5.37 情報手段としてネットワークを活用する企画

宮城教育大学附属小学校 小澤  裕

 
5.37.1 概要
 
 平成7年度 100校プロジェクトの1校としてインターネットを活用した授業実践を行ってきた。本校では,「自己を豊かに創造する(U)」というテーマのもとに単元・教材に関わる共同研究が進められている。その研究では「社会の変化に対応する内容」という視点が設け,環境教育,人権教育,情報教育などの新しい教育内容を研究対象として進めている。その中でも本年度は「情報教育」に重点をおいて研修を進めている。これは,いわゆる児童のコンピュータリテラシーの向上も含めて,インターネットを手段としてどの様に教育活動の中に取り入れていくか探っていったものである。
 

5.37.2 実施状況

(1) 授業の準備段階として  

 本企画を実施するにあたり,本校職員のコンピュータリテラシーの向上やWWWでどの様なことを検索できるのかといったことなどの研修を行った。
 本年度後半からデジタル回線に切り替わり,以前に比べてストレスをあまり感じることなくWWWで検索できるようになった。しかし,子どもたちに検索させてみると接続先は様々であり,やはり,待ち時間を感じずにはいられないといった様子が見られた。そこで,シェアウエアである「波乗野郎」を導入し,事前に子どもたちに検索させたいサイトをMOに保存,子どもたちの使うノートパソコンに入れておくという手段をとった。
 また,WWWの検索ばかりではなく,オンラインソフトをダウンロードし,授業の中やホームページづくりなどで生かしていく職員もみられるようになった。

  (2) ネットワークを活用した授業実践  

a.4年理科「流れる水のはたらき」
 本単元は,流れる水によって川の様相がどの様に変化するかという学習内容を含んでいる。そこで,総合学習で見学している七北田川の見学調査を生かす形で,岐阜県を流れる長良川(東書でも取り扱っている)の様子をまとめたホームページを見せ,両者を見比べるところから,流水の三作用(浸食,運搬,堆積)について気付かせていった。

b.3年理科「こん虫のからだをしらべよう」
 この単元では,「ちびなび」という子どもの学習にあわせた検索サイトから必要な情報を事前に取り込み,調べさせる活動を行わせた。この実践では,子ども一人一人に学習カードをもたせることで,課題意識が持続できるような配慮を行った。

c.4年国語「方言」
 4年生の国語学習の最終単元である。方言そのものを知ったり,これまでに学習した物語を自分の地方の言葉で表現してみるなどという活動が予想される。今回は,これまでに本校で蓄積してきた「方言」に関するホームページから自分の調べてみたい言葉について一つの地方に限定せずに調べさせた。

d.6年社会「日本と関わりの深い人々」
 これは,これから本格的に実践されるものであるが,電子メールで日本人学校の6年生と交流を行い,その国の気候や文化などを調べていくものである。

  (3) 授業以外での活用

 インターネットという情報の波が,本校に打ち寄せてから3年を迎えることになるが,この波を大きくかぶったのが,本校職員一人一人であると考える。ここには,授業以外にどの様に活用してきたか,事例をいくつか紹介する。

 

5.37.3 本企画の効果と課題

 (1) 効果

  本企画は,現在も実施中であるといっていいだろう。授業実践については,ほぼ終了している。これまでのことから本企画の効果について以下に述べる。

 (2) 課題

   本企画に関わる課題について以下に述べる。