新100校プロジェクト 平成10年度実施報告

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                         旭地域教育情報センター 

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1.インターネット利用状況

 

 (1) インタ−ネット利用体験後の未利用体験

  新100校プロジェクトからの借用専用回線からの移行ができずに、4月から回線が
 切断された状況になった。12月になり、ダイヤルアップ接続による利用環境がスタ−
 トしている。

  構成市町にはそれぞれホ−ムペ−ジが開かれ、地域内小学校12校中3校と中学校4
 校中1校がホ−ムペ−ジ開設へ準備を進めている。また当センタ−のイントラネットシ
 ステムが実施計画2年目となり、地域ネットワ−クの見直しが始まり、インタ−ネット
 との関連や情報の選択についての研究をスタ−トしている。

 

 (2) 研修の充実

  「全国公立学校インタ−ネット利用環境整備」へ向け、各教育委員会も動き始めたが
 初期に導入したコンピュ−タの再導入計画及びそれに伴うソフトウェア整備、そしてイ
 ンタ−ネット整備と問題は山積している。これらの移行期において学校現場での混乱を
 避けるために、コンピュータの活用及びインターネット利用がスムーズに行えるように
 研修の充実を図ってきた。 

 

  ア 教員対象研修の実施

   視聴覚担当者研修会の中でのインターネット関連研修の実施及び学校が行う、校内
  研修推進への支援事業を行った。

 

  イ インターネット接続校の研究発表会の開催

   「地域の中の情報化展」という事業を実施して、視聴覚教育や情報教育についての
  先進的な研究をしている学校の成果発表を行っている。本年度は、校内LANの運用
  試験を始めた地域内小学校によるインターネットの学習利用実践研究についての発表
  があり、これからの小学校の校内整備の一つの方法として提案がなされた。一般及び、
  学校教育・幼児教育・行政関係者の参加によって、有用性への理解を深めることがで
  きた。

 

 (3) 地域への啓蒙普及活動の推進

   昨年までは、市民の体験の場及び教員の個人研修の場としてインターネット環境を
  提供してきた。本年度は、事前のホームページ作成研修の推進、インターネット導入
  相談の実施及びインターネット関連情報の提供を行ってきた。

 

 

2.平成10年度の成果と課題

 (1) 成 果

   利用できていた環境からできなくなった環境への変化は新しい発見をするよい機会
  となった。電気料金が安くなったがインターネットが使用できない。溢れる情報から
  解放されたが情報が入手できない。当てにしていた方からの問い合わせに事情を説明
  する手間がかかる。本当に必要になった情報も入手できない。コミュニケーションと
  しての手段を失った。以上のことから、これからの社会では必要不可欠な情報入手シ
  ステムであることを再認識する事ができた。

 

   構成市町にはそれぞれホ−ムペ−ジが開かれ、地域内小中学校にもインターネット
  整備が進み、地域ネットワ−クを見直す機会となったことは地域における情報化へま
  た一歩踏み出したこととなった。

   研修の充実や研究推進への支援事業を行ったことによって、よりよいホームページ
  の作り方や情報の更新の大切さ及び他のホームページの検索並びに情報の収集の仕方
  等、インターネットの有用性への理解を深めることができた。

   インターネットの校内LAN設置への支援活動はこれからの一つの方向を示すこと
  ができた。

   事前のホームページ作成研修の推進、インターネット導入相談の実施及びインター
  ネット関連情報の提供によって、理解や関心を深めることができ情報化推進への一助
  となった。

 

 (2) 課 題

   学校現場においては、コンピュータが欲しくて導入した時期は過ぎて、欲しくなく
  ても行政が導入した学校へと平成10年度から環境の変化が始まった。すでにこのプ
  ロジェクトの成果報告で指摘されている問題点や課題などに各学校の教職員は直面す
  るようになる。システムの維持管理や運用管理及び使用に関してどれだけ支援をどこ
  から受けるのか、研修はどこでどのようにして受けるのか、すべてを依頼できるプロ
  バイダー等が周辺に存在するのかなど多くの課題がある。これらの課題に地域のセン
  ターがどの程度対応していくことができるのかはセンターとしての課題でもある。

 

3.新100校プロジェクトに参加して

 (1)地域の核としての活動

   教職員へのインターネット研修を行ったり、研究発表の場の提供を行った。そして、
  インターネットを体験できる場所が地元に少ないために、当センターで体験をしても
  らったりもした。教員に限らず、行政職員の体験の場としても提供してきた。
   インターネットで調べさせてほしい、最新の情報を知りたいからインターネットを
  使用させてほしいという方が増えている。3つの自治体にホームページが設置された
  ことからもこの活動が地域への刺激となったと言える。

 

 (2)センター職員としての活動

   職員全員がメールアドレスを所持したことによりインターネットがより身近な物に
  なったこと(実体験)。地域内で起こった事項について他地域での様子を積極的に情
  報収集できる手段を得たこと(距離・時間差の短縮)。毎日便利に使用していたイン
  ターネットが利用できなくなった体験をしたこと(情報過多と過疎の体験)。 

   このプロジェクトに参加できたことによって、以上のように実践を通して学んだこ
  とをこれからの活動に生かしていきたいと考えている。関係各位からのご支援のもと
  に先進的な研究の機会を与えてくださったことを深く感謝いたします。


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