◎Eスクエア・ニュース(第30号):e-Japan戦略と学校教育の情報化 今号の目次: ==================================== 1.官庁等の教育情報:e-Japan戦略と学校教育の情報化 2.プロジェクト紹介:バーチャルモールを活用した地域連携共同学習システム ==================================== 「Eスクエア・ニュース」への、ご意見・ご感想そして投稿をお待ちしています。 (お友達への再配信またはご紹介は、ご自由にどうぞ。バックナンバーの参照、 送信先の変更または中止等のご連絡は、「Eスクエア・ニュース」のページ http://www.edu.ipa.go.jp/E-square/kan/e2news.html をご覧下さい。) 1.官庁等の教育情報:e-Japan戦略と学校教育の情報化 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  第3回IT戦略本部の議事次第資料4 e-Japan重点計画−高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する重点計画− http://www.kantei.go.jp/jp/it/network/dai3/3siryou40.html より、 3.教育及び学習の振興並びに人材の育成 http://www.kantei.go.jp/jp/it/network/dai3/3siryou43.html の (3)具体的施策 学校教育の情報化等の部分を抜粋して以下にご紹介します。 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)の全体については、 http://www.kantei.go.jp/jp/it/network/index.html をご覧下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 学校教育の情報化等  学校教育の情報化を推進するため、必要なハード、ソフト、コンテンツの充実を図るとと もに、関連する諸施策を実施することにより、子どもたちが情報リテラシーを向上させ、 ITを積極的に活用できるようにする。 ア)学校のIT環境の整備  学校に必要なコンピュータを整備し、インターネットに接続することにより、すべての 子どもたちの情報リテラシーを向上させるための環境を整備する。また、その際には回線 容量の拡大に努めるものとする。  i)2001年度中に、すべての公立小中高等学校、盲・ろう・養護学校等がインターネットに   接続できるようにし、2005年度までに、すべての小中高等学校等が各学級の授業におい   てコンピュータを活用できる環境を整備するとともに、授業や家庭・地域・他校との   コミュニケーションへのネットワークの積極的活用を支援する。なお、その際、障害の   ある子どもたちが活用できるよう十分配慮する。(文部科学省)  ii)おおむね2002年度までに、公立小中高等学校等が、校内ネットワーク(LAN)機能の   整備を行えるようにする。(文部科学省)  iii)2001年度中に、動画像などの大容量データ利用を可能とする高速回線を用いた教育   方法や教育用ネットワークの在り方等についての研究開発を行うため、全国の小中高等   学校等約1500校をインターネットに高速で接続し、従来の接続校とあわせて約3200校   をインターネットに高速接続する。(文部科学省、総務省)  iv)2004年度までに、私立小中高等学校等が、公立学校と同程度の水準の整備を目指し   て、コンピュータの整備及びインターネットへの接続等を行えるようにする。(文部科学省)  v)2001年度中に、盲学校点字ネットワークシステムをインターネット対応とする。(文部科学省)  vi)2006年度までに、在外教育施設の教育コンピュータの整備を行えるようにする。(文部科学省) イ)IT教育の充実等 a)IT教育の充実(文部科学省)  IT教育の充実を通じ、コンピュータやインターネットを使うための技能を習得させること  はもちろん、子どもたちに論理的な思考力をはぐくみ、自己を表現する能力や創造力を  涵養するとともに、筋道を立てて考える能力や適切に表現する能力、問題の解決や探求  活動に主体的、創造的に取り組む態度を育成する。あわせて、社会生活の中でITが果たし  ている役割や及ぼしている影響を理解させ、情報化の進展に主体的に対応できる能力の  育成を図る。  i)小学校において、2002年度より、各教科や新たに創設される「総合的な学習の時間」   で情報通信ネットワークを活用することにより、コンピュータ等に慣れ親しみ、自由に   使いこなせるようにする。  ii)中学校において、2002年度より、各教科や新たに創設される「総合的な学習の時間」   で情報通信ネットワークを活用するとともに、技術・家庭科「情報とコンピュータ」   を必修とし、ソフトウェアを用いた基本的な情報の処理やコンピュータを利用した表現   やコミュニケーションができるようにする。  