するために相当な負担を強いられました。そして,この問題を体験することで,システム管理のセキュリティの大切さを痛感しました。

○新100校プロジェクトに参加して

 本年度も,新100校プロジェクト参加校としての経験を元に,特に県下のインターネットの利用を推進していくために,下記のような様々な会において,本校の取り組みや,インターネットの利用方法についてイベント等に参加しました。また,他の学校での研究会での学校レベル,あるいは個人レベルでの相談窓口としての機能もはたしていきました。

  ○インターネット講演会(6月10日 県下こねっと13校へ)

  ○四国放送テレビ(7月13日)

  ○四国放送とことんラジオ(10月9日)

  ○中四国情報部会(10月23日)

  ○中四国図書館教育(11月2日)

  ○鳴門教育大学シンポジウム(11月2日)

  ○新100校プロジェクト中四国ブロック成果発表会(11月18日)

 本年度で,本校もインターネットを利用することが出来るようになって3年間が過ぎました。インターネットに対する珍しさもすぎた状況では,日常的に利用する教員数も頭打ち状態になり,全教職員の3分の1程度でとどまりました。しかし,この教職員にとっては生活の一部となり,インターネットのない学校が考えられないと言っても過言ではありません。積極的に教材研究をおこない,資料を集め,自主的に授業を構築していくための利用を行っています。また,体育系の部活動の顧問でも,情報収集やメールを利用しての連絡等に積極的に活用していく姿勢が身についてきているように思われます。そして,E-mailに関しては県下の各学校が徐々に接続数を増やしているにつれて利用数も増えていっているようです。

 生徒たちに目を移してみると,インターネットを当たり前のものとして情報収集をする姿を見ることが出来るようになってきました。さらには,学校での利用から発展して,家庭をインターネットに接続し,そして自分のホームページをプロバイダーに登録する生徒もでてきました。

 なお,最後に本校では昨年の10月から専用線の64kに速度が上がりました。この効果は大きく,それまで利用することに多大なストレスを感じていた,あるいは躊躇していた教師にとっては非常に大きな変革になりました。