2000年2月横浜市立本町小学校へデータ提供
お手紙を拝見しました。
「国際平和についてのホームページ」作成、難しいと思いますが、がんばって下さい。
葛小学校にある青い目の人形についてですが、
○ パスポートは、ありません。
○ 名前 ローズ
○ 出生地 不明
葛小学校は、戸毛小学校と朝町小学校が合併して出来ました。青い目の人形は、戸毛小学校に配布されたものです。
昭和2年5月19日、当時の戸毛小学校 高木校長先生が、高田高等女学校におもむき、アメリカ人形をいただきました。そして、7月28日に戸毛小学校で、アメリカ人形歓迎会として音楽会が開催されています。
第2次世界大戦では、敵国の人形として、処分されかけたようですが、当時の子どもたちが自分の家に持ち帰り、人形を秘密のうちに守ったようです。第2次世界大戦が終わってから、また学校に帰ってきました。
昭和57年に、戸毛小学校と朝町小学校が合併して、葛小学校となりました。青い目の人形はそのまま引き継がれ、校長室で保存しています。引き継がれたときにはパスポートがなく、名前が分かりませんでした。しかし、昭和2年度の卒業生が書いた作文の中に、『アメリカから親善大使として送られてきた、かわいらしいローズちゃん。みんなで喜んでお迎えしたあの人形は、どうなったことでしょう。』と記されていて、名前が分かりました。
服のいたみがひどかったのですが、「青い目の人形交流展」を見に来られていたアメリカの人が、新しい服を作って送ってくれました。今は、その新しい服を着ています。もちろん、古い服は、きちんと保存しています。 人形を横にすると目を閉じます。起こすとパッチリと開けます。かわいいので、学校のみんなが校長室にやって来ます。
ローズちゃんには、あごの所に傷があります。その傷を見ていると、ローズちゃんは、第2次世界大戦当時の子どもたちの、必死の願いで守られてきたことが想像されます。しかし、当時、誰が(複数の子どもたちであったと思われますが)、どのような方法で守り通してきたのか、はっきり分かっていません。でも、その子どもたちの思いを私たちは、考えていかなければ…… と、思っています。これからも大切に守っていきたいと思います。