100校プロジェクトから地域展開へ


前橋市立第四中学校 折田一人
orita@daiyon-jhs.maebashi.gunma.jp

 

1 100校プロジェクトへの参加
    (1)第四中学校の実践
 今から3年前、本校が100校プロジェクトに参加した頃、インターネットに接続できるコンピュータは1台、利用するのも私1人という状況であった。それが今では、校内の全教室にLANが張り巡らされ、どこからでもインターネットが利用できるばかりでなく、生徒や教師全員がメールアドレスと個人のホームページを持ち、インターネットは様々な場面で利用される様になった。
 本校ではこうした全校をあげての実践のために、技術の「情報基礎」を各学年10時間ずつに分割し、インターネットの基本的な利用方法などを指導するとともに、様々な教科や委員会活動等でその活用を図ってきた。特に
 などの総合的な学習では、生徒自らが課題を設定し、その課題解決や発表の手段としてインターネットを積極的に取り入れた活動を行ってきた。
(2)成果と課題
 上記のような実践により、
という大きな成果を得ることができた。
 しかし、実践を継続していく中で、
 など、多くの課題が残されたのも事実であった。そしてこれらの問題を1つの学校単位で解決することは、もはや限界が見えてきたのである。

2 地域展開への試み
    (1)前橋市学校間ネットワークの概要
そこで前述の問題を解決し、すべての学校でインターネットを活用して成果をあげるために、前橋市では、前橋市総合教育プラザを中心に市内の全市立学校80校をインターネットに接続する「前橋市学校間ネットワーク」を整備している。そこでは、
などの機能を持ち、単に物理的にインターネットに接続するだけでなく、利用のための様々な支援や共同利用企画などの推進などの業務を行う予定である。
 しかしながら、こうしたネットワークを構築するには、非常に多くの専門的な知識を必要とし、教育委員会内だけでは対応できない。また、そのすべてを外部委託しては、子供たちや教師の様々な要求にきめ細かく対応するのは難しい。そこで、これらの問題を解決するために、前橋市では、地域のインターネット接続のボランティア団体であるインターネットつなぎ隊(GIVE)の技術的協力を得ながら、自分たちの手で使いやすいネットワーク環境の構築を行おうとしているのである。
    (2)今後の課題
 しかしながら、上記のような理想を掲げつつも現実にはなかなか計画通りには進んでいないのも事実である。現在、多くの自治体などで学校のインターネット接続が構想されているようであるが、インターネットを子供たちや教師の道具として活用していくには、機材や回線のようなハードウェアでなく、人や組織のソフトウェアの整備こそが重要であるが、その部分が最も解決しにくい部分でもある。
100校プロジェクトは多くの成果を挙げるとともに、地域への展開のために何が必要か多くの点を示唆してくれたという点においても非常に意義あるものであった。それをこれからの展開に生かして行くことが、私たち参加校に与えられたこれからの使命であり、このすばらしいプロジェクトに参加させていただいたことへの、ささやかな恩返しとなるのではないかと思っている。

3 資料
・前橋市立第四中学校 http://www.daiyon-jhs.maebashi.gunma.jp/
・前橋市総合学習プラザ http://www.daiyon-jhs.maebashi.gunma.jp/plaza/men.html
・インターネットつなぎ隊 http://www.gunmanet.or.jp/tsunagi/