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酸性雨調査プロジェクトについては3年間の継続研究をおこない日田地方における酸性雨の特徴等が確認できた。また,日田地方の主要植栽樹種であるスギの耐酸性を調べるなど広がりのある調査研究がなされてきた。全国発芽マップ98’についてはケナフの栽培による交流だけではなく,組織,化学成分,ケナフを用いたボードの開発など学科の専門性を活かした活動が展開され学校間の交流も盛んに行われてきた。校内にネットワーク環境が整備されつつあることから,しだいにインターネットが根付きはじめてきた。
ケナフ(http://www.hitarinko-h.ed.jp/kikaku/kenaf/kenaf-m.htm)
2.平成10年度の成果と課題
地域の発展は,地域の一体化が条件であるように,地域ネットワークの形成においても行政,教育,一般市民(関係団体含む)等のコンセンサスが何よりも重要だと思われる。地域のネットワーク化,コンピュータ化,データベース化などを成功させるためには,それらのニーズとシーズに通じるリーダー,あるいはオーガナイザー(組織者または調整者),つまり,情報化アドバイザーの役割が非常に重要であると思われる。しかしながら,日田地域のような小規模な地域においてはアドバイサー的な人材は極めて少ない。したがって,小地域において情報ネットワークの構築を進める上で学校,行政,民間のそれぞれの立場での協力体制が不可欠である。本校は職業系高等学校あることから「生涯教育」や「地域の中の学校」という観点から積極的に学校の施設の開放を行い地域のインターネットの拠点としての役割が根づいてきている。
また,校内LANも職員の手で構築されている。授業等においても自主企画参加以外にも各学科の特性を活かした活用が研究されてきていることは評価されることである。来年度からの回線使用料の確保がされないまま本プロジェクトが終了していくことは誠にざんねんなことである。
3.新100校プロジェクトに参加して
今まで,小中高等学校や地域との接点はほとんどなかったが,「インターネット」というネットワークを用いて結びつきができた。そして,単なるネットワークによるハード的なつながりだけではなく,「人と人との心の結び合い」ができたことは評価できる。また,地域の教材を提供して頂いたり,生徒が地域のネットワークと直接ふれ合うことで,さらに教育効果が高まってきた。また,このプロジェクトが開始された平成6年頃は,日田地域にはインターネットユーザは極めて少なくアクセスポイントは全くない状態であった。しかし,このように地域での活動を広げて行く中で日田インターネットの会の誕生や連携により現在では6つの民間プロバイダのアクセスポイントを誘致することができた。インフラ整備と共に本校が,日田地域のインターネットの拠点となり,地域のインターネットの普及啓発,技術の向上,高度利用,マナーの向上等に努めてきたことは評価される点である。今年度で新100校プロジェクトは終了するが,今までの活動を今後とも続け学校,行政,民間がを一体化することにより地域の更なる拠点となるように努力したいと思っている。
参考文献 平成9年度「新100校プロジェクト」成果報告集 U地域展開に関する企画
利用したURL 大分県立日田林工高等学校(http://www.hitarinko-h.ed.jp/)
日田インターネットの会(http://www.hitarinko-h.ed.jp/~hitanet/)