平成13年度

教育用画像素材構築

公募要領









平成13年5月

(財)コンピュータ教育開発センター




1.事業の目的

2002年度(高等学校は2003年度)から実施される新学習指導要領では、「各教科等の指導に当たっては,生徒がコンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を積極的に活用できるようにするための学習活動の充実に努める」旨が明示されており、新たに「総合的な学習の時間」や「情報」といった教科の中でコンピュータを活用した授業の具体化が予定されている。さらに、2000年度からは新学習指導要領の移行期間に入り、コンピュータやインターネット等を活用した授業の確立には一刻の猶予もない状況である。 そのためにはコンピュータ等のインフラ整備や教員への研修等の取組みが必要である一方で、教員が実際の授業で自由に利用できる材料として様々な教育用画像が豊富に存在することが重要である。

我が国においては無料の画像提供は非常に限られており、こうした状況に鑑み、平成11年度第二次補正予算事業として「教育用画像素材構築事業」において、学校等教育機関での教育を目的とした複製・加工など自由に利用できるように著作権処理を行った教育用画像素材を開発した。

しかしながら、教科によっては、まだ不足している分野も残っており、各教科における指導のためには、さらなる充実が必要であるため、本公募では、昨年度に引き続き、教育用画像素材の開発をすすめる。

なお、本公募は、情報処理振興事業協会(IPA)が、従来から実施してきた教育分野での情報処理振興の一環として、平成13年度一般会計予算により政府から補助を受けたものであり(公募総額約2億円)、(財)コンピュータ教育開発センター(CEC)がIPAより委託を受け、実施するものである。

2.公募の内容

各教科において活用可能な画像素材を開発する。ただし、昨年度開発したテーマと重複しないようにすること。昨年度の開発テーマについては[参考資料−1]「平成11年度補正事業での開発テーマ一覧」を参考のこと。追加が望まれているテーマ例をあげておく。

 <追加が望まれるテーマ例>

算数・数学: 図の描き方、平面図、立体、空間図形、二次曲線、定理や証明等
国語: 現代文、詩、漢文 等
理科: 動物 等
家庭: 調理器具の使い方、被服 等
保健体育: 球技、水泳の連続写真および動画、病気、性及びエイズ等に関するもの 等
外国語: 大統領等の公開演説等
道徳: 生活習慣、交通安全、麻薬及びその影響等
技術: 工具の使い方、工作の基礎知識等
総合: 日本から海外への情報発信に必要な、日本の文化(歌舞伎、人形浄瑠璃など)の説明に活用できるもの(なお、このテーマについては英語による説明文等の表記を行うものとする)。

提案にあたっては以下を考慮すること。
(a)昨年度開発したテーマと重複しないこと。
(b)授業や学習において活用した際に教育的な効果が高く、様々な教育・学習現場での波及効果を持つと考えられるもの。なお、具体的な教育での活用事例を含めた提案であることが望ましい。
(c)実際に容易に見たり、聞いたりできないものなど学校現場では入手が困難なもの(著作権処理が困難なものを含む)。
(d)単なる静止画や動画ではなく、30cm定規を画像内に含める等により大きさを比較できるなど工夫をしたもの。
(e)既存画像を流用する場合、画像の質(品質、編集内容)が要求レベルに満たない可能性があるため、できるだけ新規撮影することが望ましい。

3.開発対象物とその仕様

開発する対象物およびその仕様は以下に従うこと。詳細については、採択後に実施する企業説明会において説明する。なお、参考までに、昨年度の仕様書を[別添資料―2]「画像・メタデータ納品仕様について」としてつけておく。

(1)静止画
・600x400ピクセル程度のJPEGファイル
・120x80ピクセル程度のサムネイル・ファイル
・画像の内容を説明するための100文字以内のテキスト・ファイル

(2)動画
・320x240ピクセル程度のMPEG1ファイル
・再生時間30秒以内、ファイル・サイズ3MB以内を目安とする。
・120x80〜90ピクセル程度の動画の内容がわかるようなシーン2〜3枚
・動画の重要なシーンの600x400ピクセル程度の拡大静止画(JPEG)1〜3枚
・画像の内容を説明するための100文字以内のテキスト・ファイル

インターネットからのダウンロードを考慮し、静止画、動画ともにファイル・サイズと画質のバランスを考慮すること。

(3) LOM(Learning Object Metadata)
・各画像毎に、タイトル、ファイル名、画像の種類、キーワード、該当する学習指導要領など約34項目のデータを記載したExcelファイル

(4) その他関連資料(任意)
・100文字説明文に収まらない詳細説明文などのテキスト ・画像を利用した教材例(HTML) など

4.権利処理

 本公募は、将来的な教育におけるコンピュータ及びインターネット等の利用を推進するため、開発した静止画、動画等については、学校等教育機関等(家庭での教育利用を含む)において、教育目的に限り、利用許諾を無償でかつ著作権所有者に通知なく自由に供与するほか、複製、加工、二次的利用(画像を活用した発表やその発表を掲載した出版等の活動を含む)等を認めることを前提条件とし、IPA又は教育関係機関等からWeb上で公開しダウンロードにより入手を可能とする等広く利用を進めていくものとする。

