平成14年6月19日
経済産業省 商務情報政策局
(財)コンピュータ教育開発センター


地域産業協力型教育情報化推進事業
公募要領



 本公募は、経済産業省の教育分野での情報処理振興施策の一環として、(財)コンピュータ教育開発センター(以下、「CEC」という。)が実施するものです。

1.目的と概要

 小学校・中学校では本年度から、高等学校では平成15年度から実施される新学習指導要領においては、インターネットの検索機能やITを活用した「調べ学習」等を通じ、学校内に止まることなく地域、さらには世界中のコンテンツを利用した、自らの好奇心に基づく創造的な学習形態の確立が求められています。しかしながら、地域・経済や産業活動などを紹介する学校向けのコンテンツは非常に不足しており、また、地域社会や産業界から学校等教育機関への貢献についても充分に行なわれていないのが現状です。

 こうした問題を解決すべく、当事業は公募によって採択された企業・団体が、教科教育・環境・国際理解・情報・社会福祉等に係わるITを活用したコンテンツ及び教材を制作するとともに、制作に当たった産業界の人材が学校現場に赴き、児童・生徒に対する実際の指導に参画し、学校と産業界(企業)を紹介しあうプロセスで近隣の教育委員会などの教育関連機関と連携を図り、産業界と教育現場との交流が活発化することを目的としております。

 産業界の協力により、現在指摘されている教育用コンテンツの不足解消に貢献するとともに、産業界から協力を得るためのパイプ作りを行ない、より実践的なITを活用した教育の充実を図るものです。

 本事業の概要は下記のとおりです。

 ■産業界の知見を反映した教材、デジタル・コンテンツを学校現場に提供し、それらを活用して、実際に産業界の人材が講師として、児童・生徒からの質問に答えたり、地域産業の実態および関連する事柄について分り易く説明・紹介する授業を実施すること。

 ■ITを活用した教育・学習の実施により、学校現場におけるIT利用の可能性について教員、児童・生徒の興味・関心を深めること。また、児童・生徒が地域産業や関連分野の理解・関心を高め、学習の参考となること。


2.公募要件

(1)実施要件
 当事業においては、以下の要件が必須となります。

 @ 企業・団体と教育委員会・学校等の公的教育機関が共同で授業のための準備(授業計画の作成・事前打ち合わせなど)を密に行なうこと。
 A 授業全体の流れの中で、講師および教師、児童・生徒がITを活用する場面があること。
[例]
・産業界の講師および児童・生徒がプロジェクターを利用してプレゼンテーションを行なう。
・事前・事後学習において、インターネットやCD教材などで調べ学習を行なう。
・作品制作にITを利用する。
B 学校現場のニーズをふまえた教材を作成し、産業界のノウハウを効果的な手法で児童・生徒に伝えること。
C 作成する教材は、講師の授業実施用(以降、授業実施用と表記)のほかに、事前・事後学習など学校で利用できる教材(以降、学校用と表記)も作成すること。
D 学校用教材は、その一部あるいは全部にデジタル・コンテンツを含み、最低限、授業実施校に提供し、学校での継続利用を可能にすること。
 [例]
 ・プレゼンテーション用教材
 ・調べ学習用のCDやDVD教材、Web教材
 ・学習報告・発表用、作品制作用のテンプレート集
E 企業・団体から派遣される講師が、児童・生徒に直接、授業を行なうこと。※1
F 講師、教師、児童・生徒、オブザーバに対してCEC指定のアンケートを実施すること。
 G 授業の実施結果および評価、課題点などをアンケートやヒアリング等により、報告書としてまとめること。

(2)公募対象者
 応募できる方は、@産業界の企業および団体、A地域コーディネータ企業および団体です。(@、Aが同一でも構いません)

 ただし、学校でのニーズに応えた授業実施、教材開発が行なえるように、教育委員会、学校等の公的教育機関との協力体制が整っていることが条件となります。できれば、教育委員会であることが望ましいです。

