【1】<実践事例>

【2】タイトル:江戸時代における漁業資源の保護〜越後三面川を例として〜

【3】概要(箇条書きとし、特徴を含む):(箇条書きになりませんでした)
 多様な水産資源に富む我が国の沿岸水域は、生産高の高い恵まれた好漁場であるが、近年、水産資源は総じて低い水準にある。このため水産資源を適正に管理・保護するとともに、回復・増加させることが大きな課題となっている。
江戸時代、各藩では、川や海の魚が樹木に寄りつくという習性を経験的に知り、海岸近くにある森林を魚付林として厳重に保護したりするなどして、漁業資源の保護を行った。特に、鮭漁の盛んであった越後村上藩では、鮭漁保護のため魚付林を保護したり、鮭の稚魚の捕獲を禁止したりした。また、鮭の回帰性に気づき、世界にさきがけ人工産卵水路を設け天然孵化の促進をするなど鮭漁の保護を進めた。更に、藩内の村落などでは、鮭漁の保護を目的とした不文律としての様々な生活規範がつくられた。そこで、越後村上藩の鮭漁を事例として、江戸時代における漁業資源の保護について考察させることをねらいとして教材化を行った。

【4】キーワード(学校区分や、学年、教科などを含めない):魚付林・環境保全

【5】学校区分:高等学校全日制普通科

【6】学年:3学年

【7】教科・領域区分(いずれかを○で囲む):地理歴史

【8】学校名(URL):東京都立淵江高等学校

【9】授業者名:石黒保憲

【10】授業実施期間(月日,時間):平成9年1月

【11】単元・題材名:(現行「学習指導要領」)「日本史A」の「(2)幕藩体制の形成と推移」の「イ 幕藩体制の確立と都市及び農村の経済や文化」、「日本史B」 「(4)幕藩体制の推移と文化の動向」の「ウ 産業経済の発展と都市や農村の文化」

【12】単元の目標:
 ア 江戸時代の人々の経験則に基づく、自然と共生した環境保全について考察させる。
 イ 森林と水産資源との結び付きなど、自然の生態系のメカニズムについて考察させ、自然環境保全の考え方についての認識を深めさせる。
 ウ 鮭漁に関する藩のきまりや、村落などにおける様々な生活規範が、鮭漁を保護する上で、大きな役割を果たしていたことを理解させる。

【13】メディア活用の意義:魚付林の機能や鮭の回帰性について、コンピュータのアニメーションを利用し、生徒の学習意欲を高めさせるとともに、魚付林の破壊が漁業資源の減少に結びついていることが具体的に理解できるよう工夫した。

【14】メディア環境
 a) 使用機種:Macintosh(7600/200)
 b) 稼動環境:Macintosh、Proxima(Desktop Projector)
 c) 利用ソフト:Authorware、Photoshop

【15】単元の指導計画
 指導計画(時間) 留意点
 第1時 江戸時代における漁業資源のい保護〜越後三面川を例として〜
 第2時 江戸時代における上水の保全〜玉川上水を例として〜
 第3時 江戸におけるゴミのリサイクル

【16】授業展開
学習活動・内容 留意点(活動への働きかけ・支援等)
 ア VTRと写真については、三面川の鮭漁の様子が具体的に実感できるよう、その構成を工夫し、それぞれ2〜3分程度視聴させる。
 イ 歴史資料の読み取りについては、生徒の負担にならないよう内容を精選する。

【17】学習活動の実際(なるべく写真,ビデオを入れる):省略

【18】授業の成果(生徒の反応、メディア活用の効果等):
 ア 生徒が、興味関心をもって授業に取り組んでいた。
 イ 生徒が、アニメーションを操作することにより、教科書では理解しにくい点も、理解することができた。

【19】ワンポイントアドバイス(今後の課題等):
 今後の課題:生徒に提示する部分の精選の必用を感じる。

【20】参考資料・参考URLなど(協力者,協力団体含む):
 ア 鈴木?三(1995)『三面川の鮭の歴史』財団法人イヨボヤの里開発公社
 イ 佐藤重勝(1986)『サケ−つくる漁業への挑戦』岩波新書
 ウ 水産庁委託事業(1995)『平成6年度 海の生態系と漁業に関する調査報告書』
   社団法人 海と渚環境美化推進機構

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