1998年度新100校プロジェクト活動報告 同志社国際中学校・高等学校

 1998年度は本校コミュニケーションセンターが開館して半年が経過した後の年度で、本格的稼動が開始した意義ある一年間であった。今年度は、個々のプロジェクトだけではなく、本校での情報教育を担当するコミュニケーション部の働きも含めて、報告をしておく。

ネットワーク利用状況と成果

1. 多教科にわたる展開

コミュニケーションセンターが使用される授業が多教科にわたってきた。問題解決型学習やさまざまなメディアを用いたリサーチ・意見構築・プレゼンテーションとしての意見発表というメソッドが、少しずつ学校全体にひろがりつつある。今年度5度おこなわれた教職員ワークショップをコミュニケーション部が重視している結果でもあると思われる。このワークショップを通して、情報教育を担当するコミュニケーション部では教育について考える機会を提供する役目も担っている。以下は今年度実施した教職員ワークショップの概要である。
@データベース紹介 Encarta・Bookshelf・本校図書データベースMomo
 希望者にパワーポイント実習
Aプロジェクト型授業の実践報告
B効果的なリサーチスキルの習得 グループによるリサーチ
C山根一眞氏ビデオ視聴
D山根一眞氏ワークショップ

ネットワーク活用事例―――個々の授業の詳細については、それぞれのリンク参照。

1. 中学2年生英語Sクラス 戦争体験を共有するinterviewプロジェクト
2. 中学2年生長崎事前学習 事前研修のリサーチをさまざななメディアを通じてリサーチし、冊子を作成した。
3. 中学3年生長崎事後学習 中学2年生で実施した長崎研修旅行の事後学習を
4. 中学3年生経済の絵本(Easy Economics)プロジェクト―経済用語をわかりやすく説明するため絵本を製作、画像をスキャナーで取り込み、Web上で閲覧可能にした。英語科の授業も協力・ニカ国語で読めるようにした。
5. 中学2年生英語Gクラス オランダ・ドイツとのEmailプロジェクト
6. 中学3年生英語G選択クラス オランダとのEmailプロジェクト
7. 高校1年生英語SBクラス Country Project いろいろな国について各自がリサーチを行い発表する。
8. 高校2年生英語選択Me&Mediaクラス 
9. 高校2年生英語SAクラス講読さまざまなプロジェクトワーク
10.高校2年生英語SBクラス講読さまざまなプロジェクトワーク
11.高校2年生聖書 沖縄研修旅行準備に伴う沖縄に関する発表
12.高校1年生聖書M(小)クラス プロジェクトワーク 
13.高校1年生英語Gクラス作文 ネットワークを利用したライティング指導
14.高校2年生英語Gクラス作文 ネットワークを利用したライティング指導
15.高校3年生英語Gクラス作文 Final Work製作(グループによる卒業作品3000語程度)
16.高校3年生英語SAクラスプロジェクト さまざまなプロジェクトワーク
17.高校1年生英語SAクラス 3カ国の幼稚園の比較プロジェクト

2. 高校1年生必修科目(Communication&Media)新設

 本年度からの高校新入学生カリキュラムにおける新科目として設置されたCM(Communication&Media)クラスは、コミュニケーション部の教員2名(Hillel N.Weintraub ・中川好幸)が担当し、司書2名(河西由美子・戸田久美子)の協力を得て内容検討を行い・実際の授業も4人の協力体制で行っている。特にこのクラスの意図として強調しておきたいことは、コンピューター操作のみを目的とするクラスではないということである。コンピューターは数多くあるメディアの一つであること、その利用を通じて、情報とは?メディアとは?コミュニケーションとは?学びとは?ということを一人一人が考えていくクラスである。
クラスの目標としては次にあげるものである。
     ・ コミュニケーションセンターの活用
     ・ 情報とは何かに関する考察
     ・ メディアリタラシーの確立
     ・ 情報倫理(ネチケット)への理解
     ・ コミュニケーション能力の育成
     ・ 学習の意味についての考察
このクラスのもたらす学習効果については2年間をめどに研究を行う予定である。
1998年度カリキュラム

学習内容

目  標
一学期

1. グループ作り
2. emailを用いたゲーム
3. 図書データベースMomo・OPAC・目録カードを用いたコミュニケーションセンター蔵書への検索
4. WWWでのキーワード検索

5. 各グループごとに与えられたトピックで、適切なメディアでのリサーチ

6. リサーチテーマの絞込みと、情報への分析

7. 5・6に対するグループによる発表(プレゼンテーション)
8. 1学期の活動に対する自己評価 ・他者との関わりを通してコミュニケーションを考える

コンピューターの基本的操作の習得
・email機能の理解
・ローカルデータ(図書)の検索への理解
・リサーチ技術の基礎

・サーチエンジンへの理解
・and/or検索の習得

・各メディアから得られる情報の質について考察し、どのような情報をどのようなメディアで得たらよいのかを理解すること。

・トピックに対する問題意識の拡大
・グループワークによる発想の拡大
・プレゼンテーション技術入門
・よいプレゼンテーションとは何かを考える

二学期

1. Learning Project
2. Groupホームページ作成
グループのホームページにのせる内容としてはプロジェクトへの目標・リサーチの方法またその過程の記録が含まれる

また、グループ内外の情報交換によりパーソナルなメディアを通じてのリサーチも行う。

・学びの意味について考える
・PageMillを使用してのHTML言語の初歩―――ハイパーリンクへの理解
・デジタルカメラ/グラフィックソフトを用いての画像処理入門

・プレゼンテーションのためのソフトウエア(Word・Powerポイント)またビデオ・Multi Media Wagon等のハードウエアの使用法について習得する

・リサーチテクニックの向上

・どのようなメディアを用いてのリサーチが有効かの検証を行う

・グループワークによる学びでの発想の広がり。

・インターネット上に公開する情報に関する情報倫理・著作権等に関して理解する。

三学期

2学期からのLearning Projectを継続

1年間を通しての自己評価

・効果的プレゼンテーションの実践

・学びへの検証


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