木更津市立清川中学校

 

○ネットワークの利用状況

〈官庁の役割を調べよう・その他〉 (中学3年生 社会科 公民的分野)
 各省庁のWeb Pageを活用し、その仕事内容、組織についての調査学習を3学年の社会
 科の授業の中で展開。機器の拡充とともに、本年度は専用線の充実という環境で実施す
 ることができた。
  昨年から継続的にネットワークを使用しての調査学習をやっているため、調査の深化
 が図られ、また一層の興味・関心を換気できたように感じられる。
  この学習で得た経験を元に、その後の各学習課題に対して「調べてみよう」という意
 見もさらに多くなった。裁判制度に関する学習では、最高裁判所の資料を活用すること
 により、行政・立法・司法の仕組みを積極的に学習した。
 
〈 Unit 2 シンガポール〉 (中学2年生 英語科 )
  2年生の題材では「世界に目を向ける」が柱になっており、シンガポールに焦点をあ
 てて、調査学習を展開。同国は多民族国家であり、人種・言語・生活習慣について多様
 な生活様式を漢字とることができた。日本語のサイトが中心であったが、部分的に英語
 や中国語(参考)についても参照している。
 
〈修学旅行の計画を立てよう〉 (中学3年 学級活動)
  3年生の5月に実施している福島県会津若松地方への修学旅行での班別研修の計画立
 案に際して、会津大学等のWeb pageを参照し、見学場所の選定や順路決定などの参考
 とさせた。また、同時期実施した2年生の宿泊研修(栃木県日光市方面)や1年生の校
 外学習(千葉市幕張)に関しても事前学習やしおり作りや職員による事前調査に活用す
 ることができた。
 
〈ケナフの栽培をしよう〉 (中学3年 技術・家庭科)
  ケナフは、主に東南アジア・中国で栽培されているアオイ科植物の一種である。約5
 ヵ月で成長し、その過程で多くのCO2 を吸収する。またケナフのチップからパルプ
 を作り出すこともできる。近年では「環境にやさしい植物」として内外から注目を集め
 ている。そこでケナフ自身に関する情報とともに紙すきの情報を入手し、栽培および紙
 すきにチャレンジしようとした。
 
〈地域への公開〉
 本市の公民館主催事業として行なわれた「コンピュータ教室」も2年目を迎えた。本年
 度は主にインターネットの概要で、学校での活用方法を紹介。また保護者の方や卒業生
 よりホームページを見たとのメールをいただいている。
 
〈職員研修会〉
  本校の職員対象の研修会が数回行なわれた。本年度は授業での実際の活用方法の検討
 および、メールの利用方法を中心に実施した。また、本市の教職員対象のコンピュータ
 利用講座(主催:市教委)においてもインターネットの概要、学校現場での活用方法、
 実際の授業の様子、簡単操作方法などの講習を実施。さらにはこれまでの活動の成果を
 生かし、本市に於けるイントラネットの導入にともなうルールや使用規定などの研修を
 市教育委員会の指導を受けながら実施している。 
 
〈GLOBEプロジェクトへの参加〉
  科学部の生徒が中心の地球観測プログラム(GLOBEプロジェクト)に参加。現在
 測定機器の整備も終わり、気温・水質・雲・降水量など多くの測定に参加。理科の授業
 などでも得られたデータの活用をしている。また科学部はケナフの栽培(共同プロジェ
 クト)にも参加していた。なお、GLOBEプロジェクトの活動は継続する予定である。

 

○平成10年度の成果と課題 

  昨年度に学習用コンピュータの増設(ノート型パソコン14台・Windows95機)が
 行なわれ、本校の規模ではほぼ生徒ひとりに1台の端末という環境が整備された。
  また、生徒自身のスキルの向上に伴い、調査学習など自らの興味・関心、理解度に合
 わせて意欲的な取り組みが多く見られるようになった。さらには回線の整備もすすみ、
 これまでよりはかなり、ストレスなく利用できるようになったため、さらには学習に活
 用できうるコンテンツも増え、授業での使い勝手も大幅に向上し、授業の中で定期的に
 活用する職員も増え、生徒がインターネットに触れる機会が大幅に増えた。
  また本年度は市イントラネットの拡充もあり、図書室に14台分のノートパソコンを
 移動できる状態になった。そのためコンピュータ室の調査学習に加えて、ノートパソコ
 ンを移動させることにより、図書室で従来の書籍による調査とあわせて幅広い調査を展
 開することが可能になった。
  また、メールやweb pagesを活用して他の中学校との交流も行なってきたが、情報発
 信という面では、かならずしも思うように活用できたとは言えない。その要因を考え
 てみると、以下のようになる。
 
 一、電子メールについて
    (1) 日常的な利用場面の設定が現在の教育課程の中では難しいこと。
      〜相手のあることなので、本校の都合だけでは動きにくいため〜
    (2) 同一の端末を複数の生徒が使用するという状況であること。
      〜マルチアカウント対応で、不完全ながらもある程度プライバシー性のある
       るメールソフトが必要である〜
 
 二、web pageの作成について
    (1) 作成環境の整備の問題
    (2) 個人情報保護の問題
 
 などであろうと考えられる。また共通した要因として「言語の壁」もある面で存在して
 いるように思われる。
  本年度本市では、市内中学校のネットワーク化(木更津市学校教育イントラネット)
 が完成したために多面な環境で、学習に望むことができた。また今後、財政的な面や技
 術的な面でさまざまなサポートがされると思われるが、同時に人的な環境の整備の必要
 性を強く感じた。中学校の場合、割合職員の定期異動のインターバルが早いために、定
 期異動の時期に堪能な担当者がいなくなるケースもでてくる。「扱える職員」「指導で

 きる職員」「管理できる職員」の養成が急務であると、本年度は切実に感じた。

 

  ○プロジェクトに参加して
  
  市教委主催の教職員研修や公民館主催のコンピュータ公開講座での会場校になる機会
 があり、通常のネットワークを使用しての学習とは違った形で多方面に関わることがで
 きた。また本プロジェクトが縁で始まった地球環境プログラム・GLOBEが軌道に乗
 っている。この基本的な活動は定期的な観測データをインターネットを通じて送信して
 いくことである。そのある部分が本プロジェクトによるところであるのは、実に喜ばし
 いことである。
  また本市に於いても平成10年12月に市内中学校のネットワークが発足したことは
 すでに触れたが、制度化・円滑化をはかるために現在利用規定を作成している最中であ
 る。本校の過去の取り組みや積み重ねを先進校として他に還元していく時期であるかも
 しれない。さまざまな機関の支援のもとに行なわれてきた活動であったが、次年度から
 は地方自治体へ新しいネットワークにスムースに移行できることが予想される。これま
 での貴重な積み上げを崩すことなく、市教委や近隣校との連携をはかり、ネットワーク

 活動を発展させて行きたいと考えている。


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