中学校3 学年・学級活動
葛尾村立葛尾中学校 早川 良一・柳沼 敏文
指導計画(6/6) | 留 意 点 |
@自分の進路に対しての「あせりや不安」についてまとめる。 | ・ごく自然にいだいている「あせりや不安」を数多く出し合い,お互いがかかえている共通点をまとめさせる。 |
A電子メールによって,相手校と自己紹介を兼ねた簡単な意見交換をする。 ★電子メールの利用 |
★初めて相手校の生徒と接するため,お互いの共通の話題等を出し合いながら親睦を深めさせ,考えや話題を交流授業のねらいに近づける。 ・交流したメールを印刷して掲示したり,簡単にホームページにまとめることで,事前交流を振り返りやすくする。 |
BCTV会議システムを利用して簡単な自己紹介をする。 ☆TV会議システムを利用 |
☆相手を見ながらのリアルタイムな交流のため,態度やマナー等に注意させ,自分の意見を発表する際の自信を持たせる。 |
D進路相談会議で話し合う議題について審議する。 |
・これまでの共通の話題から進路相談会議の議題を絞り込み,話し合いの方向づけをする。 ・会議の進め方について,両校で共通理解を図る。 |
E「あせりや不安」を解決するための進路相談会議をする。 ☆TV会議システムを利用 ★ホームページを利用 |
☆話し合いを通して,進路についての「あせりや不安」が解消でき,それらを克服して自ら進路を切り開こうとする意欲を高めさせる。 ★事前交流の経過のホームページを参照させ,話し合いの深化を図る。 |
学習活動と予想される生徒の反応 | 教師のかかわり | |
紹介・あいさつを交わす。(図4) 2 本時の学習課題と活動計画を確認する。
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・両校の代表者にあいさつを交わさせることで,話し合いがしやすい雰囲気づくりをさせる。 ・司会者に学習課題を提示させ,これからのお互いの活動内容を把握させる。 |
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3 相手校と話し合う内容について確認する ・希望校に合格できるか。 ・志望校が決まらない。 ・学習の仕方が分からない。 ・他地域に出る不安。 ・部活動について。 4 お互いに発表し,進路決定におけるあせりや不安について考え深め合う。(図5) (1) あせりや不安を発表し合う。 ・学習について。 ・志望校の決定について。 ・通学方法や部活について。 (2) お互いの発表に対してどうしたら解決できるか意見交換し,深め合う。 ・資料集めや高校説明会を活用する。 ・先輩の意見を参考にする。 ・自校のホームページを紹介する。 ・今後,メールを利用して解決する。 5 お互いの発表を聞き,どうしたら自分のあせりや不安を解決できるか,分かったことを発表し合う。(図6) |
・受験に対して,あせりや不安に思っていることを書き出させる。 ・発表者まかせにすることなく,協力して話し合うよう指示する。 ・発表しやすくするため,キーワードを書いたフラッシュカードを活用させる ・相手の発表をよく聞き自分の考えと対比させ,よりよい方策を持たせる。 ・指名発表により中・下位の生徒にも意見を聞き,できるだけ多くの生徒に発表させる。 ・生徒の質問を取り上げ,両校で話し合いを深める中で,問題解決に近づくよう配慮する。 ・できるだけ多くの生徒に発表させ,話し合いに参加したことの成就感を味わわせる。 |
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6 今回の話し合いで分かったことや感想をお互いに発表し,まとめとする。 ・〜に共感した。 ・安心した。 ・頑張ろうと思った。 7 さらに聞きたいことを電子メールで送る。 また,お礼のメールを出す。 |
・進路についてのあせりや不安が解消でき,それらを克服して進路を切り開こうとする意欲が増したか,ノートや発表のようすを観察する。 ・さらに聞きたいことやお礼をメールで送るよう指示する。 |
図4 相手校とあいさつ 図5 意見発表のようす 図6 班で意見の交換
4 実践を終えて
(1) 生徒の感想
・今回の授業を通して,受験に対する「あせりや不安」は,自分だけでなく誰でも持っているということがわかり,少し安心した。また,すべての悩みが消えたわけではないが,解決のきっかけになったので,交流授業をして良かったと思う。
・TV会議システムを使うと,相手が見える緊張さもあるが,より真剣に授業することができた。
・友だちみたいにいろんな話ができたので楽しかったところもあったが,マナーが少し悪くなったときがあり,気をつけなければいけないと思った。
(2) 成果
・普段の授業では得られない多様な意見に触れることができ,生徒たちには良い刺激になった。また,環境的に恵まれた相手校にとっても,良い体験となった。
・他校の生徒に発表する機会を設けることで,自分の意見をしっかりまとめようとする表現意欲が高まった。また,発表時にも物おじすることなく,自信を持って活動している姿が見られた。
(3) 課題
・交流相手校との計画や時間調整等,準備にかなりの時間を必要とする。
・CU-SeeMeの利用も試みたが,回線の性能や機器操作に不慣れであることなど,機器の整備や技術面での課題が残った。
ワンポイント・アドバイス
課題でも挙げたが,映像と音声という膨大なデータの双方向通信となるTV会議は,回線や機種の性能に大きく依存するが,得られる学習成果も大きい。ここでは,本校がTV会議システムを利用した遠隔授業を含めた交流授業を簡単に紹介する。
![]() ![]() 図7 他地域との実験結果の情報交換(3年理科) 図8 外国人講師による英会話の遠隔授業(3年英語) |
参考文献
葛尾村立葛尾中学校「インターネット活用研究発表会」集録(自作)
利用したURL など
福島県郡山市立御舘中学校(http://www.net6.or.jp/~jhmitate/)※交流協力校
福島県葛尾村立葛尾中学校(http://www.katsurao-jhs.katsurao.fukushima.jp/)
※葛尾中学校学級活動の部屋
(http://www.katsurao-jhs.katsurao.fukushima.jp/SCR/Gakkyu/97/sinro/)
※葛尾中学校機器活用研究部
(http://www.katsurao-jhs.katsurao.fukushima.jp/REPORT/H10/kiki/)