はじめに

 100校プロジェクトをきっかけとして学校でのインターネット活用が盛んになりつつあります。

 インターネット活用により,世界の人々と地理的・時間的制約を超えて交流が可能となってきました。

 学校教育においても教室での教科書や手持ち資料に基づく授業に比べて,より具体的で実践的な授業が出来る可能性を秘めています。また,魅力的な活用ツールでもあります。

 それでは,誰でもすぐに実践できるかと言いますと,別問題です。そこには,多くの困難があります。必ず通らなくてはならない道程があります。

 実際に学校でのインターネット活用が盛んになったとは言え,まだ始まったばかりです。まして,授業の中で国際交流活動を行っている学校は限られています。それでも多くの困難を乗り越えて国際交流活動に取り組んでおられる先駆的な先生方がいらっしゃいます。貴重な経験を積んでおられます。

 そこで,平成9年度より第二フェーズを迎えた新100校プロジェクトの重点企画である国際化の事業の一つとして,これら貴重な経験をとりまとめて,これから国際交流を始めようとする小・中・高校の先生方を対象とした初歩的なガイドブックを作成することに致しました。

 (財)コンピュータ教育開発センター(CEC)が中心となって,専門家・経験者による編集委員会を構成し,メンバーがそれぞれの経験に基づき,議論を重ねて冊子をまとめ上げることができました。

 しかし,ガイドブックを読んだだけでは,本物ではありません。実践しなければ本当の国際交流の意味は実感できません。海外に行って初めて日本はこんな国であり,こんな文化だったのかを実感するものです。実践を通して児童・生徒達に海外の現実の姿に触れさせ,そこから児童・生徒達自身の変容に接していただきたい。ぜひ,先生方にこのガイドブックを活用していただき,国際交流を進められるよう編集委員一同願っております。