5.5 共同製作「過去の国際交流に貢献した人たち」
石川県河北郡内灘町立西荒屋小学校 山崎 副
 
5.5.1 概要
 
 本企画は過去において自国の人物が海外で活躍した様子をWEBページ風な紙芝居あるいはアニメーション化する活動であり、その活動の中で異国の学校に問い合わせたりして評価を受けたりして、その学校、国とも交流を図るものである。しかも複数校でお互いに行うものである。
 大海洋時代の1500年前後に海外で活躍した日本人は山田長政や納屋助左衛門などと多いが、海外からも日本へやってきて活躍したフランシスコ・サビエル,ルイス・フロイスなどと人物も多い。お互いに人物を映像化する中で文化、風俗などの違いを知り、国際理解につながるのではなかろうか。
 
5.5.2 実施
 
 本校は生徒数120人ほどの海辺にある小さな小学校である。昨年度よりクラブ活動とは別に希望者による子供国際交流クラブが設立され、20人ほどがインターネットを通して海外交流を積極的に行っている。本企画実行の中心はこのクラブである。 なお、町では北海道羽幌町、中華人民共和国江蘇省呉江市とも姉妹都市提携をむすび教職員による国際交流委員会が設立されている。また各小学校にはコンピュータが22台あり、校内LANで結ばれている。インターネットは現在ダイアルアップサービスで利用しているが、来年度よりOCNとなり6校間ネット構築となる。
 以上のような環境下で、本企画の実施を行った。

 1学期 ・子供国際交流クラブを設立した。
     
     ・学校紹介のホームページを作成した。
     ・海外の小学校へ交流の呼びかけを行った。
     ・大航海時代に活躍した日本人を調査し候補者を絞った。
     ・インターネットで知り合った外国の人が本校へやってきて2時間ほど交流を行った。
      (来校者:アメリカ合衆国ネバダ州マインデン市Jim E Ream)
 2学期 ・呼びかけに応じた海外の小学校に製作活動について説明し、協力をお願した。
     ・協力することの応諾がなかなか得られないので、再度お願いをした。
     ・製作活動協力校が現れるまで、製作技術の習得をねらって、いろいろな人物を選び製作した。
 
   (1)サンタが学校へやってくる(動くGIF画像、10秒間)
   (2)再編集 大航海時代にタイ国に渡った山田長政物語(WEBページ風紙芝居、10分間)
   (3)地元の守護大名 富樫物語(コンピュータアニメーション、20分間)
 

 3学期 ・前学期の活動である製作技術の習得を今学期も続け、各自本格的な自己紹介のホームページを作成した。ただし、プライバシーを守ることから校内のみ閲覧できることとした。

 
5.5.3 効果と課題
 
 本年度、現在の交流相手校の中で本企画に賛同し、協力を得ることは出来なかったため、本企画の製作ができなかった。これは、以下の理由によると思われる。
 ・本校は自動翻訳ソフトを使用し、英語で交流を行ている。しかし、意志疎通がスムーズかと言えば、やはり一々変換することから児童にとっては結構煩わしい作業であり誤訳も多く、リアルタイムの返事は出来にくい。こうしたことから調査上、頻繁に行われると予想される問い合わせに応えることが出来ない。
 ・交流校の多くは負担の大きい活動でなく、気軽に行え、単に知り合えるだけでよいとしている。ましてや、最初から製作を前提とする活動は担当者に重い気持ちを抱き、敬遠したくなる。それは、自己紹介や学校紹介、地域紹介などが掲載されたWEBページの充実よりも、実際は電子メールのやりとりをしていることの活動が多いことに現れている。
 ・人物を取り上げる時、どうしても当時の服装や時代背景、用語など多くのことを調べなければいけない。また、創作の伝記であるから登場人物を何人にするか、どこに山場を置くかなどの工夫したシナリオを考えなければならない。もしコンピュータアニメーションで製作するとなれば、特に難しい点は、声や効果音、ミュージックなどのアフレコである。このように児童にとっては、かなり大変な作業になる。
 こうしたことから、来年度は、共通の人物を取り上げ、コンピュータアニメーションでなくWEB風紙芝居とし、児童の負担を出来るだけ少ないものにする。20ページ程度におさえ、説明も短いものとする。その製作を終了した段階で、もし時間的余裕があればさらに他の人物を製作したり、コンピュータアニメーションに作り直したりする。