(3)公募対象者
 実施した授業に関する情報は、学校で外部人材を活用した授業の参考としていただくため、授業概要および学校による評価などの情報をホームページ等で広く公開します。


3.提案内容の留意事項

■ 授業は、社会科や総合的な学習の時間など、普通授業の一部として位置づけられることが望ましいです。従って、企業からの「SE派遣によるIT支援等」は、対象外となりますのでご注意下さい。

■授業の実施校は、一提案につき複数校実施できることが望ましいです。

■授業の実施回数については、期間中に複数回実施できることが望ましいです。

■学校のコンピュータ環境や、教員の方々のIT関連知識等は、特には問いません。

■学校に派遣する講師は、企業・団体の正社員(構成員)もしくは派遣契約を締結した社員(構成員)であって、学校内での守秘義務等を遵守できる人材であることが条件です。

■本事業は平成14年度事業として行ないますが、本事業の終了後も、学校への講師派遣を継続できることが望ましいです。

■採択する案件の一件当たりの費用については特に上・下限は定めません。

■採択する件数は15件程度を予定しておりますが、予算の総額は約1.2億円ですので、各採択案件の費用によって採択される件数は変わります。

■費用に含めることができるものは以下のとおりです。
  @授業実施用および学校用教材作成費用
  A学校との打合せに関わる経費
  B講師派遣に係わる経費
  C授業実施のためのパソコン、プロジェクター等のレンタル費用
  D実施報告書等作成費用
  E教材作成のためのパソコン等のレンタル費用

■授業の実施においては、CEC及び関係者が立ち会うものとします。

■作成した教材については、授業実施校だけでなく、協力していただいた教育委員会などにも広く提供されることが望ましいです。


4.提案概要例

○「缶詰製造業」に関連した授業の実施
 3、4年生の社会科「地域の産業」の授業として、「缶詰製造業」での缶詰製造工程のノウハウや自動化された最新製造ラインの体験を工場見学などを交えて実施する。
 授業で使用する教材として、製造工程、原材料の輸入や商品の流通など、工場見学だけではわからないものは、缶詰商品の原材料から消費者に届くまでの流れを、ビデオやCG等の動画等のITを活用した教材を作成し、大型プロジェクターを使って見せながら効果的に説明することで、児童の理解を深める。


5.教育委員会・学校等への依頼事項

 授業実施にご協力いただける教育委員会、学校等の公的教育機関におかれましては、当事業の主旨を御理解頂き、効果的な授業実施、教材開発ができるように下記のようなご支援をいただけますようお願いいたします。(別紙「依頼文書」をご参照下さい)

(1)授業実施の場の提供
(2)実施する授業内容についてのアドバイス
(3)授業についての評価
(4)開発する教材についてのアドバイス


6.成果物

 本事業の成果物は、以下のものとします。

(1)授業実施報告書(以下を含むもの)
 ○実施した授業の内容
 ○企業や団体による授業実施についての評価、課題点など
 ○アンケート集計結果
 ○使用した教材 ※2

(2)ホームページで公開するための授業概要をまとめた電子ファイル


7.採択後の契約条件

(1)契約形態
 請負契約となります。

(2)実施期間
 契約締結から成果物の納入までの期間は、平成15年1月末日を最終期限とします。

(3)成果物の納入及び請負契約金額の支払い等
 成果物の納品形態については契約時に確定し、CECに納入するものとします。CECは、これを受けて所要の検査を行い、成果物の内容が契約に定められている条件を満たしていることを確認のうえ、請負契約金額を支払います。

(4)成果物に係る知的財産権等の取扱い
 成果物の知的財産権等は経済産業省に帰属します。但し、実施した授業の内容を活用する場合には、本事業の趣旨に基づくことを前提とし、「経済産業省の地域産業協力型教育情報化推進事業で実施した」旨を公表することにより活用できるものとします。
 また、使用した教材についての知的財産権等は、契約者に帰属するものとします。そのため、実施報告書等に教材などを添付していただける場合には、必ず著作権標記をして下さい。


