新100校プロジェクト 平成10年度実施報告

青森県立青森工業高等学校
1.インターネット利用状況
 
(1)講習/講座
 ・学校公開講座 
	  社会人、学生、児童、生徒など、年齢/職業を問わず広く一般から受講者を募り、
	本校情報技術科1年生8名を助手としてコンピュータ入門、WWWブラウザ利用講座
	コンピュータ音楽講座を行った。開催が9月中の6日間であったにもかかわらず、講
	座の内容が「コンピュータ・インターネット利用初心者」向けに限定したため、20
	名ほどの募集人員がすぐに満員となった。
      	コンピュータの基本的な操作の学習にはじまり、インターネット、HTML、WWW
	ブラウザ、メールなどの基礎的なネットワーク利用に関する説明、実際の操作、受講
	者による作品作成の補助など講座に関わる進行の補助を生徒が行った。事実上の講師
	が高校生であるということで終始、和やかなリラックスした雰囲気で行われ、「もっ
	とこういう講座をやってほしい。」「今時の高校生とこういう形で交流できることが
	うれしかった。」「もっと詳しく知りたいので続きをやってほしい」「高校生を見直
	した」などの意見をいただいた。補助をしてくれた生徒自身にとっては、いろいろな
	年齢層の人たちとふれあい、そして自分たちの知識を活かす事ができたという事実が
	大きな収穫であった。

 ・小教研音楽部会研修会
	 小教研音楽部会研修会が本校で行われ、以下の項目について講習した。
		1、コンピュータ利用基礎としてのWindows95
		2、教材情報検索としてのインターネット利用
		3、教材としてのMIDI対応音楽アプリケーション利用
	Win95講習ではコンピュータを利用する際に必要な、ファイル操作、文書作成、
	各種アプリケーション間のデータ共有/利用法など基礎的/実践的講習内容とした。
	インターネット利用講習では、クラッシック音楽のデータを提供しているアメリカの
	サイトからMIDIデータをダンウンロードすることを例にしてインターネットで提
	供されている教材の検索法、取得方法を講習した。また各教育機関がサービスを行っ
	ているサイトへのアクセスも行った。音楽アプリケーション利用講習では、MIDI
	規格の説明、コンピュータ利用音楽の現状説明を行い、授業で利用するための一例と
	して音楽ソフトを使用した作曲、楽譜打ち込み、音づくりなどを行った。また参加者
	が作成したMIDIデータを本校ホームページにリンクし公開した。
  
  ・文化祭、体験入学におけるインターネット体験学習
	  平成10年度文化祭、中学生体験入学において、中学生を対象にホームページ作成、
	WWWブラウザ利用講習を行った。生徒を講師として、インターネットの概要、ネ
	ットワーク技術の簡単な説明を行い、実際にHTMLによるホームページ作成を行
	い、各自の作品は一定期間本校サーバの管理下に置かれ本校ホームページにリンク
        した。

(2)各種フェア、イベント、対外活動
  ・青森県高等学校工業科部会情報教育分科会(青森)
 	 情報教育分科会で行われた、学校としてインターネットをどのような形でに取り
	込むか、どのような利用形態をとるかなどの協議にに対して、本校の利用状況、生
	徒の反応、設備問題、倫理観、校内情報システムとしての利用などを挙げて、実際
	に導入している立場から発表した。

 ・県立浪岡養護学校とのメール交換
	 生徒の活動として浪岡養護学校の生徒とのメール交換を行い交流を深めることが
	できた。

 ・外部から依頼されたホームページの作成
	 青森県庁地域振興課及び市内企業よりホームページの作成依頼を受け、生徒が作
	成にあたり好評を得ている。また、ホームページの構成、今後の方向性についても
	担当生徒からの提言をもらうという形で現在も進行中である。


2.平成10年度の成果と課題

(1)実習でのインターネット利用
	 これまで実習におけるインターネット利用に関しては情報収集、アプリケーショ
	ン利用技術にとどまっていたが、今年度よりPCの組み立て設定実習を基盤にし、
	LAN構築、インターネット接続設定、プライベートWWWサーバー立ち上げ等を
	行うようになった。

(2)OCNスクールパック導入
	 新100校プロジェクトで得た知識、技術をもとにOCNスクールパックを情報
	技術基礎の学習設備として導入した。また校内LANとの接続による学校の正式な
	設備としてのインターネット接続環境構築を目指している。

(3)生徒のリテラシーの向上
	 インターネットの利用が常時可能なため、メールの利用、情報検索等を通してコ
	ンピュータに触れる機会が格段に増加した。よってコンピュータを使うためのコン
	ピュータ学習ではなく、ある目的を持ったコンピュータ利用ということが日常的に
	行われてきている。これはインターネットを利用するということにとどまらずコン
	ピュータに関する一連の学習活動においてよい効果をもたらしている。

(4)T1回線(光通信回線1.5Mbps)によるインターネット接続
	 新100プロジェクト終了にともない新しい接続先と回線への移行が必要になっ
	た。本校は、光通信回線1.5Mbpsの導入を行い、サーバー、LANなどの再構築を
	行った。100校プロジェクトへの参加によって得られた情報と知識、技術をもと
	に以下のような目的でネットワークをの構築を行い、運用を目指している。
		・日常的なネットワーク利用
		・実験的なオープンスクール
		・地域への施設解放、技術支援
		・各種活動の実験的運用
	
	これらを達成するために以下のような機器構成となっている。
		・動画サーバー設置
		・外部ダイアルアップ接続用ターミナル(4回線)
		・ファイヤーウォール設置
		・無線LAN接続設備
		・WEBカメラ設置
		・サーバOSとしてLinuxの採用
		・動画サーバ、WEBサーバの公開
	等である。

(5)課題
	教員の技術力、知識が不足している。特に工業高校(情報技術科、電子科)などに
	おけるネットワークの活用においては、ネットワーク技術、サーバ構築/運用など
	ネットワークそのものについても学習していく必要があり、これに対応できる教員
	が非常に少ない。研修にも内容、機会において限度があり、教師本人の技量にも限
	界はある。企業からの応援などが望まれる。また小学校、中学校あるいは普通高校
	などにおいても、全体像や運用方針、技術的背景を把握したアドバイザ的な人材が
	必要となっているのではないか。とにかく現教員の研修による対応では、間に合わ
	ないのが現状である。



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