中学校 第3学年・選択教科英語
下関市立長府中学校 中村 博尚
2 指導計画
指 導 計 画 | 留 意 点 |
@交流の意義,交流校のピッツバーグ市の概要について知らせる。 |
・交流の意義,相手校の所在地や概要,これからのスケジュールについて確認する。また,交流テーマごとにグループ分けを行う。 |
A自己紹介文の作成。 |
・いくつかの例文をもとに,和英辞書などを利用して,英文で自己紹介文を作成する。その際,各自の趣味・特技や得意な教科などを盛り込むとともに,相手を意識したいくつかの質問を用意させる。 |
B電子メールの基本。 |
・電子メールの仕組みと使い方,英文の記述方法などについて知らせる。 |
C自己紹介文の送信。 ★インターネットの利用 |
・前時の学習をもとに,自己紹介文を送信させる。その際,あらかじめ用意したグループごとの写真を添付させる。 |
D受信メールの確認 ★インターネットの利用 |
・送られてきた受信メールについては,必ずグループ内で返信する段取りを整えさせる。また,慣れてきた段階で,ボイスメールの送信にもチャレンジさせる。 |
3 利用場面
(1) 目標
リアルタイムで姉妹都市の締結式を確認し,メッセージカードを送付することで,自分自身も一大イベントに参加できた喜びを実感する。
(2) 展開
学 習 活 動 | 活 動 へ の 働 き か け |
締結式に向けたメッセー ジカードの作成 |
・班ごとにテーマを決め,調べてみたい課題について英文の原稿を考えさせる。その際,下関市の特色にあたるものは何かを考えさせる。 ・イラストは特色を端的に表現し,制限された時間内でまとめるように指導する。 |
姉妹都市締結式の映像受信 |
・海外からリアルタイムで受信した映像を生徒用端末に一斉転送し,海外で行われている姉妹都市締結式の映像を確認させる。 |
お祝いのメッセージカードの送信 |
・あらかじめ用意したメッセージカードを電子メールに添付して,締結式が行われている現地へすみやかに発信できるようにする。 |
授業の感想を記入する |
・補助プリントに授業の感想を記入させる。内容については,自分の言葉で,できるだけ詳しく記入させる。 |
(2) 展開
ヒルビュースクールからの自己紹介文の例
My name is Heather, and I like sports. I would like to hear about you. I am wearing the blue jersey with the white shirt.
My name is Shelley, and I love animals and musicals. What are
your hobbies? I'm the one in red.
My name is Angelina, and I'm the one in blue next to
図1 グループ7の生徒たち
本校生徒が送信した下関市についての課題学習の例
Hello,I am Ritsu. I am glad to see your picture.
I love music. My favorite music is classical.
My favorite composer is Mozart and Beethoven.
We tell about the cultural assets.
"Akama Shrine"
The Heike clan was defeated by the Genji Clan in the
Battle of Dannoura in 1185.
This shrine is sacred to the Emperor Antoku and
the warriors of the Heike clan who drowned in
I will tell you more about Akama Shrine next time. Please write me back and I will write to you again
図2 姉妹都市締結式の映像
締結式当日の映像がリアルタイムで送られてきたときの教室の様子
図3 大型モニタを見る生徒たち
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図4 生徒の様子1 | 図5 生徒の様子2 |
本校生徒が送信した姉妹都市締結を祝うメッセージカードの例
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図6 赤間神宮 | 図7 城下町長府の練塀 |
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図8 関門橋 | 図9 ふぐだこ |
ワンポイントアドバイス
平成5年度から6年間にわたって,延べ10か国以上の国々と異文化交流活動を推進してきた。また,この活動に携わってきた生徒も,延べ1500人余りになる。彼らは教室に居ながらにして異文化を知るとともに,郷土下関や日本の文化の素晴らしさも同時に気づいてきた。こうした経験を積んで実社会に出たとき,彼らはいとも簡単にネットワーク環境に順応していくと思われる。しかし,ネットワーク人口が加速度的に増大していく傾向は喜ばしいことではあるが,反面怖さも感じる。言うまでもなく,ネットワーク社会は仮想的な社会であり,そこには世代や国境を越えた「連の社会」が形成されている。また,そこは匿名性の強い社会でもあり,それゆえ人間の内面に関わる道徳心,倫理観が問われる世界である。この仮想的な社会を生徒たちに解放する前に,ネットワーク上の諸問題について十分に理解させた上で,教師側が支援にあたりたい。また,コンピュータの中で完結する授業に終始するのではなく,これが何らかの実際の活動につながるなどの配慮が必要と感じる。 |