8.申請書・提案書作成上の注意

(1)「テーマ申請書」、「テーマ提案書」の各1部づつのセットで、1申請書となります。1件の提案につき1申請書を応募下さい。

(2)「テーマ申請書」、「テーマ提案書」の具体的な記載内容については[別添資料−1]「テーマ申請書記入要領」「テーマ提案書記入要領」を参照して下さい。

(3)「テーマ提案書」には、参考資料等は添付せず、必要事項は全て「テーマ提案書」に記述して下さい。(ただし、提案書に具体的な教材等のイメージを含めてもかまいません。)

(4)上記(1)〜(3)の要件を満たさない提案書については、審査対象から除外し通知も行なわないものとします。

(5)「テーマ提案書」は、ホッチキス止めはせず、まとめる場合は、着脱可能なクリップ等を使用して下さい。


9.審査方法およびスケジュール

 提案の審査は、CECに設置された外部有識者等から構成される、選定委員会において行ないます。最終的な選考結果については、平成14年7月下旬〜8月上旬を目途に、採択案件の一覧をCEC及び経済産業省のホームページで公表する予定です。※3
 なお、期限内に提出された提案書について、書類の不備や必要事項が記載されていない場合は、選定委員会での審査対象とはなりませんのでご注意下さい。


10.応募方法

(1)提出期限
 平成14年7月12日(金曜日)(当日消印有効)までに申請書一式をCEC宛て郵送で提出してください。なお、期限を過ぎて提出された申請書については、審査対象とはなりませんので、ご注意下さい。
(注意)持ち込みはご遠慮下さい。

(2)提出書類
 提案するテーマ毎に下記の書類を1つの封筒に入れ、「地域協力」と表に朱記の上、提出して下さい。
・テーマ申請書(別添資料−1「テーマ申請書記入要領」参照)
・・・2部
・テーマ提案書(別添資料−1「テーマ提案書記入要領」参照)
・・・6部
・申請者(契約予定者)の団体の概要がわかる資料
・・・2部
・申請者(契約予定者)の直近の過去2年分の財務諸表
・・・2部
・授業実施者の概要がわかる資料※4
・・・2部

 その他追加資料の提出を求めることがあります。
 なお、提出書類は返却いたしません。機密保持に充分配慮し保管いたします。

(3) 応募に関する問い合わせ及び提出先
        〒105-0001
        東京都港区虎ノ門一丁目23番地11号
                   寺山パシフィックビル7F
         (財)コンピュータ教育開発センター 研究開発室
         e-mail: sangyo@cec.or.jp
         FAX: 03-3593-1806
・問い合わせの受付はFAX、E−Mailのみとします。
(注意)電話での問い合わせは応じられませんので、ご注意下さい。
・ 申請書等の電子ファイルは、下記のホームページからダウンロード可能です。
   http://www.cec.or.jp/kenkai/sangyo02/


以 上

※1 授業を実施する場所について
 学校だけではなく、企業・団体の事業所、工場及び関連施設でもよいこととします。

※2 使用した教材について
 授業で使用した教材については、任意の提出資料とします。本事業では、実施した授業情報を、教育関係者に広く情報提供する主旨から、提出された教材はその内容についてホームページ等での公開を予定しています。 従って、テーマ提案書に教材の提出および公開の可否を記述して下さい。

※3 ホームページでの公表について
 ホームページでの採択案件発表時に、授業実施企業・団体名も公表する場合もありますので、あらかじめご了承下さい。

※4 授業実施者の概要がわかる資料について
 所属する企業の所在地、設立年月、資本金、出資比率、社員数、加盟団体、主要業務等が明記さた既存資料。