新100校プロジェクト 平成10年度実施報告
鳥取県立米子南商業高等学校
○インターネット利用状況
- 課題研究(アプリケーション活用)の中での利用
流通経済科・会計情報科・情報システム科の全科の
課題研究の授業で個人のホームページを作成した。
こちらが思っていたよりも生徒の反応はよく、
こんなにも簡単にホームページが作成できるのなら
もっとやりたいという声が多かった。
- 社会人講師導入事業との関連
昨年に引き続き県の事業である「社会人講師導入事業」において,
地元プロバイダー業者に講師を依頼。情報システム科2年生での
インターネットについての授業の導入とすることにより
インターネットの社会での必要性を認識させることができた。
- 授業時間外での活用
昨年度は情報処理部を中心としてE−mailの使用を広げさせたが、
今年度は3年生の情報システム科はほぼ全員がE−mailを普段から使うようになり
休憩時間・放課後において積極的な使用状況が見られた。
学校の内外を問わず友人とのコミュニケーションにE−mailを使う
生徒の絶対数が飛躍的に増加した。
- 在宅学習支援
忙しく時間が足りないといわれる教員のために、自宅においても
インターネットを利用した研修を行えるように、昨年度に引き続きpppアカウントを発行し
教員間でのインターネットの普及につとめた。
- 教員のE−mail活用
世代を問わず英語科と一部の商業科の教員の間でE−mailの使用が
一般的になった。校外または国外の教員及び知人とのコミュニケーションをとることが
容易になったことは、教員の資質の向上にもつながっている。
- 新聞データベースの利用
日本経済新聞のデータベースを利用し、過去の新聞記事から
社会的な問題について調べた。生徒にとって難解な記事が多く
他の一般紙もデータベース化されていたらもっと授業で
活用できたのではないかと思う。
- 予算面での確保
インターネット接続用の予算を確保してもらうことにより
100校に依存しない回線の使用が可能となった。
県もインターネットの学校への導入の必要性を認識し、
21世紀に向けたコンピュータ教育について考え始めたことと思える。
○平成10年度の成果と課題
- 活用方法について
課題研究といった授業内容が比較的自由になるような科目での活用が中心となった。
情報関連科目については検定試験といった到達目標があり、時間数不足のため活用はきわめて難しい。
さらに、コンピュータのある教室は情報関連の科目で時間が埋まっているため
普通科目では利用がしづらいといった面がある。結局、インターネットの担当者の
担当する科目での利用が中心となり、学校全体で活用するまでには至らなかった。
- 教育効果
インターネット、そしてコンピュータ全般に対する生徒の興味を
とても高めることができた。さらに、自分の興味関心のある物に対して
自ら研究意欲を持って調べることもできるようになった。課題研究の授業を受けた
かなりの生徒が自分でもコンピュータを持って使いこなしていきたい
といっており、高い教育効果があったことが感じられた。
- 技術的課題
教員がサーバの管理を行うという点には疑問が感じられる。
何も問題なく使用できるときはよいのだが、トラブルが発生して
その対応を迫られるとどうしても専門的な知識が必要となってくる。
他の仕事を抱えている教員には、即時性を要求されるような
ネットワークのメンテナンスは期待できない。
また、人事異動の問題もありインターネットの教育機関への導入に関しては
中央からの行政的な指導が必要のことと思われる。
- ネチケット等
生徒のネットワークの積極的な利用が教員の指導を先行してしまい、
教員が生徒の使用状況をつかみきれない。
そのため、ネチケットの遵守という点においてはいささか不安がある。
ネチケットとしての正論的なことは指導できるのであるが、
どうしてもそれに違反するような者もでてくる。
これからの課題であるように思う。
○新100校プロジェクトに参加して
- 生徒の変化
授業時間だけでなく、休憩時間・放課後にも積極的にインターネットを のびのびと活用する生徒がかなり多くなった。自主的に自らのホームページを 更新する者もいて、かなり活発にコンピュータを使用している。
コンピュータを使うことに対して不安や恐れもなくなって これからの情報化社会に生きていける生徒を育てることができたと思う。
- 教師の変化
インターネットを使う教員と使わない教員との間には はっきりとした差が現れてきた。使うことのできる教員はどんどん使っているのだが、 そうでない教員はどんどん取り残されているのが現状である。
教員の研修がこれからの最も重要な課題の一つだといえる。
ホームページへ