山梨大学教育学部附属中学校

○ネットワーク利用状況

・インターネット環境の設備

  本校は鉄筋3階建ての本館と体育研究室や第2コンピュータ室のある別館のそれぞれにインターネットをつなぐことを目標にした。本年度までに整っているインターネット環境は次の通りである。

  今後、保健室と図書室に本年度Windowsマシンが導入されたので、この2台をネットワークにつなぎたいと考えている。

・ホームページ

  平成7年9月に、本校のホームページを公開し現在に至っている。内容は各教科のページと本校職員の紹介ページ、生徒会活動、100校プロジェクトの成果報告などである。各教科のページについてはすべての教科について網羅しようと考えたが、なかなか作業が進まずすべてとまではいっていない。しかし、コンピュータ部会の先生方の支援と協力で、社会科,数学科,音楽科,保健体育科,技術科,英語科の6教科がすでに研究内容等を中心の各教科のホームページを公開している。

・リテラシー

  本校は平成4年度から、1年生において毎月1時間、年間10時間をコンピュータリテラシーの時間に設定し、コンピュータの基礎やワープロ機能の習得を中心にを学習してきた。また、平成7年度からは生徒,教師全員がメールアドレスを持ち、リテラシーの後半4回をインターネットのリテラシーに変え、ネチケットやインターネットについての基礎知識、メール交換、WWWの演示などの内容を盛り込んだ。

  このリテラシーに用いているテキストは、本校職員が協力して自作のものを作り、平成8年度からは改訂版を作成して行っている。

○平成9年度の成果と課題

・本年度の成果

 (1) 地域展開プロジェクト

    インターネットの利点は広くどんなに離れた地域でも、その距離を意識することなくいろいろな資料の活用や多くの人たちとの交流ができることにあると考える。しかしその利点ばかりに目を奪われると足下にある貴重な資産を見逃すこともある。そういう意味でこの地域展開プロジェクトは有意義 なものであると考える。

    本校はこのプロジェクトの一つとして、山梨県の国公立および私立のすべての中学校の紹介を一つにまとめ、その学校の特色や地域の様子、文化財等の資料を一つのページから眺めることができるようにならないだろうかと考えた。そうすることによって、山梨県の良さを再確認するとともに、他の都道府県からみての比較情報などが得られればと考える。

    このプロジェクトは10月の初旬に全県の中学校102校(本校を除く)へ、このプロジェクトの趣旨と協力の依頼を文書で発送し、今のところ約4割程度ではあるができあがりつつある。さらにこの試みを理解してもらえるよう努力するとともに、すべての学校を網羅したかたちで公開できるよう頑張りたいかと考える。

 (2)教科の授業での活用

    教科の授業では、本年度は美術科において絵画の鑑賞など実際にいくつかの美術館に入り授業を行った。また1年生で行われているリテラシーも3年目に入り、指導する教師の側にも余裕を持ってあたることができるようになった。また、教科の授業ということではないが、3年間の積み重ねとして、3年生の一部の生徒ではあるが、放課後メールを出すためにコンピュータ室でキーボードをたたいている姿が見受けられた。

    今の段階は、全ての生徒が同じようにここまでと言う概念ではなく、広く生徒に門戸を広げ、興味がわいたり、やってみたいと思ったときにそれを受け入れてやれるだけの条件を整えておくことが大切なのではないと考える。

・本年度の課題

 (1)地域展開プロジェクトについて

   ★ 成果のところでもかいたが、本年度は県内のすべての中学校の紹介を1つのホームページにまとめようと試みたが、まだ4割くらいの学校までしか仕上げることができていない。これは、あくまでも協力をお願いするというかたちであるので、強制力を持つものではないため、忙しい校務の傍らなかなかこのプロジェクトに協力するための時間を割くことができないのではないかと考える。今後、まだ登録できていない学校には引き続き協力のお願いをしていくとともに、なるべくそのための労力を軽減するかたちをとっていきたいと考える。

   ★ せっかく協力が得られ、本校に資料を送ってくれた中学校の登録についても、その時間的確保の問題が残った。それぞれの抱えている校務を家に持ち帰って処理している現状の中で、1つの学校を登録することも大変なことである。本校ではコンピュータ部会が校務分掌の中にあり、その部会の先生方で手分けをして登録作業を進めている。今後も地道に作業を進めていきたいと考える。

   ★ 本年度は、この学校紹介に載せた内容は主に学校要覧からのもので、地域の様子や学校の沿革、 学校の規模などを中心に据えた。今後地域の特色が出るようなものや資料として役立つようなかたちにしていきたいと考える。

 (2)予算的な問題

    昨年同様予算的な問題は残った。毎年1台〜2台程度Windowsマシンの購入をしているが、コンピュータ教室20台をWindowsマシンにするだけの予算はない。早期にこの点が改善され、生徒達が自分たちの手でWeb上から必要な資料を探し求めたり、自分たちの考えたホームページを作成できたりすることができたらと考える。

○プロジェクトに参加して

  このプロジェクトに参加し、また地域展開プロジェクトを進めていく中で多くの先生方や学校関係者に協力をしていただけたことを感謝している。問題点も山積している現状ではあるが、少しずつでもかたちとなって現れてきていることが何よりの成果であると考える。「情報化」が教育の一つのキーワードになっている昨今、この試みが少しでも今後の参考になってくれれば幸いである。