富山県立富山西高等学校
○インターネットの利用状況
1.授業での利用
・英語学習のホームページを利用し、読解力、表現力を身につける(普通科英語実践コース1年、3年 LL演習)
アメリカのCNNが開設している『CNN INTERACTIVE』のホームページを利用し、単語、穴埋め、並べ替え、要約などの作業を経て生の英語を学習した。また、内容についての自分の意見をe-mailで送り、画面上に掲載した。
・英語T(普通科1年 英語T)
ALTが授業で扱う題材に関する情報をインターネットで検索し、印刷したものを生徒に配布した。
・インターネット操作の習得(普通科英語実践コース1年 LL演習)
インターネットの仕組みから始めて、学年進行に伴ってインターネットをツールとして活用できるだけの操作法を習得させた。
具体的には『ブラウザの操作法』『サーチエンジンの利用法』『e-mailの操作法』などの内容について行った。
・外国事情の把握(普通科英語実践コース2年 外国事情)
インターネットを利用して世界の様々な国のホームページを検索し、外国の事情を把握することによって世界の中の日本を理解させた。また、英語という言語の重要性をも認識させた。
・アメリカASTM規格における土木材料の試験項目調査(土木科3年 課題研究)
インターネットを利用し、骨材、セメント、コンクリートに関するアメリカでの試験項目について調べた。
・実社会の土木技術の調査(土木科3年 課題研究)
日本の建設関連会社のホームページにアクセスし、建設技術等について紹介しているページのデータベース化を図った。
・新聞データベースの利用(普通科3年 倫理)
インターネットによってPKO・国際貢献をキーワードとした新聞記事検索を行ない資料の収集をした。
・新聞データベースの利用(普通科2年 世界史)
1989年のフランス革命200周年記念に関する新聞記事を印刷し、資料として配布、現代の視点から歴史的出来事を考えさせた。
・身近なテーマの情報収集(普通科3年 情報理科基礎)
コンピュータを『世界に向けて開かれた情報の窓』と位置づけ、身近なテーマ(例えば「健康」など)に関する情報を集めて、自分の生活を見直させた。
・生徒のインターネット体験(全クラス ホームルーム)
インターネット接続校であるので、全校生徒を対象に一度はインターネットを体験させ、興味関心付けを行った。
2.教員研修
・インターネット体験会
世界のホームページの見方、情報の検索・収集の仕方と授業における利用場面。
電子メール、メーリングリストの利用。
・ホームページ作成講座
HTMLを使ってのホームページ作成。
作成ソフトを使ってのホームページ作成と維持管理。
授業でのホームページの利用。
・授業における電子会議、新聞データベース検索の利用法の検討会。
3.その他の活用
・海外派遣先高等学校との電子メールによる情報交換及び派遣生徒の事前交流。
・本校教員と教育委員会、他校教員間での電子メールによる事務連絡。
・データファイルの交換。
○平成9年度の成果と課題
1.英語教育における学習効果
いろいろな情報について、生徒は生の英語に接することができ、レポート等を書くことにより英語力を高めることができた。また、インターネットを利用した学習の導入により、英語教育は本来持つべき姿である「相手の見える学習」へと確実に変化してきており、生徒の主体的な取り組みと相まって学習形態の変化がよくうかがえた。
本年度は新しい試みとして、英語を外国語として学ぶ人たちのためのホームページが世界中に開設されていることを利用し、生の英語学習に取り組んだ。CNNが開設している『CNN INTERACTIVE』から、1年は「カリフォルニアの交差点での監視カメラの影響」、3年は「カリフォルニアの銃規制」をテーマとした。
最初は単語のレベルや領域が教科書のものと違うので戸惑いもあったようだが、実際に使われた原稿ということで臨場感を持って学べたようであり、事後アンケートからは次のような感想が得られた。
・工夫された画面により楽しく英語の学習ができた。
・自分の意見が世界に向けて発表できたのはうれしい。
・いろいろな国の人たちの英語が見られるのは興味深い。
・わからないところはもっときめ細かく先生に説明してもらいたかった。
・結局は授業の中なので、人のペースについていかなければならず大変だった。
工夫の余地はまだまだあるものの、生の英語を生かすということで英語学習サイトの利用価値は高いものと思われた。
2.土木専門教育における学習効果
「課題研究」の選択テーマに、インターネットを利用した諸外国の工業規格の調査を設定したところ、生徒の興味関心は高く、選択希望者は予想以上に多かった。
本年度はアメリカの規格『ASTM』に絞って、骨材、セメント、コンクリートに関する試験項目をダウンロードし日本語訳を試みたが、生の英語に加え専門用語に関する知識の浅さから思うように進まず、かなり苦労していたようであった。
事後の感想からも
・辞書のどの日本語訳を用いれば正しく意味が伝わるのかよくわからなかった。
・高校生が使用している辞書に載っていない専門用語(専門的な言い回し)があり、どう日本語訳をすればよいかわからなかった。
などが寄せられた。
しかし、専門用語辞典を調べたり英語の辞書を繰ることにより、専門用語に関する興味関心が高まり、また英語の学習にも好影響を与えたようであった。
3.教員研修及びその他の活用における効果
インターネットを如何に授業に活用するかについて、昨年度・一昨年度と2年間積極的に取り組んできた英語科教諭2名が本年度4月本校から転出し、教員研修も再出発となった。教師の意識及びレベルの差異が徐々に開いてきており、今後全教職員に対する同レベルの研修はより難しいであろうことが容易に感じ取れた。
教員研修により授業形態に変化を見せ始めた教科目が徐々に増えつつあり、また電子メール・メーリングリストの活用は事務連絡の効率化、意見交換に役立っている。
○プロジェクトに参加して
[地域の核としての活動]
平成8年度より婦中町が文部省エイズ教育(性教育)推進地域に指定され、現在研究推進中である。本校のホームページ上には「事業の趣旨と研究主題」「エイズ教育推進組織図」「教育情報研究部会によるアンケート集計結果」等を掲載し、研究内容の発信をしており、来年度は研究成果を発信する予定である。
[校内ネットワーク化構想](PDFファイル)
現在ネットワーク化されているLL教室・職員室・事務室に加え、本年度末に進路指導室、来年度土木科実習棟、その後図書室などへと順次校内ネットワークを広げていく予定であり、それぞれの部署においてのインターネット活用が期待されている。