○本校ホームページの充実
4年間にわたってホームページを立ち上げてきたおかげで、4年前に比べ現在では容量内容ともに膨らんできた。特に社会科の地域教材「長柄用水の開発」「西山遺跡」に関するデータは、本校児童だけでなく同じ町内の小学校(大海小学校)も利用したいという申し出があり、両校の職員が集まり研修会を行った。残念ながら大海小学校は、まだインターネットに接続されておらず本校のホームページの利用は来年度以降の予定となっている。しかし、この研修会によって互いのコンピュータの環境について共通に理解し合うことができるようになり、来年度は同じプロバイダーに加入しホームページを共有する運びとなった。それに伴う予算措置についても足並みをそろえて教育委員会へお願いすることができた。
○教科
本校のコンピュータ教室は画像の転送を中心とするネットワークは構築されているのだが、どの生徒機からもインターネットにアクセスできるという環境にはなっていない。そのため子どもたち全員がコンピュータ教室で一斉にインターネットにアクセスするといった授業は行うことができなかった。しかし、形態を工夫しながらインターネットを活用した例を下にいくつか挙げる。
・本校ホームページ上の社会科地域教材から資料を収集
3年生−「私たちの町高松」繊維とフルーツの町としての特徴を把握
4年生−「長柄用水」郷土はどのように開発されていったのか用水を例に学習
6年生−「西山遺跡」町内で発見された弥生時代の環合集落の情報を入手
・他のホームページからの情報を学習に役立てる
5年生−「宅配便は今どこに」自分たちの送った荷物の追跡
「自動車工場の見学」バーチャル見学で自動車の製造過程を学ぶ
「伝統工芸」輪島塗の情報を入手し、実際の見学の事前学習に生かす
「環境教育」地球に優しい植物ケナフを調査
6年生−「性教育」エイズの患者数の推移を初めとする最新の資料を収集
○その他
・クラブ活動
○学校から家庭への広まり
学校でインターネットを利用して調べ活動をすると、家庭のコンピュータを用いて授業の続きをしてくる子が見られるようになった。中には自宅のカラープリンタでホームページのハードコピーをとり、次の日学校に持参してくることもあった。きっと親子でインターネットに取り組んだのだろう。コンピュータといった道具を前にして親と子のコミュニケ−ションも促進されたのではないかと想像される。
○旧型になってしまったコンピュータ機器の問題
本校のコンピュータは5年前に11台導入されたものである。さすがにCPUを初めとしてパワー不足は歴然としてきた。OSもWindowsが動くマシンは2台だけであり、しかもWindows3.1である。しかし、リース期間も終わっておらず入れ替えもままならない中、なんとかネットワークで結ばれているという長所を生かすことができないものかと周辺機器の増設に挑戦してみた。
まず、2メガのメモリーに32メガ増設して34メガに、内蔵340メガのハードディスクに2ギガの外付けディスクを増設した。そしてOSをWindows95に変更した。このことによってどのマシンからもインターネットを利用することができるようになった。ただし回線が細いこととOSが遅いため11台全部から一斉にネットサーフィンをするというわけにはいかないが、メールを書いたりする分には十分である。来年度は何台かのマシンをWindows98が動作するものに更新する予定である。
○ホームページの運用について
せっかくホームページを立ち上げていながら外部の人(保護者や地域の方)にあまり見てもらえなかった。本プロジェクトに参加した初年度はインターネットを家庭で利用できる児童はほとんどいなかったが、あれから4年爆発的にコンピュータやインターネットが一般家庭にも普及した。遠くへ発信するする事ばかり考えずにもっと地域に根ざしたホームページづくりを考える転換期にきている。今後はもっと広報活動を行い、保護者を含めた学校関係者に開かれたホームページの内容に改めていきたいと思う。
「ホームページを拝見しました。」というメールを保護者の方から頂いたり、「先生、高松小学校にもホームページがあるんですってね。ぜひ、アドレスを教えてください。」といった声も聞かれたので、これからもっと外部との連携をはかっていきたい。
○コンピュータを使えるようになった教職員が増えた
本プロジェクトに参加することによって他の学校より早くインターネットに日常的に触れることができた。そして通信費を気にすることなくいつでも好きなだけ利用できるといった、当時他では考えられなかった環境のおかげでインターネットを気軽に利用する教職員が多かった。そして自然とインターネットに慣れ親しんでいき、自分で機器を購入し自宅でも利用する教職員が増えた。コンピュータを使える教員を増やすためには、本プロジェクトのように機器だけでなくサポートもしっかりした環境を構築していくことが大切であろう。
3.新100校プロジェクトに参加して
2002年の教育改革を目前に控え、今後もコンピュータを中心とする情報教育が不可欠なことは言うまでもない。高度情報化の社会の海に船出し、21世紀を生きていく子どもたちにとって、コンピュータを自由自在に使い必要な情報を収集したりたくさんの人とのコミュニケーションの道具として役立てたりしていくことは今後ますます重要になってくる。そういった意味からも「100校プロジェクト」という新しい教育を先取りした企画に参加できたことはたいへん貴重な経験になった。
4年間の長きにわたって、インターネットを利用するための快適な環境を提供してくださった関係各位に深く感謝したい。今年度3月をもって接続環境が本校においては大きく変わるわけだが、今後は関係団体、教育委員会や財政当局の方々の理解協力を得てインターネットを初めとする情報教育を学校全体で円滑に進めていけるような教育環境の構築に一層努力していきたいと思う。