教育の情報化推進事業
 「司書教諭・SE等の連携による教員の情報化研修支援システムおよび実証実験」プロジェクト 

○目的

司書教諭、SE、教員を対象にした各研修コンテンツ(カリキュラムと教材)の制作と、研修支援システムおよび教育ソフトウェア情報の検索システムの開発を行い、これらのコンテンツとシステムを利用して研修を実施し、その有効性を確認することを目的としています。

○司書教諭研修用コンテンツ

司書教諭研修で使用する、特に情報化教育に関する教材コンテンツを作成しています。これは、全国の大学で実施されている司書教諭資格取得の講習会で使用されます。カリキュラムは、「情報メディアの活用」「学習指導と学校図書館」「学校図書館メディアの構成」「司書の情報化」の4科目、計30以上の項目から構成されており、教材は、先進校を中心とした取材による、静止画、動画、インタビューなどの素材を集大成したものとなっています。これらは、CDROM6枚、ビデオ(学校図書館の先進事例、他)、DVDに収録する予定です。

○SE研修用コンテンツ

コンピュータを活用した授業実践を行う教員を支援するSEを育成するための教材コンテンツを作成しています。研修用のテキストは、学校をとりまく環境についての基礎知識や、活動にあたっての考慮点などから構成され、特にケーススタディを考えることによって学校でのSEの対応を学習することができるようになっています。研修用テキストは、PDFファイルをWEB上で公開する予定です。

○教員研修用コンテンツ

教員が授業にコンピュータを活用できるようになることをねらいにしています。受講者が演習課題に取り組み、授業での活用場面をイメージして、学習展開案を作成する研修です。校内研修や、小グループ形態での研修も可能です。教材は、テキストと約30題の演習課題・学習展開案例集、導入編および演習編のビデオ、指導者ガイドから構成されています。研修は、導入編ビデオを視聴してコンピュータ活用のメリットを確認し、どのように活用するかを討議するところから始まります。次に演習編ビデオで演習の流れを確認し、演習に進みます。演習は、演習課題を検討・理解し、使用するソフトの体験、活用イメージの討議、学習展開案の作成と討議、発表会と評価・見直しを経て、模擬授業または実践授業を行い、反省会、まとめまでを行うことを基本的な流れとしています。最終的に完成した教材は、CDROMに収録し、全国の小中学校に配布する予定です。

○研修支援システム

各研修を遠隔研修の形態で行うために、研修を支援するシステムを開発しています。研修コンテンツを登録・更新し参照するための「閲覧室」、参加者全員がテーマごとに用意された掲示板に発言やファイルの添付ができる「掲示板」、受講者と指導者間で質疑応答を行える「Q&A」、受講者と指導者間でファイルの送信返送ができる「提出箱」、その他管理者用メニューから構成されています。

○教育用ソフトウェア情報の検索システム

授業に使用できる教育用ソフトウェアの情報を収集することができるようにするため、これの検索システムを開発しています。学習のねらいやソフトの内容・特徴、デモ版や製品紹介ページへのリンク、授業運用ページへのリンク、価格などの情報を蓄積しています。開発・実験終了後は、WEBで公開し、ご利用いただく予定です。

○実証実験

集合研修の形態と、研修支援システムを利用した遠隔研修の運営形態とで、司書教諭、SE、教員の各研修実験を行い、システムの有効性を検証し、今後の課題を検討します。また、教育用ソフトウェア情報の検索システムを情報提供者、情報利用者に使用してもらい、その有効性を検証します。実験参加者は、

   司書教諭研修  4大学での講習会を受講した先生方
   教員研修    横浜市:1校1研究会(計30校)の小学校の先生方
               3校の中学校の先生方
           千葉市:6校の小学校の先生方
               6校の中学校の先生方
           3市合同(東大和、清瀬、武蔵村山)12校の小中の先生方
   SE研修     企業SE
   教育ソフト   教育用ソフトウェアを制作販売する企業(数10社)
           小学校中学校の先生方

1999.11.11