指導計画(9〜11/15) | 留 意 点 |
(1)(2)ディベートを行う。 |
・国語で学習した「人類は滅びるか」を想起し,人類は滅びるか」「その原因は何か」の2つの項目についてアンケート調査をし,その結果でのディベートを行う。 ・ディベートの流れから「環境を守るために何ができるだろう」「よりよい環境を育てていくために何ができるだろう」という視点を意識するように支援する。また全校奉仕活動とも関連させて考えるようにする |
(3)(4) 環境ウォッチング ・地域の様子を自分たちの目で確かめる。 (5)(6) 環境マップの作成 ・調べたことを発表できるようにまとめる。 |
・グループ毎の希望に応じて,ビデオやカメラなども使えるようにしておく。 ・問題点だけを意識するのではなく,地域のよさにも着目することで,より問題点を切実にとらえられるようにする。 ・地域の住民や町を利用する人も声も聞きながら学習を進めるようにする。 |
(7)(8) 環境サミット ・グループ毎にまとめたことを発表し合い,地域の環境問題について話し合う。 |
・各グループの発表の内容から,環境問題を分類していく。 ・どの問題も,人間の手によって起こっていることに気付くようにする。 ・ディベートの「人類は滅びるか」と関連づけて考え,世界の現状に目を向けていく必要があることに気付くように支援する。 |
(9)(10)(11) 地球環境ウォッチング ★インターネットの利用 |
★インターネットで世界の環境状況や環境問題についての詳しい情報について知り,自分たちが調べた地域の問題と関連づけて考えることができるようにする。児童の主体性を重視し,様々なホームページにアクセスする。十分に活用できるように3時間扱いとする。 |
(12)(13) 私たちを支えるもの ・地域と世界の環境問題を通じて考えたことを発表し合う。 |
・地域環境問題と世界環境問題は関連していることを理解し,自分たちを支えているものは自分たちで守り,育てていくことが必要であることに気付くようにする。 |
(14)(15) 私たちにできること ・日常生活の中で自分たちができることは何かを話し合い,実践に移していく。 |
・私たちにできることは何かを話し合い,日常化につなげていく。 ・出された活動例 (リサイクル運動・地域清掃の日常化・栽培活動の充実・街頭呼びかけ・条例署名運動等) |
学 習 活 動 | 活動への働きかけ | 備 考 |
1 地域の環境問題は地域だけの問題であるのか発表する。 ・今までの学習を思い出し,本時のねらいを自分なりにとらえる。 |
・前時までの学習を想起し,世界の現状や詳しい環境問題に ついての情報を得ることの意義を確認し,意欲を高める。 |
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2 本時の学習課題を確認する。 | ・コンピュータ |
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世界の環境問題や環境についての情報を知り, 地域の環境問題と結びつけて考えよう。 |
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3 コンピュータを利用して学習する。 ・世界の環境問題の状況を,インターネットを活用し知る。 ・環境問題についての具体的な情報を知り,その原因についての理解を深める。 |
・ひとつの情報で考えるのではなく,様々な情報を引き出し総合的に考えることができるようにする。 ・リサイクルなどの情報も活用していくようにする。 ・環境問題の原因を明らかにすることで,地域から世界へと環境問題がつながっていることに気付くようにする。 |
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5 本時のまとめをする。 ・グループ毎に話し合われたことをまとめ,次時に発表できるように準備する。 |
・次時の発表が,今までの学習 のまとめにつながることを知らせ,発表への意欲をもてるようにする。 |
図1 授業の風景 図2 児童のリポート
4 実践を終えて
6年生は入学時から,地域清掃である「全校奉仕活動」に取り組んできた。しかし,その活動が日常になかなか生かせなかった実態があったが,今回の学習により環境問題についての理解を深めたことで,その後の「全校奉仕活動」や日常化への動きに児童の変容が見られた。
「全校奉仕活動」では,燃えるゴミと燃えないゴミという分別の仕方をしているが,ある班では,燃えないゴミをさらに,リサイクルできるものとできないものに分けていた。理由を尋ねていくと「できることからやらなくちゃ。」というものであった。
また,登校途中に落ちていたゴミを,ゴミの収集場所まで運んだり,時には学校まで持ってきたりする姿も見られるようになった。学習したことが日常意識の中に芽生えたことの現れである。
この学習でポイントとなったのは,自分たちの生活している地域の中に潜む環境問題を自分たちの目で,足で,町の人の声で確かめたことと,インターネットを通じ世界の環境問題が決して別世界のことではなく,その根源にあるものが同じであるということを関連づけて理解できたことである。
つまり,自分たちの生活範囲の地域の問題と世界の結びつきを実感したことにある。酸性雨や温暖化現象なども,他人事ではなく,駐停車中の車の排気ガス,冷暖房設備の影響など,その原因が身近な地域,自分たちの生活の中からも影響していることに気付いたことである。
また,インターネットでリサイクル情報を引き出したことで,単元のまとめ「私たちにできること」では,「ペットボトルや空き缶のリサイクル運動をしよう」という声が上がり,実際に行動に移している児童や,区役所に問い合わせて「ポイ捨て条例」はあるのかどうかという問い合わせをしていた児童もいる。
インターネットを活用したことで,間接的な世界との接触ができたことは大きな収穫であった。インターネットは世界を結んでいるという認識は,メディアの発展している現在,児童にとってはよく知られているところである。実際に環境問題についてインターネットの画面で視覚的にとらえられたことで,児童は世界とつながっているという意識を強くもつことができた。これからの学校教育にインターネットは有効な学習材となるであろう。
児童からは,「学校でも一日にゴミがたくさん出る。そのゴミが処理場へ行ってどんどん積もっていったり,今問題になっているダイオキシンがたくさんでていたり,それもひとつの環境破壊につながるので,一日に出るゴミの量を減らしたいと思います。また,とにかくリサイクルを心がける。もし,リサイクルしたいけど近くで回収してなかったら,つぶして小さくして捨てるとゴミは減ります。」などの感想が聞かれた。
今回の学習のみならず,インターネットを効果的に活用し,継続的な学習の中で日常化を図っていきたいと考える。
ワンポイントアドバイス
インターネットを接続する際に校内LAN を敷設した。1台だけであると一斉授業の中で資料提示といった学習場面が多くなるが,LANを組むことにより, 児童ひとりひとりが自分の課題解決のために必要な情報を得ることが可能である。インターネットをすることが目的ではないが, 問題解決学習の解決策の手段としてインターネットは, 有効な手段である。インターネットを始めたばかりなので今年は資料収集に多く活用したが,これからはインターネットを通して,交流したり,協同学習をしたりしながらさらに幅のある学習に生かしていきたい。 |