新100校プロジェクト 平成10年度実施報告


南山国際高等学校・南山国際中学校



  1. インターネット利用状況

    ・授業での実践

    (1)電子メールを利用した他校との交流
     昨年度に引き続き今年度も「連歌プロジェクト」を行いました。本校の高校2年生と神奈川県の慶應湘南藤沢高校の1年生で5〜7名ほどのグループを作り、その中で「五・七・五」と「七・七」を適当な順番で付けていくというものでした(早稲田本庄高校も途中から参加)。それぞれのグループを構成する人間の個性によって、恋愛、クリスマス、授業、部活、進路、横浜ベイスターズ、中日ドラゴンズ、流星群、日常のささいな出来事など内容は様々なものとなり、非常に興味深いものでした。このプロジェクトの面白いところは、一人で作る短歌とは違い、次の句を別の人間が書くことによって、意外な方向へと分岐していくという点でしょう。ちょうどこのプロジェクトの時期に宇宙から向井千秋さんの「宿題」が出されました。「連歌プロジェクト」に取り組んでいる生徒の中にもインターネット上でこの宿題に応募したものがいたようです。生徒は、今回のプロジェクトを通じて日本の文化を身近に感じることができるようになったのではないでしょうか。
     このプロジェクトは週1時間の授業の中で行われたものです。学校行事の関係でメール交換がスムーズに行かない時期もあり、その点の改善を来年度以降はからなければなりません。また慶應湘南藤沢高校との交流は4年目を過ぎましたが、電子メールを利用したより興味深い企画を提案していこうと考えています。
    (2)ホームページの作成
     今年度は中学2年生、中学3年生、高校2年生、高校3年生でホームページの作成を行いました。
     中3では2泊旅行(いわゆる修学旅行)をテーマにして、旅行先(広島、岡山、香川方面)の情報、例えば原爆資料館、厳島神社、倉敷の町並み、瀬戸大橋、各地のおみやげなどを班別に調べ、ホームページにまとめました。ホームページで情報を検索する、自分たちのホームページに別のホームページの情報を掲載する場合に相手方に電子メールで確認をとるなど、調査の段階で十分にインターネットを活用することができました。  高校3年生の選択授業では、「今、一番知りたいこと」をグループ別に決定し、本などの資料、ホームページ検索を利用して調べ、調査内容を本校のホームページ上に公表しました。テーマは環境ホルモン、パソコンの歴史、頭痛、ミュージカル、紅茶、香りと多岐に渡りました。
     ホームページ作成の授業において、ホームページの作り方については授業として定着してきましたが、その表現内容、表現目的、著作権の問題などホームページ作成の最も本質的な問題をどのようにとりあげていくか、その点を今後研究していきたいです。
    (3)教材資料としての利用
     コンピュータ担当教員以外にもインターネット利用が当たり前となってきました。職員室のコンピュータでWWWの検索を行い、教材資料として利用する教員が、教科を問わず増えてきたようです。新しい時代の教育を目前に控えて、教員一人一人がコンピュータ、インターネットに関心を持つようになったのではと思われます。


    ・重点企画への参加

    (1)アジア高校生プロジェクト
     今年度は準備段階ではあまり協力できませんでしたが、プロジェクト当日に通訳等の役割で数名の生徒が参加しました。来年度も本校の特色を生かした協力ができればと考えています。
    (2)酸性雨プロジェクト
     エコロジー研究部がこのプロジェクトに一昨年度から参加し、今年度はその調査結果をまとめました。


    ・課外活動での利用

     部活動単位では、エコロジー研究部の酸性雨プロジェクトへの参加がありました。また一般の多くの生徒が、昼休み、放課後にメディアセンターのコンピュータを利用して、ホームページにアクセスしたり、電子メールを出す様子も身近なものとなりました。進路を決定する際の情報源としてインターネットを利用する生徒も多いようです。生徒にとって自由にインターネットを利用できる環境は大変良いものですが、ネットワーク犯罪に巻き込まれることのないように、インターネット利用のルール、マナーを今まで以上に指導していかなければなりません。


    ・その他

     本校の教員が他校の教員との連絡手段として電子メールを利用することも定着してきました。また本校は海外帰国子女の受け入れ校ですが、海外でホームページを御覧になった方から編入学などの問い合わせを電子メールで受けることが増えてきました。その様な点からもホームページの内容を来年度はさらに充実させていかなければなりません。

  2. これからの課題
     授業での利用に関してこれまでの実践を充実させるとともに、本校が海外帰国子女受け入れ校であることを生かして、さらに交流の輪を海外に広げていきたいと考えています。実践する教員の積極性、計画性、また他の教員との協力がなければ実行に移すことは難しいと思われますが、100校プロジェクトの様々な実践を参考にすれば実現できないことはないでしょう。
     生徒が使用するコンピュータは6年前に導入されたものです(CPU:intel 486、25MHz、OS:Windows3.1)。電子メール利用には問題ありませんが、WWWのブラウザの起動、ホームページの検索などにかなりの時間がかかり、生徒が快適に利用することができません。コンピュータの交換しか方法はありませんが、このようなご時世ですからなかなか簡単には事が運びません。限られた条件の中でインターネットの教育利用実践を積み重ねることが新たな道を築くと信じて、試行錯誤していかなければなりません。

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