権利処理については、契約者が、開発する画像にかかわるすべての原著作権者、肖像権者等の利用許諾をとりまとめるものとする。契約者は、IPAに対する利用許諾書を提出し、添付資料として原著作権者等からの利用許諾書のコピーをつけるものとする。複数の原著作権者等がいる場合は、各権利者と画像の対応表を作成すること。 参考として、昨年度の「利用許諾書」を[参考資料―2]「利用許諾書(案)」 に付けておく。

5.プロジェクト要件

 開発に際しては、教育現場のニーズを踏まえた静止画や動画等を開発できるように、学校現場(教師)、教育委員会等の教育関係者を含む体制を整えること。教育向けの教材等を作成した経験がある者の方が望ましい。 以上の体制については、「テーマ提案書」の「11.実施体制」に必ず明記すること。

6.採択後の契約条件

(1)契約形態
 請負契約とする。

(2)開発費用の規模・範囲
 1プロジェクト当たりの開発費用の上限・下限は特に定めない。経費としては、開発に係る人件費、外注費及び開発に必要な機器の利用に係る費用を対象とする。

(3)実施期間
 契約締結から開発の成果物の納入までの期間については、プロジェクト毎に必要最小限の期間を設定するものとする。ただし、平成14年1月末日を最終期限とする。

(4)成果物の納入及び開発費用の支払い等
 最終成果物として、開発された部品を含む静止画や動画等をCECに納入するものとする。成果物の納品形態については契約時に確定するものとする。CECは、これを受けて所要の検査を行い、成果物の内容が契約に定められている条件を満たしていることを確認のうえ、開発費用等を支払う。

(5)成果物に係る知的財産権等の取扱い
 本事業は、IPAから事業委託契約を受けたCECとの開発請負契約に基づいて実施されるものであり、開発成果物に係る知的財産権等はIPAに帰属する。そのため、開発成果物の利用(学校等教育機関の利用を除く)には原則としてIPAとの権利共有又は利用許諾の手続きが必要であり、これに伴う対価の支払いが求められる。

 契約者が事業化等のため、開発成果物に係る知的財産権等の権利をIPAと共有する場合は、当該権利共有に係る対価を契約金額の20%に相当する額とし、その支払方法についてはIPAと契約者間で締結する「開発成果物の権利共有に関する契約書」において定める。ただし、学校等教育機関における教育利用等公共の利益に供するものである場合には、IPAは当該対価の支払いを免除することができる。

 契約者がIPAと権利を共有し、開発された成果物の一部又は全部を商品化し又はこれらを利用して役務を提供する場合において、契約者が当該商品を販売又は役務の利用料を徴収する場合には、当該商品の販売に係る売上高又は利用料に「開発成果物貢献比率」をかけた金額の2%をIPAに支払うものとする。ただし、この販売又は役務の提供に係る支払累積額は、契約金額に相当する額を限度とする。開発成果物貢献比率は、当該商品又は役務における開発成果物の貢献比率であり、この比率はIPAと契約者が協議の上決定するものとする。

 なお、権利を共有した契約者からライセンシング(利用許諾)等を受けた者(以下「利用許諾者」という)が当該商品を販売し又は役務の利用料を徴収する場合には、別途締結する契約において詳細を定めるものとする。

7.提案書作成上の注意

(1)「テーマ提案書」の具体的な記載内容については[別添資料−1]「テーマ提案書記入要領」を参照のこと。

(2)「テーマ提案書」には、参考資料等を添付してはならない。必要事項は全て「テーマ提案書」に記述すること(ただし、提案書に具体的なコンテンツのイメージを含めてもかまわない)。

(3)上記(1)〜(2)の要件を満たさない提案書については、審査対象から除外し通知も行わないものとする。

(4)「テーマ提案書」は、ホッチキス止めはしないこと。まとめる場合は、  着脱可能なクリップ等を使用すること。

8.審査方法等

(1)審査方法及びスケジュール
 提案の審査は、CECに設置された外部有識者等から構成されるテーマ選定委員会において行う。

 提案書の審査にあたっては、CEC事務局において形式審査及び書面審査等を行った後、必要に応じてヒアリングを実施し、その結果を踏まえてテーマ選定委員会において採択案件を決定する。

 最終的な選考結果については、平成13年7月上旬を目途に各提案者宛に通知するとともに、採択案件の一覧をCEC及びIPAのホームページで公表する。

(2)審査基準
(a)形式審査
 形式審査は、期限内に提出された提案書について、必要な書類が揃っているか否か、必要事項が記載されているか否か、書面審査を行うに足る記述がなされているか否かを審査する。

