作成にあたって
 
 
 コンピュータが学校に導入され久しくなりますが、現場の先生方にはとまどいを感じている方がいらっしゃると思います。以前は、コンピュータの機能が低く、「これがいったい何に使えるのだろう」と悩んだのではないでしょうか。最近は、ハードウェアの性能も向上し、ソフトウェアも高度になり多様化してきました。今度は、どの機種、どのソフトを選んだらよいのか、と悩みがでてきました。「教育にどうコンピュータを使うか」という悩みがある一方、実際にコンピュータを使っていて、使い方がわからなくなったり、トラブルが起きたり、という悩みもでてきました。
 こうした問題を側面から援助してくれる、大変ありがたい制度ができています。それが、システムエンジニア(SE)を学校に派遣するという事業です。コンピュータの専門家であるSEが先生方の相談にのったり、研修をしてくれるならば、これほど心強いことはありません。この事業はまだ始まったばかりであり、どのような手続きで、どのようなコミュニケーションをとっていけば、この制度が有効にはたらくのか、教育界及び産業界の方々によく理解されていないのが現状です。
 そこで、学校側、SE側、双方に、心得なければならないことをコンパクトにまとめたハンドブックをつくろうということになり、(財)コンピュータ教育開発センター(CEC)が中心となって委員会を構成し、メンバーがそれぞれの経験に基づき、議論を重ねて、まとめあげることができました。ぜひ、教育委員会、学校、SEなど、それぞれの立場の方に、事業の趣旨をご理解いただき、コンピュータが学校で有効に利用されるよう、このハンドブックを活用していただくことを、作成者一同願っています。