新100校プロジェクト 平成10年度実施報告


慶應義塾普通部  


1 インターネット利用状況

・実施項目1  数学における多解問題 主催校 慶應義塾普通部 担当 荒川 昭
 「数学における多解問題」を3年間のプロジェクトとして継続して主催校として取り組んでいる。本年度の新規企画は問題の入れ替えを行い、掲示板の運用やCGIを普通部での運用を始めたことである。普通部生の1年生約230名で取り組んだ1999で数を作るなど
詳しくは数学における多解問題参照してください。 また、平成10年度成果発表会 中学部会で3月4日に発表された。

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・実施項目2  教育用レイティングシステムの運用実験 参加
教育にインターネットが利用されるとき、情報が氾濫しているだけに、有害情報なども生徒が見てしまう可能性がある。倫理教育も大切であるが、有害情報を見せないようなシステムの構築も必要で、本校コンピュータ教室50台にフィルタリングソフトをインストールして実験に参加した。 今年度はプロキシーサーバー型のフィルタリングについてや、レイティング基準を学校、教科などでかえることを検討している。

・実施項目3  NTTプロジェクト CALAT (NTT)
普通部の伝統的な行事に労作展がある。労作展は1年間かけて自分が興味を持てることを研究し、発表する場である。この取り組みをNTTのCALATを使い、インターネット上で公開してインタラクティブな取り組みをするプロジェクト。詳細はこちら

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・実施項目4  中学1・2年生 週1時間コンピュータの授業でのインターネット利用
                  実践教諭 宮内 完二・荒川 昭 講師 勝田 喜久子
普通部ならでは、教員2名とパソコンインストラクターで行うコンピュータ授業 施設はWIN95で、センターモニター、プロジェクターなど配備、校内LAN,教室内LANを構築、インターネット環境は1.5Mの専用線接続。Word97、Execel97,パワーポイント他,インターネット倫理教育、ネチケット、メールから、ネットサーフィンなど

 

・実施項目5  中学1・2年生 週1時間コンピュータの授業で既存データベース活用実験
                実践教諭 宮内 完二・荒川 昭 講師 勝田 喜久子
課題を提示してインターネットの利用と既存データベースとして日経新聞のデータベースを利用した。yahooやgooなどと日経のデータベースを利用して次の事を調べ,サーチエンジンとデータベースの利用をおこなった。具体的な課題は1.インターネットの利用の注意点 2.今年の大リーグでホームランの新記録がでましたが,人名、場所、日時 3.向井千秋さんが2度宇宙へ行きました。2度の出発日時と帰還の日時 4.蝶のホームページを他の人に紹介する 5.地球の環境についてのホームページを探す。

 

・実施項目6 数学科 荒川 昭
数学科授業で、サーチエンジン(yahoo Japan)を利用して、中学校数学科対象のWEBを検索、検索後問題を解き、解答を登録もしくは、解法についての検討を行う.また楽しいWEBをクラスで紹介する。 

・実施項目7  中学3年選択 週2時間 選択授業「Webページを作る」
 実践教諭 跡部 智 講師 柳沢 富夫 鈴木 二正 

生徒達は、2人または3人のチームで、ThinkQuest@Japanという教材webページ製作コンクールを目指して「Webページ作り」に取り組んだ。

suisei.jpg (87736 バイト)授業内容 ・ThinkQuestの概要と授業の進め方概説、MS Wordで自己紹介ページを作成 ・ハイパーリンク作成、ページ背景の設定。・自己紹介ページのHTML化。ブラウザーによるソース表示。・メモ帳を利用したHTMLタグの仕組み解説。・FrontPage Editorで自己紹介ページを作成。表、リストの作成。デジタルカメラで顔写真撮影・自己紹介ページの作成、修正。画像ファイル形式の概説。・自己紹介ページの作成,修正ThinkQuestへの意識付けとテーマ選択の注意事項確認。・ThinkQuestの概説。再確認。テーマ選択とグループ候補の意識付け。・自己紹介ページの発表と採点。グループ決定とリーダー決定。・Think Quest向けグループ確認と登録準備・メールの使い方とThink Questグループ登録ThinkQuest@Japanへの登録確認とグループ別指導

