(3)児童の変容

 最初、本校の児童は、自分たち学校のすぐ下を流れる片貝川の水にしか注目をしていなかった。しかし、片貝小学校との交流をきっかけに、片貝川の上流から下流まで片貝川全体に関心が移っていった。

 交流の際には、片貝小学校と共通のテーマで学習を進めていった。そのため、中郷小学校と片貝小学校それぞれの下を流れる片貝川の環境調査の視点が明確になった。

 また、常に相手意識をもって活動を進めたため、活動に対する意欲や、自分たちが調べたことを伝えようとする意欲が増した。

 自分たちが知らない上流部を知りたい、下流の様子を伝えたいという気持ちが、児童の学習を活発化させたものと考えられる。

2 平成10年度の成果と課題

 一人一人の児童が、体験学習で得たデータは、世界で一つしかない大変かけがえのないものである。そして、そのデータは、教師の手により与えられたものでも、教科書から与えられたものでもない。自分の足で稼いだものである。

 体験学習で得られたデータをホームページ化し、データを児童が共同利用・活用するとき、児童の心に自分の体験した思い出が強くよみがえるであろう。

 この体験の強い想起は、市販の教材ではなかなか経験できないものである。すなわち、教材を人ごととして考えるのではなく、身近な切実感をもった問題としてとらえることができるのである。

 ネットワークを利用し、地域デジタルデータベースを共同で作ったことにより、他地域の児童との連帯感・共同意識を作り上げた。クラスという枠を超えた学びの共同体を作り上げる上で、地域デジタルデータベースは大きな役割を果たすであろう。

 今後とも川や雪、史跡など地域に関係が深いものを共通のテーマとして、ネットワークを利用した共同調査を村内の小学校と行い、自分たちの住む地域を見つめ直し、デジタル化されたデーターベースを構築する予定である。

 そのような体験学習に裏打ちされた生きた教材(地域デジタルデータベース)は、児童の願いや思いを実現する学習の手助けになるであろう。

3.新100校プロジェクトに参加して

情報教育の中心として、共同調査の提案を行い、村内小学校に協力要請を行った。また、他校にWeb-TVを設置するなどの技術協力も行った。

11月には、新井市頸南地区の視聴覚教育研究大会を本校で主催しコンピュータ・インターネットの教育利用の実践紹介を行った。

100校プロジェクトに参加した4年間で、インターネットが子供たちの学習の道具として定着した。また、いろいろな電子掲示板に自分の意見を書き込む児童が増え、学習機会が教室から外の世界に広がった。


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