鳥取県立米子南商業高等学校

○インターネット利用状況

●情報処理関連授業での利用

  情報システム科の情報処理・プログラミング・情報管理の授業で基本的なタグを使って個人のホームページを作成した。また,クラス内でのE−mailによるやり取りを徹底させることで自主的な外部との交流のきっかけとした。

●課題研究の中での利用

  課題研究の授業では,自らのテーマを掲げその内容を調査・研究しレポートにまとめさせたが,レポート作成のための資料をインターネットのサーチエンジンを利用しながら収集し,様々な内容のレポートを作成した。それにより生徒自ら主体性を持って興味を持ったことを学習していく力を身につけさせることができた。

●社会人講師導入事業との関連

  県の事業である「社会人講師導入事業」において,地元プロバイダー業者に講師を依頼。情報システム科でのインターネットについての授業の導入とすることによりインターネットの社会での必要性を認識させることができた。

●学校外との交流

  情報処理部では,授業中には導入しづらい内容を行った。wwwのチャットルームで積極的に外部の人と交流を持ち,それを発展させて個人的なE−mailのやり取りを行わせるように指導した。それにより生徒のインターネット上の交流範囲が広がり,いろいろな関わりを持つ中で視野を広げさせることができた。

●鳥取スクールネット

  地域の情報教育の核として鳥取スクールネットの創立を現在進行中。各校への技術的支援を行っている。

●在宅学習支援

  学校という限られた時間以外でも教員・生徒がインターネットを活用して情報を収集できるように,pppアカウントを発行し学習機会を増やした。

●生涯学習開放講座での利用

  県の事業である生涯学習開放講座においてネットワークに関する高度な知識を一般に対して普及させるためにネットワーク管理者養成講座を開講した。その中でのテキストとしてwwwを利用した。また,実際にサーバを構築しインターネットと接続するなどネットワークに関しての知識を一般へと広げた。

●職員のE−mail活用

  若い世代の職員を中心として,日常的にE−mailを使うようになったことで国内・国外を問わず外部の方とコミュニケーションをとれるようになった。特に昨年度本校に在籍していたALT(現在は英国に帰国)と英語科教員との交流は長く続いている。

●PTA対象

  保護者を対象にホームページの利用方法を中心にインターネット研修会を行った。それにより,学校でどのようなことをやっているかを保護者にも理解してもらうことができた。

●部活動の記録のホームページへの掲載

  部活動の大会記録は随時ホームページに掲載することを呼びかけて,常に新しい情報を発信した。

○平成9年度の成果と課題

●活用方法について

  情報処理・プログラミング・情報管理といった情報処理関連科目での利用がほとんどであったが課題研究の中で効果的に利用できた。また,若い教員を中心にLHRで使ってもらうなど積極的な取り組みがあった。ただし,科目での到達目標との関係でかなり苦しい面もあった。本格的な活用のためには,カリキュラムや科目での到達目標の精選といったことも必要に感じる。

●教育効果

  生徒はインターネットにかなりの関心を持っており教材として利用することによりかなりの効果が得られたように思う。どうしても教員主導型の授業となりやすいものだが生徒が自主的に調査し,積極的に学ぼうという姿勢が見受けられた。また,自主的に放課後に残って学習する生徒も少なくなかった。

●技術的課題

  校内のネットワーク環境はかなり整っているので,特に問題はないように思われる。ただ,サーバの管理を行える教員がほとんどいないので人事異動があった際に対応が出来なくなる懸念がある。

●リテラシー

  情報システム科のほとんどの生徒がWindowsについて理解していてwwwを情報検索に利用したり,様々なアプリケーションを使える。そういった面でみると,身に付いているように思える。ただし,ネチケットの問題については徹底不足のようで他人のページへの勝手なリンクやネット上の画像の無断使用など不安要素が残っている。今後の指導をもっと考えていく必要がある。

○新100校プロジェクトに参加して

●生徒の変化

  100校プロジェクトに引き続き新100校プロジェクトに参加したことで通算3年目となるため教える教員側にゆとりができ,情報科目でのインターネットの利用にも余裕ができた。生徒に対しての指導に余裕があったため生徒は今まで以上に身近にインターネットを感じることができ,それを使うことが当たり前だというように何の抵抗もなくごく素直に自分のものとして受け入れている現状がある。このインターネットに対する意識の変化は,情報化社会に生きる社会人を育成する上で非常に効果があったように思える。

●教師の変化

  学校でインターネットが自由に利用できる状況も3年目となり慣れがでてきたせいかほとんどコンピュータを使ったことのない教員も,wwwで情報を検索したりE−mailを使って地域的に広い範囲での交流を行うことがごく当たり前のことのようになりつつある。指導を行っていく教員側にも意識の変化がみられたことは大きな効果があったように思う。