実行委員 堀田龍也 からのメッセージ

堀田 龍也(ほりた たつや) 玉川大学 教職大学院 教授

1964年熊本県天草生まれ。東京学芸大学教育学部卒。東京工業大学大学院修了。東京都公立小学校教諭、富山大学教育学部助教授、静岡大学情報学部助教授、東京大学大学院情報学環客員助教授、独立行政法人メディア教育開発センター准教授等を経て現職。文部科学省参与(生涯学習政策局情報教育担当)を併任。

学校現場の情報化に関する教育実践を研究対象とし、授業改善、カリキュラム開発、学習支援ツール開発、教員研修支援等を続けている。

なぜ「マイタウン」か

 仕事柄、毎週のように小学校を訪れる。子どもたちの笑顔、外遊びの後の汗。昔と変わらない。授業中の子どもたちは真剣だ。「わかった!」「できた!」とつい口をついて出てくる、あの瞬間の子どもたちの表情は、何物にも代え難いぐらい素敵に見える。


 学んだことが形式だけに終わらないように、彼らが学んだことを現実社会とつなげてやりたい。もしそれができなければ、子どもたちの素敵な表情は、いつしか失望の表情に変わってしまうはずだ。学んだことが役に立つ。そんな経験を与えたい。これはすなわち、学んだことにリアリティをどう付与するかという問題である。だからこそ「マイタウン」を意識したい。自分の暮らす街を振り返る。そこに「よさ」を見出し、自分の役割を確認する。街を形作る一人のプレイヤーとして、自分がしっかりと学び、街の役に立つのだという思いが形成されていく。


 マイタウンマップコンクールの審査をしていると、そんな子どもたちの息づかいに出会う。だから審査会の議論はいつも白熱し、審査結果の調整は難航する。それぞれの子どもたちの思いのすばらしさが審査員の胸を打つのだ。素敵な作品とは綺麗な作品とイコールではない。子どもたちの真剣さは作品の見栄えを超える。子どもたちの学びの成果を一番近くで見つめている先生方、ぜひ今年もマイタウンマップコンクールにトライして欲しい。

(2009.12.18/めるまが M・A・P Vol.15 掲載)
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