iii)高等学校において、2003年度の入学者より、各教科や新たに創設される「総合的な   学習の時間」で情報通信ネットワークを活用するとともに、普通教科「情報」を新設し   必修化することにより、コンピュータ等を活用して自分の考えを表現することなどが   できるようにする。  iv)盲・ろう・養護学校においては、小中高等学校に準じる。  v)IT化に伴い一層重要となってくる外国語について、中学校においては2002年度から、   高等学校においては2003年度の入学者から、授業の中で、実践的なコミュニケーショ   ン能力の育成を図るようにするとともに、コンピュータやインターネットを活用し、   学習活動の一層の充実を図る。また、小学校においても2002年度から、「総合的な   学習の時間」の中で、国際理解教育の一環として、外国語に触れることができるよう   にする。盲・ろう・養護学校については、小中高等学校に準じる。  vi)IT教育を推進していくに当たっては、著作権に関する教育の充実やネットワーク上   の倫理やモラルについても配慮するようにし、個人の孤立化や人間関係の希薄化、   自然体験・社会体験の不足、いわゆる有害情報の氾濫などにも適切に対応できるよう、   2001年度中においても引き続き、道徳教育の充実を行うとともに、学校内外において   自然体験や生活体験等体験活動の充実を行う。 b)ITを活用した他地域、異文化との交流促進  ITを活用し、他地域との交流や異文化との接触を図る機会を提供することにより、子ども  たちの 物事に対する新たな興味、関心を引き出し、学びへの興味を深める。  i)2001年度中に、子どもたちや教員、企業、ボランティア等が自由に参加し、相互に   貢献し、協力しあえる場をネットワーク上に提供することにより、国内外の学校と   共同したプロジェクトを実施している取り組みの普及を図る。(文部科学省、経済産業省)  ii)2005年度までに、インターネットを活用した日本語学習の支援を図る総合的な   ネットワークシステムを構築し、広く日本語教育に関係する情報を国内外に提供する   ことを通じ、効率的・効果的な日本語教育の推進を図る。(文部科学省) ウ)IT指導力の向上(文部科学省)  すべての公立学校教員(約90万人)がコンピュータの活用能力を身につけられるように  するとともに、高等学校において教科「情報」が必修化されることに伴い必要な免許を  持った教員(約9000人)を養成することを通じて、子どもを指導する立場にある教員の  ITに関する指導力の向上を図る。  また、ITに関する企業や地域の人材の専門的知識、技術等を活用し、子どもたちの情報  リテラシーの向上を図るとともに、インターネット等を利用した授業の一層の充実を  目指す。あわせてアジア太平洋地域の教員等の養成にも協力する。  i)2001年度中に、約1000人の都道府県レベルのリーダーとなる教員を養成すること等   を通じて、公立の小中高等学校、盲・ろう・養護学校等の全教員がコンピュータを   操作でき、その半数はコンピュータを用いて子どもたちを指導することができるよう   にする。  ii)2001年度中に、都道府県、指定都市、中核市が、IT関連分野の優れた知識や技術を   有する人材を特別非常勤講師として合計1000人程度任用することができるように   する。  iii)2002年度までに、教科「情報」を実施するために必要な教員に対し、「情報」の   免許状を授与するための現職教員等講習会を実施する。  iv)2001年度中に、アジア太平洋諸国地域における開発途上国の初等中等教育教員等   を対象とするIT研修を実施するためのユネスコIT教育信託基金を設置し、   年間約300人の研修を実施する。 エ)教育用コンテンツの充実  各種教育用コンテンツの開発、普及を図ることを通じ、子どもたちがこれまでの学校の  授業では接することが難しかった情報を提供することにより、子どもたちの学習意欲の  向上を図るとともに学習内容の一層の理解を促す。  i)2001年度までに、学校教育で活用できるよう、新しい教育課程の内容に即した各教科   で使えるコンテンツ、博物館、図書館等の学習資源をデジタル・アーカイブ化して   作成するコンテンツについての研究開発を行うとともに、それらの成果を踏まえつつ、   2005年度までに、研究機関等が有する最先端の研究成果を素材にした教育用コンテンツ   の研究開発を行い、これらの成果の2005年度までの全国普及を図る。あわせて、   2005年度までに学校スポーツ・健康教育用コンテンツ、伝統芸能や現代舞台芸術の   公演等を記録した文化デジタルライブラリー、国立科学博物館の学習資源をデジタル化   することにより作成したコンテンツを作成し、インターネット等で提供するなど、   その成果を全国に普及する。