1. 家庭科ティーム・ティーチングにおける

インターネットの可能性

神奈川県大和市立林間小学校 浅野 智子

5.6.1 概要

 96年度と97年度の2年間、本校と奈良教育大学家庭科教育学研究室は、マルチメデイアの最先端であるインターネットを使い、家庭科教育におけるインターネットの可能性について共同研究を行なった。

 96年度は、年間計画の検討から授業の考察まで、日々の家庭科学習についての検討を行なった。97年度は、領域を「食物」にしぼり、教材の開発や、家庭科関連リンク集の作成を行なっている。

 本研究は、家庭科の学習についてWEBと電子メールを用いて教師間で話あいを持ち、日々の授業に生かしていこうという性格である。

図5.6−1 97年度ホームページ表紙

 

5.6.2 実施日程及び参加者

 1996年4月〜1998年3月

浅野 智子(神奈川県大和市立林間小学校)

鈴木 洋子(奈良教育大学家庭科教育学研究室)

5.6.3 実施内容

 1996年度

年間計画の検討から共同で行なった。毎時間の授業については、本時目標・授業の様子・授業の考察を毎回記録してホームページに授業記録をのせた。授業録をもとに、家庭科の授業についての考察を合同で行なうなど、日々の家庭科学習についての検討を行なった。

図5.6−2 96年6月13日の授業記録

 1997年度

97年度は、領域を「食物」にしぼり、教材の開発や、家庭科関連リンク集の作成を行なっている。

図5.6−3 97年度教材研究のページ

 

5.6−4 効果と課題

 家庭科学習においての、インターネットの活用の如何を模索することからのスタートであったが2年間の研究が終了しようとする今、家庭科学習においてはインターネットの利用は、教育的に十分な効果をあげることができると実感するようになった。

初年度の研究は日々の授業について、家庭科教育について専門に研究している研究室と教育現場 である学校の間で話あいを行なった。毎時間の学習について検討を重ねていくという事は、授業を見つめ直す教材研究そのものであり、授業の質を変えていくことにつながっていったと思う。また現場にいてはなかなか得ることができにくい、新しい家庭科教育の動向についても情報を得ることができたのも大きな成果である。

家庭科学習では、児童が家族の一員としての自覚をもって家族と協力して家庭生活を明るく楽しく、充実向上させようとする実践的な態度を育てることをねらいとし、生活の課題を解決する能力と態度を身につけさせようとしている。

 実践の中で児童が直接インターネットを利用した学習は、お料理のホームページからレシピーを探すなど情報の受け身的な使い方だけであったが、児童にとって身近な生活の課題にはどんなことが考えられるであろうと考えると、その一つとして「ごみ」問題が浮かぶ。「ごみ」問題はもはや個人や県、国のレベルで解決できる問題ではなく国際的視野にたって考えていかなければならない問題である。児童が学習した事を、児童のレベルで発信していける環境を活かし、又の機会にはそういった授業も計画し実践していきたいと思う。