<平成10年度の実施報告>

1.インターネット利用状況

 本校のインターネット接続コンピュータは昨年度と同じで、インターネットルーム1
台、職員室2台、コンピュータ室42台となっている。授業中や授業研究、特別活動の
時間など、様々な機会にインターネットが利用されるようになり、職員や生徒にはかな
り身近なものとなっている。

・実践項目1「酸性雨調査プロジェクトへの参加」
 平成8年の11月からプロジェクトに参加させてもらっているが、観測機器の納入の
遅れや、プロジェクトのホームページにアクセツできなかったりして、なかなかデータ
の登録ができない現状でした。それでも、観測したデータが蓄積され、科学部の研究テ
ーマ「酸性雨の清水に与える影響」を本郡市理科研究発表会で発表することができ、見
事最優秀賞を受賞することができた。今後、他の地域との比較も考えて研究を進めてい
こうと計画している。

・実践項目2「授業での利用」
(音楽) 海外の音楽や民俗楽器について、歌舞伎についてなど、インターネットを利
用し、文字や映像を集めてプリントアウトして、発表をした。
(理科) 単元末の自由課題研究で、生徒が面白そうな実験例をインターネットより集
めて、実験の計画に参考とさせた。
(技術・家庭) 個人のホームページや学校のホームページの作成を行っている。個人
のホームページは実際に本校のサーバーに載せる計画はないが、コンピュータ室内で生
徒が互いにホームページを見せ合う授業をした。生徒が学習を通して自分の学校や地域
を見直すと共に、ネチケットを身につけようとする効果も高まった。
 その他の教科でも情報の入手に利用されている。

・実践項目3「メール交換」
 本校には7月まではイギリスから、8月からはカナダからALTが来ている。その家
族や友人の方を中心に、生徒がメール交換を行い、交流を深めている。おもに選択の
「国際理解」、選択の「技術・家庭」で行っているが、外国への興味・関心はかなり高
まっている。また、そのために使う英語の学習にも意欲的になっている。

・実践項目4「修学旅行生徒研修計画」
 本校では4月、東京方面に修学旅行に出かけている。その際、班ごとに企業や事業所
に訪問して研修する内容が含まれている。研修先の決定やコンタクトは自分たちで行う
ことになっているが、住所や電話番号をはじめ、どんなことをやっているかなどの情報
をインターネットを使って入手している。時にはメールで連絡を取り合ったりもするが、
生徒の意欲と関心を高めることに大きく貢献している。

2.平成10年度の成果と課題

 昨年度から学校のコンピュータのほとんどでインターネットができるようになってか
ら、先生方の研究にもインターネットの活用が多くなった。生徒が興味を持つことで、
先生方のほうでもやらなければならないという必要性が生まれてきている。自分のコン
ピュータを購入する先生が増えてきた。まだ、先生方全員が生徒に操作や方法を教える
というところまで研修が深められてはいないが、今後時間の確保などの面から考えてい
かなければならない。
 また、本校では回線が1本しかないので、一人が行っていると他の生徒はそれを待っ
ていなければならない。予算の面からいきなり増やすというわけには行かないので、生
徒の数に見合った数に徐々に近づけていく必要がある。
 昨年度も課題としてあったが、インターネットを情報収集の手段としてのみ考えてし
まい、積極的に情報の発信というところまでは至っていない。インターネットが日常的
なものとなりつつあるので、すべての生徒が自由に他校と交流したり、情報を送受信で
きるような実践研究も深めていきたい。

3.新100校プロジェクトに参加して

 100校プロジェクトが発足した平成6年から4年が経過したが、インターネットの
利用状況は大きく変化した。ごく一部の先生に限られていたのが、ほとんどの生徒や先
生が利用できるようになり、その便利さを改めて感じた。コンピュータの性能や回線速
度の向上もその理由といえる。また、インターネットの教育利用の実践例が蓄積された
ことで、学習の場面で容易に活用できるようになった。本校は今年度で新100校プロ
ジェクトは終了するが、地域プロバイダと契約を結び、今後のインターネットを利用で
きる状態である。理想とするところまではまだまだ研究を進めなければならないが、今
後も地道に取り組んでいきたいと考える。
 4年間、ネットワークを通じてたくさんの方々より頂いた協力、アドバイスは本当に
ありがたいものでした。また、こうした研究の機会を与えていただいた多くの関係者の
皆様に心より感謝申し上げます。


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