(文部科学省)  ii)2005年度までに、教育用コンテンツのインターネットを介した利用を促進する   ため、学校における情報セキュリティ技術や簡易型インターネットアクセス網構築の   ための技術、ネットワーク上の教材コンテンツを自動判別して高速・容易に検索を   可能とする技術、トラブルや問い合わせへの対応を迅速化・効率化して対応の質的向上   を図る次世代ヘルプデスク支援システムに関する技術、学校に配備する平均的な端末   から、インターネット上で3Dコンテンツ等大容量のコンテンツの閲覧を可能とする   技術等を開発し、学校教育に導入する。(総務省、文部科学省)  iii)2004年度までに、ネットワークを利用した遠隔学習等先進的な学習基盤に必要と   なる教育情報システムや学校用に有害情報等に対するレイティング・フィルタリング   ソフト等を開発するとともに、教育用に限り著作権フリーに使用可能な画像データを   蓄積、管理する教育用画像素材の管理・配信システムを開発し、学校教育に導入する。   (経済産業省、文部科学省) オ)教育用ポータルサイトの整備等  学校教育や生涯学習に関する情報について、全国各地から有益な検索ができるような  ポータルサイトを整備拡充すること等により、インターネット等を通じた教育及び学習の  振興を図る。  i)2005年度までに、各種の教育用コンテンツを検索したり、ダウンロードできたりする   ような教育情報ポータルサイト等の教育情報ナショナルセンター機能を整備し、   国立教育政策研究所において運用する。(文部科学省、総務省、経済産業省)  ii)2005年度までに、衛星通信を活用して提供される学校教育・社会教育に関する情報・   研修番組や学習番組等が全国で受信できるなど生涯学習の振興に資するために必要な   受信設備の配置を行えるようにする。(文部科学省) 2.プロジェクト紹介:バーチャルモールを活用した地域連携共同学習システム 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (1)目的  平成12年度のEスクエア「先進的情報技術活用プロジェクト」事業により開発した 「世界規模の仮想企業経営プログラムを支援する電子商取引システム」を共通基盤 としてバーチャル・モールを開設し、その上に、学校段階や地域を越えて生徒や 支援者達が企業経営や商取引に参加できる地域連携共同学習システムを開発する予定である。 そして、この教育プログラムが、今後の教育改革において一つの有効な手段である ことを検証し、広く全国に普及を計るものである。 (2)成果目標  仮想企業経営プログラムは参加生徒が主体的に会社を立ち上げ、運営していくなかで、 様々な問題に直面し、グループで相談しながら、地元企業人や指導教官の支援のもと、 意思決定を行っていく。この過程で、生徒達が自ら考え物事を進めていける業務遂行能力、 また商品開発や企業運営に関わるビジネス知識やITスキル、自分自身の職業観を培うこと を目的としている。また、地域の社会人が学校教育に関わることで、学校が実社会のニーズ について知り、支援する大人が地域の人材育成に積極的に関わる機会を得る。 同時に、生徒達は、教員以外の大人と接したり、地域の企業について学んだりすることで、 多様な価値観があることに気付き、地域や地場産業に目を向けるきっかけを得る。 (3)活動内容  本提案の基盤となっている仮想企業経営プログラムは、参加する生徒が、担当教師や 実存の企業であるビジネス・パートナー(支援企業)の支援のもと、販売する商品を決め、 広報ツールを作成し、企業運営を行いながら、世界的な規模のネットワークに参加し、 商取引をシミュレーションするものである。 本年度は、昨年度課題として残されたシステム機能の充実に取り組み、電子商取引システム をより利用しやすいものへと改善するとともに、ネットワークへの参加校を全国レベルに拡大する。 そして、高校生や大学生などの高学年の生徒が作成した仮想の商取引市場である バーチャル・モールに支援企業人や保護者だけでなく、小学生・中学生段階の生徒が 参加できるようにすることで、仮想市場を広げ、よりリアルなビジネス教育を可能にする。 そして、教育段階を超えた共同学習や産学の良きパートナーシップの教育効果や、 仮想企業経営教育プログラムが今後の人材育成に与える有効性について検証する。 詳細については、以下を参照ください。 ・本実践研究の実施状況用HP http://www.entreplanet.org/e_square/h_13project.htm ・平成12年度の活動内容 http://www.edu.ipa.go.jp/E-square/books/H12/2/sensin/v-company/index.html http://entre.kysa.co.jp/frames/Fvc.html ============================ ================================= 発行:Eスクエア・プロジェクト事務局 編集:関 幸一、塩本 愛 =================================