(b)書面審査
 書面審査は、「テーマ提案書記入要領」で求められている事項を、下記の観点に照らして審査する。

(c)ヒアリング
   必要に応じてヒアリングを行う。
   なお、ヒアリング時に、画像のサンプルの提示を求めることもある。

9.応募方法

(1)提出期限
平成13年6月2日(土曜日)(当日消印有効)までに提案書一式をCEC宛て郵送で提出すること。なお、期限を過ぎて提出された提案書については、審査を行わずに返却する。

(2)提出書類
提案するテーマ毎に下記の書類を1つの封筒に入れ、「教育用画像素材構築」と表に朱記の上、提出すること。

(注意)持ち込みはご遠慮下さい。

(注意)提出書類は返却しません。機密保持には充分配慮します。

(3) 応募に関する問い合わせ及び提出先

   〒105-0001
   東京都港区虎ノ門一丁目23番地11号
   寺山パシフィックビル7F
   (財)コンピュータ教育開発センター 研究開発室
   FAX 03−3593−1806
   E−Mail gazo@cec.or.jp
・問い合わせの受付はFAX、E−Mailのみとする。
(注意)電話での問い合わせは応じられませんので、ご注意ください。

・申請書等のワープロファイル(MS Word95版)は、公募のトップページからダウンロード可能です。

以上


[参考資料−1]

平成11年度補正事業での開発テーマ一覧

テーマ 説明
地球観測衛星から見た世界の地形 3DCGによる世界の特徴的な地形を紹介。
地球観測衛星から見た県庁所在都市 県庁所在地の衛星直下視画像を収録。
みつめよう私たちの国土 日本各地のまちのすがた、お寺・神社などを収録
国際理解 世界各国の暮らしぶり、街の様子を紹介。
日本と世界の世界遺産を紹介。
三内丸山遺跡(縄文時代) 発掘の様子、出土品、復元された建築物などを紹介。
吉野ヶ里遺跡(弥生時代) 発掘の様子、出土品、復元された建築物などを紹介。
縄文人と弥生人の骨格 縄文人と弥生人の骨格画像を収録。
調べてみよう!日本人のくらしの移り変わり 縄文時代から江戸時代までの、日本人のくらしぶりを紹介。
歴史記録映像 明治27年から昭和21年までの近・現代史映像を収録。
身近な昆虫・動物や植物と自然環境 磯・川・山で見られる生物、日本で見られる樹木等を収録。
理科第1分野 実験・観察集 光・音・電気・磁気の実験、化学実験などを収録。
理科第2分野 地球と宇宙 宇宙と地球、スペースシャトルでの宇宙実験などを収録。
自然現象 珍しい自然現象の映像とCGによる解説。
植物の微速度撮影 植物の成長のようすを微速度撮影で紹介。
吸水実験の微速度画像を収録。
CGで見る生物のしくみと働き 人体を中心に、CGによる解剖学的映像を収録
古文 古典作品の舞台になった場所、建築物を紹介。
情報 コンピュータ技術等についてCGを使って解説。
中学校・体育資料 体ほぐし運動をスロー再生などで解説。
マット運動、鉄棒運動、とび箱運動を、CG、スロー再生などで解説。
インターネット美術館 15世紀から17世紀のルネッサンス以降の西洋美術作品を紹介。
介護 在宅介護技術を動画で紹介。
手話 手話を動画を用いて解説。
基本語彙・シンボル 特殊教育現場で活用できるコミュニケーションシンボルを収録。
動作語 特殊教育現場で活用できる動作語を収録。
「能と狂言」入門 能の歴史、装束、面を紹介。また、「羽衣」を収録。
狂言の歴史、装束、面などを紹介。また、「棒縛り」を収録。
日本の祭り 日本の祭り100選を収録。
伝統的工芸品 全国194ヶ所の伝統的工芸品を収録。
全国53産地の高技能者の「巧みの技」を紹介。
匠の技と心 無形文化財保持者・保護団体の卓越した技能を紹介。
和楽器 筝・三味線・尺八などを紹介。各楽器での「さくらさくら」の演奏も収録。
おりがみ やさしいものから芸術作品レベルの折り紙102種を、折りかたを中心に紹介。


[参考資料−2]

情報処理振興事業協会 殿

利 用 許 諾 書 (案)

 平成11年度補正事業「教育用画像素材構築事業」において作成する画像(添付資料参照)について、情報処理振興事業協会に対し、以下の条件の下で、利用することを許諾いたします。 **(対象となる画像および権利がわかるような添付資料をつける)**

  1. 利用範囲
    学校等教育機関等(家庭での教育利用含む)における教育目的での利用に限り、自由に供与するほか、複製、加工、二次的利用(画像を利用した発表、資料の出版物への掲載)等を認める。
  2. 提供方法 情報処理振興事業協会または学校等教育関係機関等により、ネットワーク(インターネットを含む)上で公開し、自由にダウンロードできるようにする。また、印刷物あるいはCD−ROM等の電子媒体で、学校等教育機関に無料で配布する。


平成   年   月   日

権利者名                                    

住 所

        

                                           

電話                  FAX