「世界の学校教育におけるインターネット活用」
新100校プロジェクト 国際シンポジウム'98
国内の事例発表 小学校
School NewsやE-mailによる国際交流
The culitural exchange by " School News" and " E-mail"

前橋市立第四中学校 教諭 町田博幸
Maebashi Daiyon Junior High School / Hiroyuki Machida

概要
1)School News や E-mailによる国際交流
The culitural exchange by " School News" and " E-mail"

2)前橋市立第四中学校 教諭 町田 博幸
Maebashi Daiyon Junior High School / Hiroyuki Machida

3)私の学校の国際交流委員会ではスクールニュースを作成し、海外の日本人学校との交流を行ってきました。お互いの学校での生活の様子やその国の珍しいものなどを紹介し合いました。また、英語科でも世界の子供たちと文通ができる「キッズスペース」を利用し、E-mailの交換を行っています。
We had a cultural exchange project with some Japanese schools in a foreign country by using School News which our students made. We could know the school life of overseas students. We also had a special lesson of exchanging E-mail with students in a foreign country during our English class.

4)スクールニュース ・E-mail・国際交流
School News  cultural exchange

実践例 1 英語でメイルを送ろう  
@ 実施学年 第 1 学 年 ( 2 学 期 )
A 題材名 Enjoy English ( 教科書外のコミュニケーション活動 )

(1)交流のねらい
 子供たちが自由に文通することのできる”Kids space”から文通相手を探し、自分達の自己紹介や日本の文化や生活についてのE-mailを交換し合った。
 これは、英語学習の入門期の一年生にとってインターネットを用いて外国に住む同世代の友達にメールを書いて送ることは、外国についての関心と理解を深めるとともに、英語での実践的な表現力を高めていこうとする意欲を高めることのできる活動であると考えた。また、1学年での英語学習指導目標である「伝えようとすることを簡単な文で書く」を達成させるのに有効的な題材であったと言える。

(2)授業実践例
「英語でメールを送ろう!」 学 習 計 画 (5時間配当)

1時間 3時間 1時間

(3)生徒の変容と成果

(4)今後の課題

実践例2 スクールニュース

(1)プロジェクトの目的
 昨年度、日本人学校のほとんどがインターネットに接続されたことで、「スクールニュースプロジェクト」が発足し、本校はそのプロジェクトリーダーとして運営を行った。
 目的は、世界中の日本人学校や補習授業校等の在外教育施設同士がスクールニュースを中心とした交流を通して、様々な地域の文化や生活の違い、共通点について話し合い、人間や異文化の理解を深めることにあり、昨年度は17校が参加した。

(2)計画
 参加校は月に1回、月別のテーマをもとに写真やイラストなどを積極的に取り入れたスクールニュースを制作し、本プロジェクトのホームページに掲載したり、他校の制作したスクールニュースと比較し、意見や質問があれば掲示板やメーリングリストなどを用いて意見交換などを行った。また、手紙やプレゼントなどの交換を行うことで、バーチャルなコミュニケーションが実物と結びつく様に配慮した。
 こうした活動を通して、自分の住んでいる地域や学校についての理解が自然と深まるとともに、それぞれの文化や生活の違いに気づき、自国の文化に誇りを持つとともに、他国の文化を尊重することのできる子供たちの育成を目指した。
 なお、スクールニュースの月毎のテーマと内容は、下記のとおりである。

(3)活動内容
1)交流方法
 参加校は月に一度、スクールニュースのぺージを制作し、本校に設けられたサーバーに登録する。また、交流ができるように専用のメーリングリストと掲示板を用意した。

2)プロジェクトの運営
 運営や活動内容に関する話し合いや連絡は、全て本校で用意した専用のメーリングリスト上で行った。基本的には本校からテーマや内容について提案し話し合いを行った後各学校でスクールニュースを制作する。それを本校で登録してメーリングリストに案内を出したり、意見や感想を紹介したりする。また、技術的な質問や参加校からの提案などに対してもできるだけ速やかに対応する必要がある。こうしたプロジェクトリーダーの日常的な連絡や調整がプロジェクトを継続的に運営する上では非常に重要である。

3)本校のスクールニュースの制作
 本校では、国際交流委員会の生徒が交代で制作している。まず、月始めに編集会議を開き、大まかなページ構成と役割分担を決める。次に担当の生徒がデジタルカメラやメモ帳を持って取材を行い、それぞれのページを制作し、互いのページをリンクする。こうした活動は、毎月行われる定型的な作業のため生徒が自主的に行っており、教員は最初の編集会議と最後の確認に立ち会う以外は、ほとんど手を出す必要はなかった。

4)他校のスクールニュースの制作・支援
 海外の日本人学校の中にはホームぺージの制作が困難な学校もあり、その学校から文章や写真などのデータを電子メールや郵便で送付してもらい、それをもとに本校の国際交流委員会がホームページ制作を代行しながら制作方法についての支援を行った。

5)スクールニュースをもとにした交流
 毎月制作されるスクールニュースは、共通のテーマで制作されているためそれぞれの国ごとの違いや共通点などがわかりやすく、また、全て日本語で行えるので文化や自然など難しい内容についても話し合いを行うことができた。こうした交流はメーリングリストや掲示板を使って行われ、その記録もホームぺージ上で公開している。

6)カード・プレゼント交換
 スクールニュース12月号のテーマに連動した企画として、「年末のカード・プレゼント交換プロジェクト」を実施した。急な呼びかけにも関わらず8校が参加し、各学校から本校に沢山のクリスマスカードや絵葉書、プレゼント、学校の様子を紹介したビデオテープが届けられた。本校ではそれらを参加校に均等に分割して配布した。普段は電子 メールを使ったバーチャルなコミュニケーションであったが、相手の心を込めた手作りのカードや、それぞれの国の特徴がよく表れたプレゼントなどの実物を見ることができ、お互いの学校への親近感を抱かせるのに非常に有効であった。

(4)成果と課題
 この活動を始めて約半年で、以下のような成果をあげることができた。

などの問題点も明らかになった。
 国際交流を継続的に行うためには、担当者同士の緊密な連絡と事前の準備、さらに、自分の都合と相手の都合が必ずしも合致しない点を忘れずに、相手の立場に立った交流を行うことが継続してプロジェクトを実施する上で重要なポイントであることが分かった。

1998.6.18 Update