土庄町立土庄中学校

○インターネット利用状況

 ・GLOBEプログラムへの参加(平成7年9月〜現在)

  GLOBEプログラムに参加するに当たり,エコクラブを結成しました。エコクラブ員は生徒の希望者と理科の教員で構成しています。毎日,最高気温や最低気温,雲量,雨量などいろいろな気象観測を行ったり,植物の観測や湖水のPH,水温観測に出かけたりしています。エコクラブ員が調べた各種データはエコクラブ員やコンピュータ部員が理科の教師の指導のもとで,インターネットを使ってGLOBE本部に送っています。GLOBE本部では世界中から送られてきたデータをインターネット上で公開しているので,これらのデータを本校も利用して授業を行ったり,環境教育に役立てています。

  GLOBEプログラム:アメリカのNASAにあるGLOBE本部が中心となって行われているプログラムです。世界中のいろいろな地域の気象観測や生物調査を生徒の手で行い,それで得られたデータを専門家が分析し,その結果をインターネット上で広く提供しようというものです。世界各国でたくさんの学校や機関がこのプログラムに参加しています。詳しくはここをクリックしてください。

 ・酸性雨プロジェクトへの参加(平成7年11月〜現在)

  科学部のメンバーが雨が降るたびに,その雨水の酸性度を測っています。そして,そのデータがいくつかたまると,科学部員がプロジェクト本部にインターネットを使って送っています。また,他の地域の雨水の酸性度のデータも得ることができるので,自分たちの地域に降った雨水の酸性度が,他の地域と比べてどうなのかをいろいろと興味を持って調べています。

 ・電子メールを使っての交流(平成8年3月〜現在)

  生徒から希望者を募り,電子メールクラブをつくり活動しています。これは電子メールを使って,ふだん交流することのできにくい外国の同年代の人々と交流をし,諸外国の文化やいろいろな習慣,日本との違いなどを知り,また友好を深めようというものです。また,科学部員は気象関係などの情報を得るためにいろいろな学校と電子メールを使ってやりとりをしています。

 ・ホームページを作成しての情報発信(平成7年8月〜現在)

  コンピュータ部員や情報教育部会の教員を中心にして本校のホームページを作成しています。学校の紹介や生徒の作品,方言コーナー,学級のページなどを作り,情報発信しています。文字だけでなく,絵や写真,音も入っています。また,本校のホームページを見ての感想や,意見を入れられるお便りコーナーも作っています。英語版のホームページも作成し,世界中から読んでもらえるようにしています。

○平成9年度の成果と課題

 ・活用方法

  現在,インターネットのサーバー機が1台とクライアント機が6台あります。クライアント機の3台は,コンピュータ室に,あとの3台は職員室横の放送室に設置してあります。コンピュータ室の3台のうちの2台はWindows95で動いており,放課後の部活動などで生徒が使える状態になっています。コンピュータ部員や電子メールクラブ員がホームページの作成や,電子メールを書いたり,情報検索に使っています。放送室の3台は,職員に活用されています。WWWを使ってインターネット上から資料を得て,社会科や理科などの教科ではそれを授業で活用しています。さらに,職員の希望者にはメールボックスを作り,電子メールを通じて多くの人々と交流や意見の交換をしています。

 ・教育効果

  生徒はWWWを使って情報を調べる際には,検索機能を駆使して,自分の知りたい情報を必死で探したり,英語のメッセージが出てくれば,辞書を片手に調べながらその対応を考えたりして,自分から積極的に学ぼうとする意欲が感じられるようになってきました。自分の知りたいことが,今その場で調べられるというのは生徒の意欲や探求心を育てるのに役立っていると感じました。

 ・技術的課題

  インターネットを利用することの第1の課題は,スピードです。特に画像を含んだページを呼び出すときは何分もかかることがあり,これでは授業で使うのは難しいです。

  第2に,システム管理の問題です。サーバー機を学校に置き,それを学校で管理するには担当者の技術能力と時間がなければなりません。現状では職員がシステム管理をするのは相当困難と思います。ユーザーとしてはインターネットを利用するのは多くの職員ができているのですが,システム管理となるとたやすくできるというものではありません。これからは,ハードの整備と同時にシステムを管理する人材の育成を進めなければならないと思います。

 ・リテラシー

  生徒も職員もどれだけインターネットに触れられる機会があるか,インターネットを使った活動ができる場があるかが大切です。接続できるコンピュータの数を増やすことはもちろんのことですが,触ってみようという意欲がわくような環境整備が必要です。便利そうだというのは分かっていても,他にしなければならない職務が山積しており,なかなかインターネットを使ってみようという気持ちになれないのが現状です。

○新100校プロジェクトに参加して

  今年度も引き続きこのプロジェクトに参加でき,インターネットを活用していこうという機運が少しずつですが高まってきて,授業に活用することができたと思います。より多くの生徒や職員が利便さを体験し,それをさらに生かしていこうということができていくのではと感じました。