葛尾村立葛尾中学校 坂下 正重
(3) 利用場面
@ 校内の事務処理,教職員に対する事務連絡
定型文書のコピーによる使い回しや同じ文書の作り直しをなくすため,文書データの蓄積と周辺機器の共有化,校内の教職員への事務連絡を電子メールで行う。
A 学校事務に関する情報収集・蓄積
できるだけ大規模な学校事務のメーリングリストに参加し,情報収集を図る。同時に,学校事務職員で個人的に運営しているホームページを検索し,さらに有益な情報を収集して,ホームページにリンク集として蓄積する。
B 管内の学校事務職員との連絡調整・情報交換
管内の学校事務職員を対象としたメーリングリストを運営し,情報交換と地域連携を図る。
(4) 利用環境
GATEWAY 2000 SOLO 2300 JP P55C-200 LS(1 台)
その他,教師によって使う機種が異なるが,ノートパソコンが主流である。
A 周辺機器
TDK LAN カード LAK-CD021BX(職員分)(図1),CONTEC LAN HELPER 8 ポート,16ポートHUB(図2),Canon LBP-B406G2 LIPS3(1 台)(図3)
図1 LAN カード 図2 職員室のHUB
B 稼働環境
校内LAN に接続するためのケーブル(10Base-T)は,職員室の先生方の机ひとつひとつに伸びており,そこに学校側で準備したLAN カードを,個人所有のノートパソコンに接続する。(図4)プリンタが共有化されている。
図3 共有プリンタ 図4 職員室の配線のようす
ネットワークで利用するのは,Eudora ProとNetscape Navigatorである。
また,校内で文書データを共有する関係で,ワープロソフトは一太郎9,表計算ソフトはMicrosoft Excel97 と,職員間で統一を図っている。
2 実践計画
実践計画 |
留意点 |
@共有データを利用し,作成した文書等を共有プリンタで印刷して職員に配布する。 ★校内LAN 環境の利用 |
・ネットワークセキュリティの関係上,機密に触れるファイルは,アップロードしない。 |
A「事務通信」を教職員メーリングリストを利用して配送する。 ★電子メールの利用 |
・校内向けとはいえ,メーリングリストの性質上,メンバー全員に配送されるので内容を精選する。 |
B学校事務に関する情報を収集・蓄積する。 ★ホームページの利用 |
・著作権等の問題も考慮し,リンクの許可をもらうなど,ページの製作者とコンタクトをとる。 |
C定型文書のテンプレートを共有化する。(ブラウザによる文書管理) ★ホームページの利用 |
・管内事務職員の協力を得て,共有化する文書の内容を精選する。 |
D管内事務職員のメーリングリストを運用し,情報交換をする。 ★電子メールの利用 |
・活発に情報交換ができるように,簡単なメーリングリストの運営方針を立てる。 |
実践内容 | ネットワーク環境のかかわり |
1 校内の事務処理,教職員に対する事務連絡をネットワークを利用する。 (1) 共有データを利用して文書を作成して,共有プリンタで印刷し,文書を配布する。 (2) 「事務通信」を教職員メーリングリストを利用して配送する。 |
・今まで作成してきた文書データは,ファイルサーバに蓄積する。 ・共有プリンタは,他の教職員も利用しているため,一度に大量のプリントアウトはさける。 ・学校事務に関するお知らせなどを「事務通信」として,校内教職員メーリングリストを利用して配送することで,職員会の短縮化・学校事務の効率化を図る。(図5) |
2 学校事務に関する情報収集・蓄積を行う。 |
・全国・他地域の学校事務研究会や事務職員が個人で運営しているホームページを検索し,事務に関する有益な情報を収集する。 ・得た情報は,リンクを張るなどしてホームページ化して蓄積し,管内の事務職員に利用してもらう。 |
3 管内の学校事務職員との連絡調整・情報交換を行う。 (1) 県や市町村で規定されている文書のテンプレートを共有化する。 (2) 管内学校事務メーリングリストを作成し,情報交換をする。 |
・各学校で共通の様式文書をファイルサーバに蓄積する。 ・ファイルの一覧表をホームページ化し,蓄積した文書にリンクを張ることにより,簡単にダウンロードできるようにする。(図6) ・管内(あるいは,他地域)の学校事務職員を対象としたメーリングリストを利用し,事務に関する情報交換を行うことで,交流と連携を図る。 |
図5 メールによる「事務通信」 図6 定型文書テンプレート一覧のページ
4 実践を終えて
私と本校との出会いは,インターネットとの出会いでもあった。初めて体験するインターネットは,私に驚きと感動を与えてくれた。そして本校2年目の今年度,学校事務に関する研究活動のテーマを与えていただき,このような研究に取り組めたことは,学校事務に対して少なからずマンネリ化しつつあった私の心に,大きな刺激となって,学校事務改善への意欲・関心を高めることができた。
また,パソコン初心者である私にもホームページを持つことができ,小さな情報発信の基地として活動を始めることができた。ご協力いただいた本校職員及び地域の学校事 務職員の皆さまに感謝申し上げたい。今後も,ネットワーク環境を活用した情報を参考にしながら,学校事務の効率化に努めていきたい。
最後に簡単であるが,成果と課題を挙げて終わりにしたい。
(1) 成果
・職員室にLAN が整備されており,すべての教職員が同一の環境で利用することができるため,データの共有化やメールによる事務通信の配送については効果的であった。
・他地域の学校事務についての研究を調べていく過程で,全国規模の学校事務メーリングリストに出会い,参加することができ,多くの有意義な情報を得ることができた。
・テスト段階ではあるが,定型文書のテンプレートを共有することは,これからの学校事務の効率化を図る上で,有効な手段であると考える。
(2) 課題
・本校独自の学校事務のページを開設することはできたが,技術的にいたらず,内容の充実を図ることができなかった。
・管内の学校事務職員メーリングリストの運用ができず,カーボンコピー(cc配送)で複数人にメールを送っていたため,操作が面倒なところがあった。
・インターネットに接続可能な事務職員との連絡はメール等で可能であったが,個人的にも学校のネットワーク設備の差により,従来通りの連絡方法を取らざるを得ない場合があり,早急なネットワーク整備が待たれる。
ワンポイント・アドバイス |
学校事務メーリングリストは,学校事務のホームページを検索システムにより発見した。メーリングリストへの参加の仕方は簡単で,参加希望のメールを送るとすぐにメンバーになることが可能である。現在,全国の小・中・高・大・教育委員会と様々な教育分野の事務職員が約170 名ほど参加している。メーリングリストは,情報交換とメンバー相互の交流の場であるので,参加した際には,どんどん発言してメンバーに打ち解けることをお勧めする。 |