高等学校 第2学年 「英語実務」(商業)
名古屋市立西陵商業高校 影戸 誠 寺西 寿雄
活動計画 | 活動内容 |
5月 教師による事前テスト ★CU-SeeMeをスムーズに行うためのテスト 6回実施 |
★CU-SeeMeのテスト 提示したテキストが読めるか 音声だけを活用する場面の検討 画像クオリティーの適正値 送信・受信パケットの適正値の検討 パケットの通りやすい曜日の検討 |
5月 第1回授業 |
★英語での自己紹介,学校生活についての質問, 生徒間交流 |
6月 第2回授業 |
★「韓国語でなんていうの?」 挨拶,自己紹介 |
6月 第3回授業 |
★「日本語でなんていうの?」 挨拶,自己紹介 |
7月15日 ソウルにて共同発表 図1参照 |
国際会議(ソウル)に日韓担当教諭 共同発表 100校プロジェクトの我々の取り組み |
7月〜8月 ★日韓教師によるWebコラボレーションの 検討 |
★日本語のテキストなど読めないため Web上に画像をおき,基本単語を相手に提示。 韓国側はWeb上への掲載が難しかったため, ファックスで日本側に送信 |
9月 ★Webを使った授業 4回目 |
日本側生徒が担当の単語を相手に説明 セッション開始までは英語で会話 メーリングリストも同時利用 |
9月 ★音声・静止画ファイルの制作送信 | 音声と静止画を入れたファイルを相互に送り合った。 |
10月学校祭シーズン | ★電子メールによる交流継続 |
11月19日 交流会 | 韓国側教師,生徒が本校を訪問。交流会を行う。 |
12月 ★韓国側音声ファイルの制作 図3参照 |
基本会話ファイルの制作 |
12月〜1月 プレゼンテーションファイルの制作 ★送信 |
グループごとにプレゼンテーションファイルを制作 英語,(挨拶,自己紹介部分韓国語) |
Conference機能
Web画面にはこれは基本単語が絵付きでJPEGファイルで貼り付けてあり,これらをスクロールしながら授業を展開する。図5 図6参照
CU-SeeMeの音声からは相手生徒の発音が聞こえてくる。
日本側教師「私は韓国の高校生です。」の言葉に韓国生徒はこれを繰り返す。
その音声に対し,評価を与える。
図1 現地のサポート | 図2 ソウルでともに発表 |
![]() |
![]() |
図3 韓国側の生徒が作った 音声ファイル |
図4 ゴミの分別もテーマに (韓国側から送られてきた画像) |
![]() |
![]() |
図5 プリントに従って学習 | 図6 Web上の画像 |
![]() |
![]() |
4 実践を終えて
(1) 生徒の声
・私は他の国の言葉が知りたかったので,韓国語を教えてもらったときうれしかったです。それもネイティブ!少しの言葉だったけど,韓国語ってすごいなと思いました。韓国の人は英語はとても上手だったので,すごい勉強をしているのだと思いました。
・日本人の私が,英語を勉強するように,韓国の高校でも英語の他に日本語を勉強しているなんて,全然思っても見ませんでした。そうやって日本語を勉強していることを見ると,日本人として何かうれしく感じるものが在りました。
・韓国の高校生とCU-SeeMeではなして,日本の高校生と同じ様なことを考えていて,そういうことがわかるとうれしいです。
(2) 共同学習として
生徒によい刺激をあたえ,新しい授業を創造したい,そんな願いをジョン先生と私は持っている。これらは何回か会う内にお互いに確認し合ったことである。
回線のスピード,相手のインターネット技術レベル,確かにこれらをクリアーしなくてはならないが,何よりも大切なのは基本的な考え方であろう。学校教育という非常に人間くさい領域のなかで,継続的に粘り強く取り組むには最後は哲学の一致であろう。
共同学習という設定でこのプロジェクトを展開して来たが,やはり授業として時間を設定する事が肝心である。
土曜日2限に設定したことで,生徒もこの日を楽しみにする様になった。
(3) 回線・機器の活用
今回は昨年11月より,本校の回線が64k専用線から128k光ファイバー(月額45,000円)になったことからCU-SeeMeがよりスムーズに使える様になった。
これまで,音声がうまく届かない,見せたい画像がうまく表示されないという問題が5月から11月までの授業にはあったが,11月からはスムースに行えるようになった。
ダイアルアップででは無理な企画であり,CECのサポートは大変助かった。
今回使用した,Netscape Conference機能は無料で配布されているVer.4に添付されているものであり,その利用価値は高いと思われる。
また,静止画・音声送信ソフトは扱いも簡単であり,英語版もあるので国際交流には適したソフトといえる。
これまでRealAudioなどの動画ソフトを使い国際交流に活用してきたが,生徒作品が作るにはいくつもの技術指導が必要であった。また画像と英語,韓国語の吹き込みはリアルタイムで行われるため,緊張感から来る失敗が多く,時間がかかってしまった。
その点,静止画であり,さらに音声部分だけを何回も入れ直すことのできる今回利用のソフトは生徒作品作りには適している。
(4) 2000年代の授業
現在「総合的な学習」「情報」などに向けて,ネットワークを活用した授業研究が行われているが,ネットワークの広がりは国内での共同授業から生徒の興味関心の高い海外へとすぐに発展していくものと考えられる。
今回の国際共同授業をさらに発展させ,モデルケースとしてさらに発展させていきたい。
|
||
・定期刊行物を取ろう 今回のアイデアはインターネットマガジンなどに紹介してあったネットスケープの一機能を使ってみた。情報収集が豊かな授業を作り出す。 ・国際会議に参加しよう ジョン氏と一昨年の大阪の国際会議で出会ったから交流を始めた。ネットワーク関連の会議は多くの人との出会いを可能にする。電子メールで交流をしながら,お互いの考え,方向性を確 認し,それからプロジェクトを興すのが近道といえる。 ・多くの失敗をしよう 自己紹介だけで終わる苦い国際交流をいくつか体験してきた。これらの体験が「継続的なプロジェクト」とへの踏み台となっている。 ・相手校教師との人間関係を育てよう 昨年だけでも6回会っている。韓国は近く東京までの旅費と変わらない。時間をみて可能な限り相手に会い,話合うことが必要である。 ・不参加生徒をなくそう CU-SeeMeを使った発音練習など,画面の前にいない生徒にはリピテーションさせるなどして,授業内の緊張を維持できる工夫が大切である。事前に教材を配布しておき,書き込みなど,学習保証を行うべきである。 |