新100校プロジェクト 平成10年度実施報告

栃木県高根沢町立阿久津中学校
1.ネットワークの利用状況 (1)校内LANの充実   ・10年度より回線がISDNに変更され、快適な環境が整った。同時に校内LAN    を拡充させ、校舎廊下及び3年生教室に生徒用コンピュータ(計13台)を設置し    た。 (2)生徒のリテラシー向上の手だて   ・新入生のコンピュータ操作能力の向上を図るため、5月に各学級3時間のコンピュ    ータ利用に関する授業を行った。各教科担任とコンピュータ担当によるT・Tでの    展開とした。   ・3年生技術科の情報基礎では、メールソフトを用いて授業を行い、日本語入力の仕    方と同時にネットワーク上でのマナーやエチケットも学習した。 (3)テレビ電話システム利用の交流活動   ・テレビ会議システムを購入して、町内の中学校と常時接続が可能な環境が整った。    共同での行事や会議、生徒会活動が行えるよう現在試験中である。 (4)コンピュータ室の開放   ・昼休み、放課後にコンピュータ室を開放し、生徒が自由に使えるようにした。生徒    会情報委員会の自主的な管理で実施されている。 (5)校内での電子メールの活用   ・3年生を対象に電子メールアカウントの発行を行い、生徒同士、生徒と教師での電    子メールの交換が可能な環境を築いた。相談や意見交換を自由に行うことができる    ようになった。 (6)ホームページの充実   ・学校での出来事や行事を中心にホームページの更新を続けた。学校内の生徒の様子    や出来事を校外に向けて発信した。   ・体育祭等の学校行事のページは生徒会情報委員会が作成した。デジタルカメラでの    写真撮りおよび本文の作成、入力を生徒自らが行った。   ・次年度への引継を考え、ホームページの骨組みを、年度がまたがっても支障のない    内容と10年度分としてまとめられる部分(WHAT'S NEW)とに分けて作成した。   ・技術科では、3年生の選択授業を利用して「阿久津中学校の一日」が体験できるペ    ージを作成した。 (7)校内向けホームページの作成(URL非公開)   ・生徒の顔写真や芸術作品等の個人情報や著作物を掲載できるように、URLを公開    しないページを作成し、より身近な話題が提供できるようにした。ここでは、生徒    の文芸作品等を記録・保存し、授業や諸活動で活用することがねらいである。 (8)授業での利用   ・社会科、数学科、理科、保健体育科では、個人・グループによる調べ学習(課題に    応じた学習)に積極的利用を試みている。英語科では教科書準拠のCD−ROMを    利用し、個別学習の時間を確保した。音楽科では作曲ソフトを用い、生徒による作    曲コンクールへの出品を果たした。 (9)教職員への普及活動   ・校内LANの充実に伴い、教職員のコンピュータ利用率が向上した。職員30名中    25名が個人所有のコンピュータでネットワークへ接続し、文書やプリンタを共有    している。   ・校内向けのホームページ作りを全職員で分担して行った。 2.平成10年度の成果と課題 (1)インターネット接続回線の変更   ・平成10年度からISDN専用線での接続になり、コンピュータ室の40台がフル    に利用しても回線がストップすることがなくなった。これにより、コンピュータを    使った調べ学習がスムーズに行え、生徒の取り組みがより意欲的になった。また、    教師が授業研究にインターネットを利用する機会が増えた。 (2)LAN環境の充実   ・どの教室でもインターネットに接続できるよう、ケーブルの設置を行った。3年生    の教室にはそれぞれ1台を設置、オープンスペースで利用できるコンピュータは全    部で13台になった。   ・職員室内の事務用コンピュータには共用文書のフォルダーを作り、各々が作った文    書や図表等を保存し、誰もがいつでも資料を引き出せるようにした。これで事務的    な作業の効率化を図ることができた。   ・成績処理用データ等の個人情報が漏れないように、教師サイドで「セキュリティ」    の維持・管理に努めなければならない。教師の意識レベルを高める手だては必要で    ある。 (3)ホームページの充実・活用   ・校内の様々な出来事に目を向け、ホームページの更新を行ってきた。今後も学校全    体の取り組みとして、広報役としてホームページの充実と活用を図らなければなら    ない。   ・インターネットは校内ネットワークの延長線上にある物としての考え方を基本とし    て、授業においてCD−ROMや校内ホームページの活用を始めた。   ・校内向けホームページは、生徒の諸活動の記録・公開の場として、意味のあるペー    ジになった。作る側も見る側も楽しく気楽に扱えることから、今後も充実させてい    きたい。今年度は本文の入力を全教員で行った。 (4)生徒用メールアカウントの発行   ・3年生全員にメールアカウントの発行を行った。教師と生徒がメールを交換できる    ようになり、「先生が身近になった」と好評であるが、メールの設定に手間がかか    るため、個人の設定があるコンピュータ室まで出向かないと利用しにくい点に不便    さが残る。 (5)ネチケットやモラルの指導   ・ネットワーク利用に関して生徒の自由度が増した分、個人のモラルが問われる局面    が発生した。学校として個人のモラル向上を図る手だてを講じる必要がある。現時    点では、技術科および視聴覚部が指導的立場での実践となっているが、学校全体と    して、交通指導レベルでの日常的な取り組みが必要となるであろう。 3.新100校プロジェクトに参加して   ・このプロジェクトの魅力は、さまざまな角度からの実践を通して新しい考え方や機    器の導入を模索するという点であり、教育効果やねらいの達成度に気を取られがち    な学校現場においてとても新鮮で、全国各地の先進校の実践が私たちに夢や希望を    与えてくれた。常に先進的な取り組みを実践する学校があることは頼もしい限りで    あった。私たちも県内では先進校と呼ばれる以上、同じように良い見本となるよう、    新しいことに積極的に取り組んでいきたいと思う。

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