慶應義塾中等部
1.インターネット利用状況 ○新入生を対象にインターネットについての講義 ここ数年の試みとして新1年生に対し、特別に時間(2時間)を設けてインターネッ トの概略およびネットワークを利用する上でのエチケットについて説明し、実際に ブラウザを利用してネットサーフィンのしかたおよびサーチエンジンを利用した情 報の検索方法についての講義および実習を行った。 ○昼休みおよび放課後の開放 授業時間以外に生徒が自由にインターネットを利用できるように週3日、昼休みと 放課後にインターネットに接続されているコンピュータのある教室(施錠可能)を 開放している。ただし、生徒のみでの利用にはモラルの面や利用する技術の面での 不安が残るため担当者を配置し、さらに利用者ノートへ利用時間・利用内容などに ついて記入させ利用させている。 ○ホームページ作成の授業 2年生技術・家庭科においてWWWについての解説およびHTMLを用いてホーム ページの作成を行った。実際に生徒の作成したホームページを公開してはいない。 2.平成10年度の成果と問題点 ○活用方法 ・ホームページをWeb 上に公開するための技術を持っている教員が限られている状況 においてはやはり担当教員の負担が大きい。そこで今年度は全教員とまではいかな いが少しずつでもということでUNIX、HTML、FTP、および画像データのフォーマット などについて必要最小限の講習会を教員を対象に試みた。(講習会といっても生徒 が下校した後に教員室で数人の教員が集まってといったものである) ・全教員にメールアカウントを配布し、メールソフトの利用のしかた、パスワードな どに関するセキュリティーについて講習会を行った。やりとりする相手がいないと なかなか電子メールの便利さなどを実感できないことが多いが(講習会などでは身 近なところで済ませてしまうために「実際に顔をあわせている教員どうしでなぜ必 要か」との疑問はその通りで講習会も一工夫が必要であると実感)、幸いなことに 大学までの一貫教育校であるため卒業生(大学生および社会人)と頻繁にやりとり ができるため教員の利用が盛んになっている。さらに教員間のメーリングリストを 実験的に作成し、体験してもらい教員・生徒間や生徒どうしでの有効利用について 検討をしている。 ○教育効果 ・生徒のレポート作成において参考文献にURLの記述が増加しており、情報収集の1 手段として定着しつつある。ただし、有効な情報が得られているか、またその情報 の信用性についての能力が身についているかは確認しがたい。 3.新100校プロジェクトに参加して 今年度も新100校プロジェクトが重点課題とする企画の立案および実施という面におい てこれといった成果があげられていない。主たる原因は当校内でのサポート体制の不十分 さがあげられよう。ただ、前述のように機器の拡充、および利用できる教室の増加、さら に教職員・生徒のインターネット・リテラシーが向上した1年であった。100校プロジェ クトがスタートした頃にあったインターネットに対するさまざまな疑問がプロジェクトに 参加したこの数年の間に全てとは言えないまでもそのほとんどがいつのまにか解消され、 インターネットが浸透している。もちろん世の中の流れもあるだろうが、各教員それぞれ の研修が成果をあげてきているといえるのではないだろうか。今後は、いかに実際の教育 の現場に取り入れるかであろう。次年度には普通教室でのインターネット利用が可能とな り重点企画といったプロジェクトに限らず教員の自由な発想での利用が行われるであろう と思われる。ホームページへ