石川県立小松工業高等学校 安津謙二 三浦 泉
B 測定地域の環境を、「プロフィール」をクリックして調べる。
C 各自が調べた地域ごとのワースト5平均pHを発表し、日本地図に記入する。
D 記入した数値を見て、酸性雨の広がりについて考える。
E その他の環境問題について、温暖化、フロン、ダイオキシンなどのキーワードから検索し、調べる。
F 環境破壊を防ぐには、どのようにしたらよいか考える。
美術での取り組み
科目、及び単元、対象学年は以下の通り。
科目 美術T
単元 九谷焼(上絵着)の制作方法と九谷焼の歴史
ルーブル美術館、オルセー美術館収蔵の作品を見よう
対象学年 1年
具体的な展開
@「九谷焼(上絵着)の制作方法と九谷焼の歴史」について
九谷焼の製造工程の理解と、その歴史について、インターネットの本校のホームページ内にあらかじめ情報を入力したものを呼び出し、作業工程などの写真を見ながら理解を進める。
A「ルーブル美術館、オルセー美術館収蔵の作品を見よう」について
インターネット活用により、ルーブル美術館、オルセー美術館のホームページを呼び出し、最初は作家を限定して、その作家の作品を鑑賞させることによって、インターネットの利用方法を学習する。次に、各自の興味関心に応じて主体的にコンピュータ操作を行い、各々で作品の鑑賞を行わせる。
5.45.3 効果と課題
理科では
生徒の感想
「県や地域によってpHが全然違うことがわかった。その中でも、自分たちが 住んでいる石川県もpHがかなり深刻なので、もっと真剣に環境問題を考えたほうがいいと思った。今度は、もっと広く世界のpHを調べたいと思う。」
「近くに工場や交通量の多い道路があるとpHが低い。排気ガスや煤煙が原因と考えられる。pH=4というのがどのくらいのものかは、あまりピンとこないが、かなり酸性だということがわかる。このままpHが下がっていくと、自分が大人になっているころはどうなっているんだろう。ノストラダムスの予言も怖いが、目の前の危険を何とかしたい。」
「インターネットは、いろんなところからいろんな情報を勉強できるのですごいと思った。どんどん雨が酸性になっているし、オゾン層が破壊されている。このまま進めば、私たちが大人になっている頃は大変だと思う。でも、自分たちの出したガスによってこういうことになっているので、もっと環境問題に気を付けようと思った。」
生徒たちは、インターネットを利用し、どんなに遠いところからも、手軽に素早く、情報が入手できることに驚いている。その上、操作は、簡単にマスターできる。情報の量も多く、教科書からは得られないものを得ている。教科書、黒板、プリントというスタイルにマンネリ化を感じている生徒にとっては、インターネットから 即座に取り出す情報は、新鮮に映り、興味と関心を十分に引き起こしたようである。
反面、膨大な情報から、今、本当に必要としている情報を引き当てるには、時間がかかる。普通教科で、1つの単元にインターネットを利用できる時間は、1〜2 時間に過ぎない。時間を有効に活用するためには、教師があらかじめリンク集を作り、その中から引き出させる工夫が必要である。
また、本校の場合、インターネットが可能なパソコンは、工業実習を目的としており、のべ台数は多いが、1教室では20台程度である。普通教科では、40人が同時に利用できることが必要である。工業高校へのパソコン導入の規制を緩和し、普通教科でも十分に利用できる環境づくりが必要である。
美術では
生徒の感想
「インターネットをしていると、時間があっという間にすぎてしまう。九谷焼の作業でも、わからないところを繰り返し見て確認できる。」
「自分の見たい作品を、鑑賞できる。パリからこの情報が送られてくると思うと、やっぱり感動です。」
「日本の美術作品もゆっくり見たい。仏像彫刻なども複数の方向から鑑賞できるようになるとよい。」
生徒たちはインターネットに予想以上の関心を抱き、すぐにその操作を理解して自分の関心のある情報を呼び出していた。今はまだ小さな1単元の展開という視点からインターネット活用を見ているが、今後は美術教育全体という観点から、この活用を生かしていく方法を考えていきたい。