奈良県立高取高等学校                          

 

新100校プロジェクト 平成10年度実施報告

 

○インターネット利用状況

●授業での活用

・本校では選択科目として「情報活用1」(2年普通科、国際科)2単位、情報活用2(3年普通科、国際科)2単位がある。

・担当教員は前年までは2名であったが、本年からは1名になった。

@情報活用1(普通科2年、国際科2年)

基本操作の学習、インターネットツールの利用方法の学習、電子メールの基本的な使い方、HTMLによるホームページの作成練習、写真や画像のファイル変換の練習とHTMLへの掲載練習などを行った。

A情報活用2(国際科3年)

インターネットのしくみの解説、WWWブラウザーの使い方の学習、ネットサーフィン、HTMLによる自己紹介ホームページの作成練習、グループによる特定テーマのホームページの作成練習、電子メールの活用方法等を実施した。 

●課外活動等での活用

・留学生の活用

受け入れ留学生(アメリカ合衆国、ノルウェイ)にアカウントを発行した。留学生は両名とも、インターネットや電子メールを頻繁に利用した。

・姉妹校交流生の利用

姉妹校交流生(アメリカ合衆国、オーストラリア、韓国)は積極的にインターネットを活用した。自国の家族や友人へのメールのやりとりは高頻度であった。韓国からの留学生も自国のホームページにアクセス機会があった。

・留学経験生徒の利用

本校生で、短期や長期の経験者が数十名に及ぶが、ホストファミリーや留学先での友人への電子メール交換を意欲的に行う生徒がいた。

・帰国子女教育への活用

中国残留引揚者子女が数名在学中だが、中国語およびハングル語入力可能なパソコンを各一台設置して、中国語およびハングル語の入力環境を整えている。

●その他の教育活動での活用

・図書室での活用

図書室ではパイロット電子図書館システム及び、図書の検索注文等に利用した。

・進路情報の取得

各種大学情報の取得等、進路関係の資料の収集に関しては連日多数の生徒が利用した。特にセンター試験後の出願状況の確認にはよく利用された。

●条件整備

・ネットワーク環境の不安定に伴うエラーの多発対策は十分ではなかった。特に9月の台風による断線の被害は甚大であった。

・平成10年9月からNTTのOCNを利用したインターネットへの接続が可能になった。 

 

○平成10年度の成果と課題                           

●活用方法

インターネット、電子メール環境は平成10年9月に整い、それ以降は生徒、教員、外部の人など、積極的な活用利用があった。

また、情報活用選択生徒だけでなく、他の生徒に対してもインターネットの利用方法を教える講習会を数度持つことができた。また、教員間の研修の機会も昨年度よりは大幅に増えた。

●教育効果

・原則的に、昼休み、放課後は毎日開放し。自由にネットワークを利用できるようにした。

・放課後の利用者は連日20名を超えるにぎわいで、ホームページの閲覧、電子メールの活用を中心に利用頻度は高くなった。

・他教科の課題作成、レポート作成の資料収集手段としても相当数のインターネットの利用があった。インターネットを開かれた百科辞典的な資料収集の道具として効率よく利用する生徒が増えてきた。

・汎用ソフトの使い方、Hypertalkによるプログラミング、HTMLによるホームページの作成などを授業で行ったが、中でも、理解しやすさからか、ホームページ作りにたいして意欲的に取り組む生徒が一番多かった。

●技術的課題

・平成10年4月より導入された生徒用コンピュータは以下の仕様である。

  MacintoshPowerPC4400/200  46台

・初期導入時から起動不良やシステムエラー、フリーズが比較的多発した

・メモリー不足のためwwwで音声や動画の受け取りができず生徒から苦情があった。

・9月の台風で電線が切断され約2週間利用できない期間があった。

●リテラシー

・生徒はインターネットに対して抵抗感なく簡単に自由に楽しんで活用できるようになった。

・教師間でも学習会を計6回実施した。新機種導入をきっかけに、それまで不統一であったコンピュータ利用の成績処理を統一した。

・情報活用の授業だけでなく、他教科の学習時間にコンピュータラボを使ってもらえる環境少しずつ整った。

●その他

・開放講座「高齢者のためのインターネット入門」の開催

8/17(月)〜20(木) 参加者 約30名

夏休みに60歳以上高齢者のためのインターネット入門講座を企画したところ申し込みが殺到し抽選で受講者を選ぶ状況であった。受講修了者の中にはその後自分でホームページを作成運営しているとの報告をいただいている人もある。また、この講座には多くのマスコミの取材があった。 

・講座「教員のためのマルチメディア入門」(社会教育センター主催)の開催

7/28(火)〜30(木) 参加者 約10名

小中高の教員を対象に主にインターネットの体験、電子メールの利用、ホームページの作成講座を開催した。

 

○新100校プロジェクトに参加して

本年度前半は全くネットワーク環境が利用できないため、プロジェクトにはほとんど参加できなかった。後半からネットワーク環境が整備され、生徒のコンピュータラボの利用頻度は飛躍的に増大した。

担当者の知識や技術がまだまだ未熟であるため、他の先進校と比べるとネットワーク環境を十分使いこなしているとは言い難い。今後、研修を積んで教育の中でのネットワークの有効利用を模索していきたい。

(担当 一柳恵信)

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