2 平成10年度の成果と課題

・活用方法 教育効果 リテラシー その他など
今年度は新聞記事データベースの検索などやサーチエンジンなどを利用する授業を行った。教員のメールの利用、ネットサーフィンでのWEBの利用などは昨年度以上に浸透し、リテラシーはだいぶ向上した。生徒のインターネット利用について段階的に取り組んでおり、webのネットサーフィンとメールの使い方をコンピュータの授業で取り組んだ。生徒は選択の授業でwebページを作る体験などをしている。先生方は授業の情報としてのインターネット活用まで行っているので、教科実践としての授業の活用をさらに期待したい。インターネットができる環境が自宅にある生徒はクラスで4名からは8名ぐらいである。インターネット利用は生徒がとても待ち望んでおり,生徒は能動的,積極的に取り組んでいる。今年度はCGIなどに挑戦してみているが、WEBサーバーの運用,生徒対象のメールのアカウントなどの登録作業などが大変である。また、インターネット接続の不具合が生じたときは復旧がかなり難しい。生徒は自由にWEBをみたりする技術があり,かなり身についている。
インターネットなどを自由に使わせる。(学校として解放する)にはセキュリティ、管理などさまざまな要因があるがまだ完全にクリアされていない。

3 新100校プロジェクトに参加して


100校プロジェクトから参加しているが、今年度は少し落ち着いて活動ができた。昨年度までは、初めてのことが多く一つ一つわからないことが多く、解決するのにとても時間がかかった。今年も新しいことに取り組んでいるが、ノウハウ、知識が増えてきた。また、一斉授業の中での授業でも教材としてインターネットを利用する事例も増えているので,今後教科でのインターネット活用にむけてさらに積極的に努力したい。

4 バーチャル 勞作展

勞作展覧会作品をデジタル映像化する試み)労作展委員長 太田 弘

昨年度の平成9年度より慶應義塾とNTT(日本電信電話会社)は、インターネットに代表される情報通信ネットワーク技術を活用した教育環境基盤を整備する共同研究を行っています。この共同研究は、慶應義塾の各一貫教育校間で様々なマルチメディア教材を作成し相互に活用したり、生徒間での意見交換や学習成果交換などを実施する実験です。これは、近く訪れるサイバー(情報・通信)社会への試作として、国際化、情報化に対応できる教育環境の実現を目指して行くことを目的にした研究プロジェクトです。すでに、テレ・メディア(医学分野)での試行から始まり、アメリカにある慶應義塾ニューヨーク学院(高等部)と衛星回線で国内一貫教育校とを結び、テレ・エデュケーション(教育分野)と命名し、その研究分野を増やしてきたものです。

普通部においては、従来からNTTがこの研究分野で進めているCALAT(分散型知的CAIシステム)を用いた情報リテラシー教育に加えて、新たにこの塾内ネットワークを用いて、様々な一貫教育校の学校行事等での利用を提案してきました。その一つがこの「バーチャル勞作展」の実験です。

普通部の「勞作展」は今年で七十回目を迎える伝統ある「勞作教育」の精神を受け継いでいる大切な行事です。ここに、新しい時代の流れであるコンピュータ技術を結びつけ、これからの社会の情報化に対応した局面を「勞作展」に付加しようと言うのがこの実験です。 今回、サイバー上の空間で普通部の「勞作展」を作り、仮想見学ができるようと昨年度から「勞作展」の普通部生の作品を中心にデジタル映像で取り込む作業を実施してき来ています。将来は手元にパーソナル・コンピュータさえあれば、インターネットを通じて、世界のどこからでも自由に「「バーチャル勞作展」が見学できることになります。実際に9月の普通部を訪問し,「勞作展」を訪問しなくてもこの「バーチャル勞作展」で,普通部生の力品の多くを鑑賞することができることになります。

昨年度はNTTのこの共同プロジェクトの窓口にあたる三鷹にある情報通信研究所のスタッフを中心にすべての「賞」を受けた作品をデジタル静止画像での取り込み、また、「特別展示」となったなかでいくつかの作品とその製作者のインタビューなどの動画での取り込みを行い、CD-ROMにまとめて「勞作展」のデジタル情報で保存されています。本年度は,昨年度にすでに作られたフォーマット上で普通部生自信が映像の取り込み・編集を行うと言う、少しずつではあるが、生徒諸君がつくる「バーチャル勞作展」づくりをめざしました。来年度以降の「バーチャル勞作展」の将来計画は、「バーチャル勞作展」を普通部のインターネット・ホームページ・サーバーに取りこみ、まずは塾内キャンパスネットワーク上でのみ公開することを検討中しています。さらには「バーチャル勞作展 CD―ROM」として普通部生及び関係者への配布する計画を進めています。一般に公開するまでには、取り込まれた映像に生徒諸君の個人情報も多く含まれる部分もあって、さらに時間を掛けた検討を継続して実施する必要があると考えています。

 

 

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最終更新日 1999年03月01日
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