アジアの高校生との海外交流
広島市立基町高校
教諭  難波 太
QYJ06205@niftye.ne.jp
写真1 :新幹線のホームで全員集合
 
         
1. はじめに
 1997年の3学期school@csi(中国・四国インターネット教育利用研究会)からの電子メールにこんなことが書いてありました。「東海地方にやってくるアジアの高校生と広島で交流していただけませんか。韓国・ネパール・タイの高校生が平和都市ヒロシマでの交流を希望されています。」詳しいことを問い合わせたところ,交流はお互い英語で行い事前の打ち合わせなどに電子メールを利用するということでした。
2. メーリングリストによる交流
 電子メールでの交流は,2つの生徒用メーリングリストで行われました。1つ目は東海地方と広島の高校生のための日本語メーリングリスト,もう1つはアジア3カ国の高校生と交流する英語メーリングリストです。2つとも教師用のメーリングリストへ自動的に流れてきて,生徒たちの話題を把握できるような仕組みになっていました。
3. 電子メールの送受信
 本校は「こねっとプラン」でインターネットを使用しています。本校の規定によりこのパソコンは,生徒が勝手に触れないこととなっています。そこでパソコンの操作は私が担当しました。しかしこれでは,教師によってメールの内容のチェックが入るようで,のびのびとした交流がスポイルされているような気がしました。
写真2:韓国の高校生が持ってきたパソコン
写真3:原爆資料館にて
 
4. 直接交流
 事前に電子メールの交換をしていたおかげで,生徒たちはすぐに打ち解けました。またアジア3カ国の高校生が話す英語は,聞き取りやすかったようでした。平和記念公園で原爆の資料を一緒に見たり,広島名物のお好み焼きを食べたりと,とても楽しい3日間でした。
5. 実践の成果と課題
 (1)メーリングリストを体験し電子メールでのマナーやエチケットを学ぶ
 話題が個人的すぎないように,誰が発言したかよく分かるようにする,不幸の手紙に相当するチェーンメールはとても迷惑であるなど,実際に電子メールを体験したので良く理解できたようでした。
 (2)他の日本の高校の生徒の考え方などを学ぶ
 インターネット先進校である東海地方の高校生たちは,本校の生徒にとってとても刺激になりました。また英語のメールばかりでなく,リラックスして読める日本語メールがあったのも良かったです。
 (3)アジアの高校生と英語でコミニュケーションし国際理解へと発展させる
 生徒たちが得たものは,単なる知識ではなく,人と人との絆であったのではないでしょうか。私はこの企画に関わって本当に良かったなと思いました。
6.終わりに
 今回の交流では電子メールが非常に活躍しましたが,電子メールだけではなかなか人と人との絆は生まれません。反対に直接会う場合も短時間では互いを深く理解するには不十分です。直接交流という絆をベースにして,個人と個人を結ぶ電子メールを通しての交流を行うことが,さらに深い絆を生んでいくことでしょう。電子メールは,面と向かっては伝えられない心を伝えることのできるメディアですから。